2012.05.24

映画|The Lady ひき裂かれた愛

Thelady ミャンマー(ビルマ)の民主化運動指導者であり、1991年のノーベル平和賞受賞者でもある、アウンサンスーチーの伝記映画。監督はリュック・ベッソン。主演はミシェル・ヨー。監督がベッソンで大丈夫かなぁ……という心配はあったが、思いがけず立派な映画に仕上がっていた。ミシェル・ヨーは渾身の役作りで、テレビ報道などで見かけるアウンサンスーチーに成りきっている。顔の作りは同じアジア系と言いながら、仕草や立ち居振る舞いの様子が「これって本人なんじゃないの?」と思わせるほどだ。主人公の夫をデヴィッド・シューリスが演じていて、こちらが物語の狂言回しのような役目。あまり報道されることのない、アウンサンスーチーの私生活や、彼女の活動を家族が同サポートしたかといった話は興味深い。シューリスはミシェル・ヨーとはまた別の意味での大熱演だった。

(原題:The Lady)

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10:00 午前 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.05.19

映画|テルマエ・ロマエ

Thermaeromae 独特のユル〜イ笑いが人気を呼んで、ベストセラーになった同名コミックの実写映画版。連作短篇をどうやって長編化するのか気になったが、上戸彩扮するヒロインが現代日本から古代ローマに逆タイムスリップするという設定を持ち込んで、長丁場の物語に一貫した物語を作っている。しかし主人公ルシウスとこのヒロインの間にロマンスが生まれるわけでなし、後半の歴史ドラマもサスペンス不足で盛り上がりに欠けるなど、どうにもテンションが下がってしまう映画なのだ。原作がユル〜イ笑いだとすれば、映画版はヌル〜イ笑いの作品だとでも言うべきだろうか。炭素年代法で麻の繊維の成分を調べるという無茶苦茶なことをやるかと思えば、「ねえねえ今何年?」「135年だが」という会話まであって萎えまくり。なんで古代ローマ人が西暦使ってるんだよ! ちなみにこの時ハドリアヌスが戦っていたのはユダヤ戦争で、原作コミックにはちゃんとそれが明記してあるが、映画はなぜかそれをぼかしてるんだよなあ……。

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06:25 午後 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.05.17

映画|ブラック・ブレッド

Blackbread スペイン内戦の傷跡がいまだ深く残る1940年代のカタロニア。山間部の小さな町で父と息子が乗る馬車が何者かに襲われ、事件の第一発見者となった少年の父が警察から取り調べを受けることになる。彼は警察の手を逃れるため村を出て、残された妻とまだ幼い息子は親戚の家に預けられることに。物語はこの息子の視点を通して、事件の背後にある過去の事件と、事件の真相をあぶり出してゆく。登場人物が多くてエピソード盛り沢山の割に、上映時間は1時間53分という標準サイズ。もう少し各エピソードをゆったり描けると、映画の印象はまたぜんぜん違ったものになったように思う。理想を語り、妻に対しては良き夫、息子に対しては良き父であろうとしながら、それと裏腹な生き方しかできない父親に同情してしまう。人間とは何という矛盾した存在であろうか。

(原題:Pa negre)

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03:30 午後 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

映画|スープ 〜生まれ変わりの物語〜

Soup 突然の事故でこの世を去った冴えない中年サラリーマン渋谷。あの世に行った渋谷は、現世に残してきた中学生の娘のことが気がかりだった。どうしてももう一度娘に会いたい! そう考えた渋谷は、記憶を残したままもう一度現世に生まれ変わることを決意するのだが……。個性派俳優の生瀬勝久が主演する、ファンタジックなホームドラマ。設定はファンタジーなのだが、中に描かれている個々のエピソードはかなり残酷で手厳しい。父親を失った15歳の娘が直面するさまざまな困難を、手加減なしにきっちり描いていく部分に見応えがある。この少女に親友が漏らす「私たちって片親じゃん。グレたら負けなんだよね」という台詞がちょっとすごい。映画は終盤でこの世に戻って来た主人公の物語になるのだが、あの世でのあれやこれやより、この人生リスタート、中学生やり直し編がじつに面白い。松方弘樹がねぇ……みたいな。主人公の娘を演じた若い女優や、この中学生やり直し編に出てくる若い俳優たちは、これから伸びてきそうだなぁ。ちょっと注目しておきたい。


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01:00 午後 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

2012.05.14

映画|少年は残酷な弓を射る

Shonen_zankoku 生まれた時から(生まれる前から)母親を手こずらせ、敵対し続けてきた子どもが起こした大事件。それによって母は、それまで築いてきた一切を失う。周囲のすべての人たちは彼女の敵となり、彼女は人々の好奇心と敵意と嫌悪感の入り交じった視線にさらされながら生きなければならない。いったい彼女と子どもの間に何があったのか? 子どもを持つ親なら同情し共感せずにいられない映画。でもこの映画を観て、「母親のここが悪い」とか「ここで子育てに失敗した」などと言う人もいるんだろうなぁ……。脚本も演出も俳優の芝居も最高で、映画としての完成度は物凄く高い。しかし救いのない映画なので、観終えた後は気分が滅入ってしまう。まあそういう映画があってもいいんだけど……。

(原題:We Need to Talk About Kevin)

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