映画のタイクーン―マス芸術の創造者たち
| 映画のタイクーン―マス芸術の創造者たち (1972年) 栗山 富夫 みすず書房 1972 by G-Tools |
ハリウッドのメジャースタジオを牛耳っていた大物プロデューサーたちの生態を、細かなエピソードを交えながら浮き彫りにした本。訳者は助監督時代の栗山富夫。人物ごとの伝記ではなく、時代ごとに大きく区切ってあるわけでもないので、資料として使うには少々厄介な本なのだが、ハリウッドのタイクーンたちの姿を生き生きと描き出すには、むしろこのスタイルが良かったのだろう。
ハリウッドの表現規制や赤狩りについて、会社経営者側からの話が書かれていたのが新鮮。特に赤狩りについてはどうしても、ハリウッド・テンに代表される「被害者」側から見た資料が多いのだが、視点を映画会社の経営者側に移すと、そこにはまったく違った風景が見えてくる。黄金時代のハリウッド(1920年代〜1940年代)について、映画作品とはまったく別の視点から描かれた本として面白く読めた。
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