映画の誕生
1980年に日本語版が発行された初期映画史。著者はD・J・ウェンデルで訳者は横川真顕。公論社刊で定価は2,700円というハードカバーの立派な本だ。銀座の古書店で1,000円で購入したが、中身はそれ以上だったかもしれない。映画の発明からトーキー映画の登場までをひとつの区切りとし、その間に起きた技術的発展や、産業としての拡大を描いている。著者はサイレント映画の終焉を描くことで、映画のひとつの形式が終わったことを嘆いているようだが、僕自身はサイレント映画の培った資産が、その後のトーキー映画の中にもそのまま継承されていると見るので、本書がトーキー普及とサイレント衰退で筆をおいているのはちょっと残念。しかしこれは「映画の誕生」についての本なのだから、これはこれでいい区切りだったのかもしれない。
アメリカのAmazonでこの本を検索すると、マーケットプレイスにペーバーバックの古本が安価にまとまった数出品されている。この時代の映画についての古典的テキストになっいてるのかな……。30年前の本だが(原書の初版は1975年)、この本が扱っているのは1930年ごろまでなので、内容的には古くなりようがない。
原題の「The Birth of the Movies」は、グリフィスの古典映画『國民の創生(The Birth of a Nation)』のもじりかもしれない。だとしたら邦題は「映畫の創生」とでも訳す方がよかったのかも。
Macdonald (1975/03/20)
| 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/4474/8937962
この記事へのトラックバック一覧です: 映画の誕生:



コメント