白井佳夫の映画の本
| 白井佳夫の映画の本 白井 佳夫 話の特集 1977-11 by G-Tools |
映画評論家の白井佳夫がキネマ旬報の編集長だった頃の仕事から代表的なものを幾つかピックアップし、同時に彼がどのようにしてキネ旬の編集長になり、どのような編集方針で雑誌を再生させ、どんないきさつで編集長を解雇されたのかを記録した本。キネ旬時代の白井佳夫の代表的な仕事としては、黒澤明の『トラ・トラ・トラ』解任をめぐるレポートなども有名なのだが、この本にはそうした白井佳夫個人の仕事は載っていない。ここで取り上げられているのは、「編集者・白井佳夫」なのだ。だから座談会とか、インタビューとか、シナリオの採録とか、そういう裏方仕事が取り上げられている。
年配の映画ファンと話をしていると、「白井さんがキネ旬の編集長だった頃」という話がよく出てくる。僕はそうした時代をまったく知らなかったので、この本で「キネ旬時代の白井佳夫」を知ったのは大きい。白井佳夫の解任事件そのものが今から30年も前の話(1976年)なのだが、この本はその翌年に出ている。映画についての記事は古びていないけれど、解任事件をめぐるごたごたについてまとめた部分は、読んでいてさすがに隔世の感がある。ロッキード事件の話とか出てくるし……。
この本が出たときはキネ旬のごたごたもリアルタイムの出来事だったわけだが、その後もキネ旬は二転三転しつつ今もなお老舗の映画雑誌として続いている。この本はキネマ旬報という雑誌の歴史について記した、貴重な証言でもある。
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