批評理論入門―『フランケンシュタイン』解剖講義
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メアリ・シェリーの小説「フランケンシュタイン」を題材にして、古今の批評理論を紹介する本。全体は2部構成で、第1部は「小説技法篇」として、小説技法の分析を通した内在的なアプローチ、古典的な形式主義批評を紹介する。第2部は「批評理論篇」として、作品外部の世界観や思想潮流とからめた外在的批評の数々を紹介する。単に理論の骨子を紹介するだけでなく、その理論を使うとどのような言い分が成り立つのかを、「フランケンシュタイン」という実例を通して紹介してくれるのがわかりやすい。これは批評理論の入門書であると同時に、小説「フランケンシュタイン」に対するさまざまな批評を概観した本としても優れていると思う。
僕は「映画批評家」を名乗っているわけだが、これまで特に「批評理論」を意識しながら映画について考えたことはなかった。でも数多くの映画を観ながら考えてきたことの多くが、批評理論の言葉を使えば簡単に説明できてしまうことを知った。自己流の言葉で苦心惨憺しつつ語らなくても、文学批評の方法がそのまま映画に転用できることは多いのだ。そして実際、多くの用語は文学と映画の世界で共通に使われている。例えばストーリーとプロットの違いや、平板な人物と立体的な人物といったキャラクターの違いは、脚本の入門書に必ず出てくることだ。
映画を観ながら漠然と考えてきたことが、この本によって明確な言葉を与えられた気分。読者反応批評における「含意された読者」という概念は、映画についてもそのまま当てはまるものかもしれない。面白かったのは最後に紹介されている「透明な批評」という部分。映画ファンが好きな映画の続編を勝手に考えてしまったりするのも、じつは立派な批評行為らしい!
| フランケンシュタイン | |
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