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2006.03.04

がんばれ!!吉野家

がんばれ!!吉野家
がんばれ!!吉野家
posted with amazlet on 06.03.04
山中 伊知郎
長崎出版 (2006/02)
 BSEによるアメリカ産牛肉輸入停止をうけて、日本最大の牛丼チェーン・吉野家がいかに対処したかを綴る、ここ2年間の決算報告。この本が企画されたのは日本への米産牛肉輸入が再開された頃で、吉野家の牛丼復活タイミングに合わせた出版企画だったはず。それが牛肉への背骨混入という不祥事で再び米産牛肉の輸入がストップし、今後の輸入再開見通しはまったく立っていない状態だ。僕も「牛丼愛好家」のひとりとして本書の取材を受けていたので、最初は出版されることも危ういのではないかと思ったが、結局こうした形で出ることになった。著者は2001年にも「吉野家!―新国民食」という本を書いている山中伊知郎さん。

 本は全部で6つの章で構成されていて、1~3章は米産牛肉の輸入禁止から現在までを時間経過と共にたどったもの。読んでいて「そうそう、そんなことがあったよな~」と思ってしまうのは、僕もかなり吉野家に通っている証拠だ。4章はこの2年間に登場して定着、あるいは消滅して行った新メニューの紹介。5章は吉野家フリークによるさまざまな食の冒険の数々、6章は今後の吉野家への著者からの提言となっている。ちなみに僕の名前は第4章にチラッと出てくるのだが、それ以外の場所でも僕が話した内容がアレンジされながら引用されている様子。それとも僕と同じようなことを考えたりコメントしたりしている牛丼ファンが大勢いるのかな……。僕以外の人はみんな匿名になっているのでよくわからないけど。

 それにしても残念なのは、この本自体の立ち位置がいまひとつ中途半端なこと。牛丼販売が再開されていれば、「あの頃は大変だったけど、今はこうして立ち直りました。吉野家はますます元気です!」と勢いよく締めくくれたであろう企画なのだが、今現在の状態ではどうしても「中間報告」の感をぬぐえない。これは牛丼がいつの日か発売再開されたおりに、増補改訂版を出してほしい本だ。たぶんその頃には、吉野家側も今は話せないさまざまな内部事情を語ってくれるのではないだろうか。

 この本に関して言えば、吉野家内部の取材よりも、新聞記事や外部発表された広報データなどにもとづく記事や、著者の個人的な見解などが目立っているように思う。著者が吉野家のファンであることは伝わってくるし、それによって著者に好感も持つのだが、読み物としては新しい発見がほとんどなくて物足りないのだ。

吉野家!
吉野家!
posted with amazlet on 06.03.04
山中 伊知郎
廣済堂出版 (2002/05)
売り上げランキング: 313,746

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