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2006.05.29

映画の理論

4905640857映画の理論
ベラ バラージュ Bela Balazs 佐々木 基一
學藝書林 1992-03

by G-Tools

 ハンガリーの映画理論家、ベラ・バラージュ(1884~1949)による映画理論書。著者は映画の誕生からサイレント映画の発展、トーキー映画の出現と発達などをすべてリアルタイムで見ている。サイレント映画の芸術性についてこれほど力強く的確に書ける人は、映画といえば何の断りもなしにトーキーであることが当たり前である現代にはもう現れないと思う。サイレント映画について、サイレントからトーキーへの移り変わりについて、そしてサウンド映画の可能性について考える際は、とても参考になる本だ。

 ただし著者のマルクス主義的な立場や、紹介作品が半世紀以上前の作品に偏っていること(しかもソ連や東欧の作品も多い)、著者の理論を1950年代以降の映画の歴史が一部乗り越えてしまっている部分も多いこと、テレビジョンという新しい映像表現についてまったく記述されていないことなどを考えると、この本の歴史的な限界というものも見えてくる。映画史的には意味のある本だし、理論の多くは現代にもそのまま通じ、あるいは応用が利くものだと思う。したがってそうした理論のふるい分け作業ができる読者には、この本はとても有益なものだろう。そういう意味では、ちょっと上級者向けなのだ。

 現代の読者がすぐとっつきやすいという意味では、ルイス・ジアネッティの「映画技法のリテラシー」など、最近書かれた本の方が優れていると思う。映画というのはその時代性や、技術発達に大きく制約され、影響を受ける芸術なのだ。(このことはベラ・バラージュも論じている。)いずれそう遠くない未来、新しい技術の登場によって、現在の映画も「過去の遺物」になってしまわないとも限らない。映画やそれについての理論は常に発展途上であり、常に書き替えられるべき対象だ。この本を読むと、そんなことが見えてくる。

映画技法のリテラシー〈1〉映像の法則
映画技法のリテラシー〈1〉映像の法則ルイス ジアネッティ Louis Giannetti 堤 和子

フィルムアート社 2003-11
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映画技法のリテラシー〈2〉物語とクリティック 映像プロフェッショナル入門―映画・テレビの現場のクリエーターのために 傑作から学ぶ映画技法完全レファレンス 図解映像編集の秘訣―映画とテレビ番組、コマーシャルから学ぶ映像テクニックのすべて 映画監督術〈2〉cinematic motion

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