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2005.06.10

イエス―あるユダヤ人貧農の革命的生涯

4400120333イエス―あるユダヤ人貧農の革命的生涯
ジョン・ドミニク クロッサン John Dominik Crossan 太田 修司


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 クロッサンの代表作だと思うが長らく品切れ状態。昨年末に新教出版社から重版されたので購入した。ただしAmazonでは扱いがないので、銀座の教文館で買ったのだけれど……。

 僕は同じ著者の「誰がイエスを殺したのか―反ユダヤ主義の起源とイエスの死」を先に読んでいたので、イエスの受難についての記事は前回の復習のようになった。しかし洗礼者ヨハネについて論じた部分や、イエスの宣教スタイルを「ユダヤ的キュニコス主義」と分析した箇所などはなるほどと思わされた。しかしヨハネの宣教についてはまだ「ユニークな仮説」という印象が強い。一歩間違えると小説だ。

 福音書記者のマルコは女性だった可能性があるとか、イエスの弟子たちは男女一組で宣教に派遣されたという説も、「え~、それはないだろう!」と思う。学問的な反論が僕にできようはずがないけれど、「それは違う」と僕の心の中で何者かが叫んでいるぞ。復活のイエスや奇跡伝承についての解説になると、原始キリスト教団の神学や釈義についての仮説ばかりで、説得力が格段に弱くなる。

 既存の「キリスト教」や「キリスト教史」に深く鋤を入れて掘り返した本だとは思うが、まだその後の地ならしができていないような気がする。「キリスト教とはこんなもの」「キリスト教史はこんなもの」という先入観をまず捨てさせて、「本当はこうだったのかもよ?」と読者を挑発するが、その先には特に何もないような……。面白いんだけど、かえってよくわからなくなってしまう本だ。

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