それでも神は実在するのか?―「信仰」を調べたジャーナリストの記録
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「ナザレのイエスは神の子か?―「キリスト」を調べたジャーナリストの記録」と同じ著者による護教論的なインタビュー集だが、これは前作よりずっと面白い読み物になっていた。最初にビリー・グラハムの同僚説教師から無神論に転じたチャールズ・テンプルトンを取材し、無神論者(実際には懐疑論者と呼ぶべきだろう)から見たキリスト教の疑問点をいくつもあげていく。その上で、キリスト教の神について誰もが抱くであろう疑問点や謎を8つ取り上げ、それぞれの項目について神学者(肩書は哲学者になっている人も多いが、すべてキリスト教の立場から発言している)たちの反論を取材して回るという構成だ。そして著者は最後に取材結果をまとめて、それをテンプルトンに送ることを決意する。
テンプルトンが登場するのは冒頭の序章だけなのだが、彼の懐疑論はこの本の全体を支配している。「テンプルトンならどう言うだろうか?」「その答えにテンプルトンは満足するだろうか?」。テンプルトンは著者の旅に同行し、著者にささやきかける陰の声となる。著者はいわば、テンプルトンの名代として著名な神学者たちを訪ねているのだ。そして長い旅の果てに、テンプルトンの名代として無神論・懐疑論の立場をとっていた著者は、疑いを持ちつつも神を信頼する信仰に留まることを決意する。
この本のよさは、小説めかしたこの構成のよさだ。すべての問いかけに一応の答えを示した後で、なお残る神への疑いを否定しないのもいい。疑いつつ人は神を信じることができる。むしろ疑いがなければ、それは信仰とは呼べない。疑問の余地なくすべてが明るみになったとき、そこにあるのは単なる「知識」でしかないという説明はその通りだろう。
| ナザレのイエスは神の子か?―「キリスト」を調べたジャーナリストの記録 | |
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