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2005.12.25

銭形平次捕物控〈1〉平次屠蘇機嫌

銭形平次捕物控〈1〉平次屠蘇機嫌
野村 胡堂
嶋中書店 (2004/05)
売り上げランキング: 97,889
 少し前に最初の5巻をまとめて購入していた、嶋中書店の「銭形平次捕物控」傑作選。巻数が多いので最初は全集だとばかり思っていたのだが、中身は銭形平次三百数十余編からの抜粋でした。1巻に10話だとして、全部で40冊もあれば全集として完結しそうなものだけれど、さすがにそれは現在の出版事情で難しいのかもしれない。これが文庫本6巻で完結する「半七捕物帳」との違いなのだ。

 時代小説としての面白さは「半七捕物帳」の方がずっと上だろう。幕末に時代設定して江戸風俗を描いた岡本綺堂の姿勢は、やがて池波正太郎の「鬼平犯科帳」などにも受け継がれていく。「銭形平次捕物控」の面白さは時代を描く部分ではなく、主人公平次と子分のがらっ八による、芝居染みた言葉の掛け合いにある。トリックや謎解きで読者を楽しませるミステリー小説としても「半七」よりだいぶ整理されていて、架空の江戸時代(なんとなく文化文政)を舞台にしたエンターテインメント小説としては一級品だと思う。

 ただしこれをずっと読み続けることが面白いのかというと、どうなのだろうか……。僕はあと4冊手元に未読のものが残っているのに、「もういいや~」という気分も濃厚。雰囲気がわかればそれでいいという人は、読むのを数冊でとどめるか、他に出ている傑作選で構わないような気もする。とりあえず僕は、時間を見つけては5巻まで読んでみますけどね。案外そこまでいくと、独特の文体が癖になってさらに続きが読みたくなるかもしれません。

銭形平次―時代小説英雄列伝
野村 胡堂 縄田 一男
中央公論新社 (2002/10)
売り上げランキング: 391,923

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