2012.02.01

映画|へんげ

Henge かつては優秀な外科医として将来を嘱望されていた門田吉明は、しばしば襲われる原因不明の発作のため、今では外出すらままならない。夜中にも突然奇声を上げて悶絶する吉明の横で、妻の恵子はただおろおろと見守るしかない。だが発作は徐々に激しくなり、発作中の吉明の体は異様な姿に変形する。家ではとても手に負えないと考えた恵子は、吉明の後輩坂下のつてを頼って、吉明を大学病院に入院させるのだが……。上映時間わずか54分の短編映画だが、このコンパクトさがドラマの展開にスピード感を生み出している。物語が余計な横道にそれることなく、ひたすら一直線にエスカレートして行くのだ。同じ話で1時間半以上の長編にしようとすれば、周辺の人物をもっと増やすとかエピソードを膨らませるとか、途中にストーリーの屈折を作るとかして、ドラマに起伏を作らなければならないだろう。だがこの映画はひたすら右肩上がり。「なぜ?」とか「どうして?」とか「それからどうなるの?」という観客の疑問に答えることなく、映画はクライマックスですっぱりと断ち切るようにして終わる。痛快!


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2012.01.30

映画|幸運の壺 Good Fortune

Goodfortune NHKの朝ドラ「カーネーション」でもいい感じの演技を披露しているほっしゃん。が、妻殺しの容疑をかけられることを恐れて右往左往するコメディ映画。「カーネーション」で炸裂する関西弁を封印し、標準語で演じているのが残念と言えば残念ではあるが、このヨソ行きの台詞回しが主人公の不器用さや実直さを感じさせもする。ただし映画はあまり面白くないのだなぁ。映画というより、小劇場の芝居を観ているような雰囲気。人物の出し入れが、どうも舞台劇のような感じなのだ。だったらいっそのこと舞台劇風の演出を徹底して、カメラをマンション内部から一切出さずに話を完結させるなど、作り方や見せ方にもう少し工夫があってもよかったと思う。(役者としての姿はテレビなどで見せられる。最低限の回想シーンなどもOK。)こうして場所を固定してしまう方が、主人公の追い詰められた閉塞感が出ただろう。

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映画|FLY! 〜平凡なキセキ〜

Fly 大阪の町工場で働く平凡で冴えない三十男が、偶然出会った宇宙人を自宅に連れ帰り世話することに。宇宙人は地球に遊びに来て、仲間たちからはぐれてしまったのだ。男はなんとか宇宙人を故郷に帰してやろうとするのだが……。スピルバーグの名作『E.T.』を見事に換骨奪胎した、SFラブ・コメディ。『E.T.』のフォロワー作品としては昨年J・J・エイブラムス監督の『SUPER8/スーパーエイト』が公開されているが、それよりはこの映画の方が面白いと僕は思った。主演の小薮千豊は吉本新喜劇の座長で、関西方面では名の知れた芸人らしいが僕はまったく知らなかった。これから先、全国区になって行く人かもしれない。大柄で存在感があり、画面に出てきても見栄えがする。

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2012.01.24

映画|おとなのけんか

Otonanokenka 日本でも上演されているヤスミナ・レナの戯曲「大人は、かく戦えり」を、ロマン・ポランスキー監督が映画化。原作はフランスが舞台だが、映画はニューヨークに舞台を移している。出演しているのは4人の俳優たち。ジョディ・フォスター、ケイト・ウィンスレット、ジョン・C・ライリー、クリストフ・ヴァルツ。もちろん英語作品。ただしポランスキー監督はアメリカに入国できないので、撮影はパリで行われているとのこと。オープニングタイトルとエンドロール以外は完全な室内劇で、登場人物も少なく、劇中の時間に省略がないリアルタイム進行。思い切り「舞台劇でございます!」という感じの映画だが、これはそれを狙って映画にしているのだと思う。前作『ゴーストライター』は移動の多いサスペンスだったが、これはそれと正反対のコメディ。役者たちの丁々発止のやりとりは舞台劇を目の前で観ているような迫力があり、なかなか面白く観ることができた。舞台劇が好きな人にはお薦め。川島雄三の『しとやかな獣』をちょっと思い出したりもする。

(原題:Carnage)

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映画|アフロ田中

Afurotanaka ビッグコミックスピリッツに連載されている「アフロ田中」シリーズを、松田翔太主演で映画化したコメディ映画。何となく高校を中退して、何となく上京してきた主人公田中の悶々とした青春模様を描く。主人公のアフロヘアのボリュームは原作の数倍に膨れ上がっているが、このぐらいにしておかないと映画を観ているうちに慣れてしまうのでこれは正解。最初からクスクス笑いが止まらないのだが、途中に何カ所か爆笑ポイントがあって、映画を観ながら試写室のイスから転げ落ちそうになってしまった。松田翔太は二枚目役が多いのだが、今回は思い切り三枚目方向にずらして爆笑を誘う。キャスティングが豪華で画面に厚味があるのがいい。これは毎回ヒロインを替えてシリーズ化してほしいなぁ。とりあえずこのノリのまま、あと2本ぐらいは映画を観てみたい気がする。

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