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2005.01.30

外国映画ぼくの500本

外国映画ぼくの500本
双葉 十三郎

文芸春秋 2003-04
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 映画評論家の双葉十三郎さんが「ぼくの採点表」(全5巻)から高得点の洋画500本を選び出して、ユニークで切れ味鋭い短評と共に紹介した映画ガイドブック。こうしてずらりと映画が並ぶと、自分がいかに映画を観ていないかなをつくづく思い知らされる。これから先、この500本のうちのどれだけを僕は観ることができるだろうか。まあ観る努力をしなければ、それこそ永久に観られないわけだけれど……。

 しかし本当のところ、僕がこの本で一番楽しみ共感したのは第2部の「ぼくの小さな映画史」だった。これは双葉先生による小さな自叙伝であると同時に、双葉流の簡単な映画史、映画論、映画評論(批評)概論にもなっている。映画ガイドの部分をいちいち読むのは時間がかかると思っている人も、この第2部だけは読んでおいて損がないと思う。(1/30)

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2005.01.16

きらめく映像ビジネス!

きらめく映像ビジネス!
純丘 曜彰


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 映画の歴史から始まり、映画、テレビ、CM、ポルノ映画やアダルトビデオ、ミュージックビデオ、ビデオカタログなど、ありとあらゆる「映像ソフト」の作られ方について解説しつつ、映像メディアの過去・現在・未来を俯瞰した本。ひとつひとつの記述は大雑把で説明不足な点も多々あろうし、記述内容に乱暴な内容もあるだろう。しかし「映像ビジネス」をここまで幅広く視野に入れつつ、全体が一目で見えるように記述した類書は他になさそうだ。これが専門家向けの本ではなく、あくまでも一般向けの新書であることは重要。芸術映画からネット配信のポルノは連続している。ネット配信ポルノで作られた技術が、他のコンテンツ産業にフィードバックされる。そんな映像ビジネスのダイナミックさが伝わってくる良書。

 語り口としてはかつて一世を風靡したホイチョイプロダクションの「見栄講座」や、テレビ番組「金持ちA様×貧乏B様」などと同じ業界うちわけ話風でもあり、外部の人にとっても非常に読みやすい本になっている。しかしそのために物事をわかりやすく図式化しすぎている点があるし、うがちすぎなコメントも多いように見える。それがこの本独特のスピード感を生み出しているのだが、本当に映像ビジネスの内側を知りたいと思う人は、この本をきっかけに他の本も併読したほうがいいだろう。(1/16)

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2005.01.12

ホンモノの思考力―口ぐせで鍛える論理の技術

ホンモノの思考力―口ぐせで鍛える論理の技術
樋口 裕一


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 「ホンモノの文章力」と同じ著者が、同じ新書から出している続編のような本。しかしこれは内容的にほとんどが「ホンモノの文章力」とダブっている。タイトルは「思考力」となっているが、要するにこれは「小論文向けの思考パターンをいかにして身に着けるか」という指南書であって、日常生活の役にはほとんど立たないだろう。「ホンモノの文章力」を読んだ人が、復習のために読むならそれもいいだろうが、少なくとも僕にとっては意味のない本だった。(1/12)

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2005.01.02

おろかものの正義論

おろかものの正義論
おろかものの正義論
小林 和之

 神という絶対的な「正義」を失った現代人が、それでも「正しさ」を求めるとするならば、それはどういった「正しさ」になるのかを考察した本。これが正しいことだ、これが正義だと主張するのではなく、本を読んだ人たちそれぞれが「正しさ」について考え始めることを要求する本だ。

 社会の中の具体的な事例をもとに考えを進めようとする構成なので、取り上げられている事例によって読者の関心は異なってくると思う。個人的には6章「他人に迷惑をかけてはいけないか」、7章「選択の自由があるのはいいことか」、8章「暴力をどう管理するか」あたりが面白いと感じた。(1/2)

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2005.01.01

ダ・ヴィンチ・コード (下)

ダ・ヴィンチ・コード (下)
ダ・ヴィンチ・コード (下)
ダン・ブラウン, 越前 敏弥

 上巻を読んで軽い失望を感じつつ下巻を読み始めたのだが、エンターテインメント小説としては下巻のほうが多少面白くなる。それは上巻に書かれたレベルの低い「キリスト教の秘密」についての真相よりは、小説オリジナルの「殺人事件の真相」の方が“お話”としての真実味があるからかもしれない。

 複数の登場人物の一人称視点を次々切り替えていく、映画で言うカットバックの手法を用いる小説だが、この小説ほどその切り替えスピードがめまぐるしい本をこれまでに読んだことがない。ドラマのセットアップ段階にあたる上巻ではこのスピード感がかえってうっとうしく感じられ、「もっとじっくり腰をすえて読ませてよ」とも思ったのだが、下巻はひたすら追いかけっこが続くので、このスピード感がむしろ効果を上げているのかもしれない。

 ただし上巻の最後に出てきて僕を失望させた「キリスト教の秘密」は、この下巻でもまったく軌道修正されていないし、殺人ミステリーとしても僕自身はさほど興奮を味わうことができなかった。主人公たちが最後に脱出に成功することは、読者としてもあらかじめ予期していること。それをいい意味で裏切りつつ、物語を落着させるアイデアがもう少し欲しかった。(1/1)

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