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2006.01.14

私のチャップリン

yodogawa

 1977年にPHPから出版された淀川長治のチャップリン・エッセイ。これはチャップリン論であると同時に、著者のチャップリン体験記であり、チャップリンの評伝であり、関係者のインタビュー記録であり、チャップリンにまつわるエピソードのメモであり、各作品のデータブックでもある。著者曰く、これはチャップリンの雑記帳なのだ。著者の「まえがき」が泣かせる。

 これはチャップリンの伝記ではない。いうならばチャップリンの雑記帳である。しかしこの雑記帳は私の指の一本一本をむしりとってゆくように痛くつらくはがゆいものであった。

 著者のチャップリンに対する崇拝ぶりが、ダイレクトに伝わってくるような文章。この「まえがき」だけで、この本の意図がわかろうというものだ。

 チャップリンの秘書だった高野虎市さんに会った話。彼の口添えでチャップリンの長年の共演者だったエドナ・パーヴィアンスに会った話。そしてもちろん、著者が人生の中で2度、チャップリン本人に会ったときの話。どれも行間から著者の感動や感激が伝わってくるようだ。映画監督の牛原虚彦との対談では、牛原監督がチャップリンのスタジオで研究生として働いていた時代のエピソードも知ることができる。チャップリンの人となりや、映画作家としての完全主義ぶりがうかがえる貴重な資料だ。

 この本はPHP版が絶版になった後、筑摩書房から文庫化されたのだが、これも現在は絶版品切れになっている。しかし古書店やAmazonのマーケットプレイスで探せば、すぐ手に入ると思う。

私のチャップリン
私のチャップリン
posted with amazlet on 06.01.16
淀川 長治
筑摩書房 (1995/04)
売り上げランキング: 924,191
おすすめ度の平均: 3
3 チャップリン愛に満ち溢れた本。

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