やっぱりバカが増えている
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外出中に読む本がなくなってしまったのでたまたま本屋で購入した本だが、まったく面白いと思わなかった。著者の考え方に賛成とか反対とか、そういうレベルで面白いとかつまらないとか言うつもりはない。「こいつはひどい奴だ」と思いながらも、その暴論を楽しむという読書もありえるからだ。この本の場合は、言っていることはどれもまともだと思うのだが、論の立て方や論の進め方が、やけに回りくどくて面白味に欠けるのだ。
また分析的・批判的に論を進めようとする場面で、僕のような素人が見ても明らかに「そりゃ違うだろう」と思われるようなアラが見えるのは読んでいてしらけてしまう。例えばP115にある「『犯罪』概念が成り立つための四つの条件」という部分では、「犯罪を規定する法律が存在しなければ犯罪にならない」というごく当たり前の犯罪構成要素がすっかり抜け落ちている。著者が4つの条件としてあげているものをすべて満たしていても、取り締まるべき法律が存在しなければそれは「犯罪」とはなり得ないのだ。
ほとんどは他の場所で発表した文書の再録なので、文体などがばらばらになったり、内容的に重複が見られるという欠点もある。しかし書下ろしであるはずの第3章6節「どうしたらバカ社会を終わらせられるか」も、中身は空想的な理想の教育制度を提示するだけだ。こんなプランを提示するよりは、まだ「ゆとり教育」やその反動としての「声に出して読みたい日本語」や「百マス計算」のほうが、実施可能なだけましだと思うけどな。
本の帯には「誰からも賢いと思われているやつがほんとうのバカなのだ!」とか「もう、この小利口で声高な言説を許してはおけない!」などと書かれているけれど(まあこういうものは編集者が作るコピーではあるが)、この本を読むと、この著者自身が「自分を賢いと思っているバカ」に思えてきてしまう。(3/22)
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