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2004.11.14

久司道夫のマクロビオティック 入門編

久司道夫のマクロビオティック 入門編
久司道夫のマクロビオティック 入門編
久司 道夫

[:見る:] 玄米食を中心とした和食献立で、体質改善を目指そうというマクロビオティックの入門書。レシピなどは載っていないが、マクロビオティックという考え方の背景にある理論や思想がよくわかる本になっている。これからマクロビオティックに取り組もうとする人は、ぜひこの本を読んでみるべきだと思う。

 僕はこの本を読んで、玄米と味噌汁に温野菜、肉や乳製品は少々という考え方に共感しつつ、その背後にある思想部分についてはオカルトだという印象を持った。マクロビオティックで体質が改善されるだけでなく、人生の諸問題がすべて解決し、それどころか世界平和までつながってしまうような口ぶりなのだ。そんなことは常識的に考えて、あり得るはずがない。それがあり得ると大真面目に考えているのなら、マクロビオティックは食事療法や健康法ではなく、一種の宗教だろう。

 ただマクロビオティックがそうした思想的背景と不可分の存在になっているのは、この食事法がアメリカで発達したことと関係があるようにも思った。マクロビオティックを最初に生活に取り入れたのは、60年代のヒッピーたちだった。彼らは「日本食」の背後に「東洋思想」を見たかったのだろう。そしてマクロビオティックの提唱者であるこの本の著者は、そうした需要側の要求に応える形で、食物の陰陽バランスといった思想体系を作り出していく。

 菜食主義が「主義」という思想の問題であるように、ヨーガが単なる柔軟運動ではなくインド思想と密接に結びついているように、禅がただの瞑想法ではなく仏教思想と切り離せないように、マクロビオティックも一種の思想なのだ。マクロビオティックの実践者は、玄米を食べながら、そのじつ思想を食べているに違いない。

 食物から摂取すべき栄養素の多くを、穀類や豆類から取り込もうというマクロビオティックの考え方そのものに、僕は反対するつもりはない。僕自身玄米食をしていて、体調が改善した経験を持っているからだ。豆も好きだしね。でもマクロビオティックを続けることで、対人関係が改善するとか、仕事がうまく行くようになるとか、性格が変わるといった話を、あまり真面目に受け止めない方がいい。これは「思想」を食べた結果として生じた効果ではないだろうか。(11/14)

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