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2007.09.30

アオバ自転車店 1巻

4785928530アオバ自転車店 1巻 (1) (ヤングキングコミックス)
宮尾 岳
少年画報社 2007-09-25

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 「並木橋通りアオバ自転車店」改め「アオバ自転車店」の第1巻。雑誌連載は今でも「並木橋通り」アオバ自転車店」で、単行本のタイトルだけが「並木橋通り」を抜いたものに改題された。今回の目玉は筑波8時間耐久をモチーフにした第1話「風になれ!」で、100ページというボリュームも含めてこれはかなり読み応えのあるもの。第2話はこれまでのあらすじ(?)や登場人物紹介をまとめた「おさらいしよう」で、これは「並木橋通り〜」をちゃんと全部読んでいる人には今さらな内容。もしこれが新生「アオバ自転車店」を新たに読み始めた人向けのサービスだとしたら、単行本収録時にこれを第1話にしなきゃね。

 第3話の「犬でけっこう」では、ヒトハ命のボディガード、マサがついに専用自転車を手に入れる。ヒトハとマサの距離もだいぶ近づいたようだけど、このふたり、この後どうなるんだろうか。第4話と第5話には、そのマサが坊主頭に半ズボン姿の小学生で登場する「時をかけるアオバ」が収録されている。この時、ヒトハは既に自分で車を運転して仕事をしているので、彼女はマサのいくつ年上なんだろうか……。気になるのでざっくりと計算してみる。

 単行本18巻に高校1年生の工一(アオバの父)が登場するが、この時すでに工一はワカバ(アオバの母)と知り合って交際を始めている。つまり「時をかけるアオバ」はそれより前の話だ。ふたりが知り合ったのが、仮に高校1年生の時だとすると、ヒトハはそれより5つ年上で21歳。アオバは作品中で永遠の小学4年生だから、年齢は10歳。マサはヒトハとアオバを同世代だと言っているし、半ズボンの中学生というのはちょっと考えにくいので、この時のマサは11歳ぐらい。年齢差は10歳ぐらいか。

 「アオバ自転車店」というのは困った作品で、物語の中では確実に時間が流れていくにも係わらず、登場人物はまったく年を取らないのだ。アオバはずっと小学4年生で、モリオとナギサ、ナツキとエリザベスなどはずっと高校生のまま。ケンタとチヅルは高校生から大学生になったけれど、たぶん彼らはこのままずっと大学生のまま卒業しないのではなかろうか。

 連載の時間の流れに合わせて登場人物が同時進行で成長していくマンガとしては、「クッキングパパ」がある。時間に合わせて少しずつ登場人物が成長するものの、その成長の速度が連載の速度と必ずしも一致しないマンガとしては「美味しんぼ」がある。そして永久に登場人物が成長しないマンガの代表は「サザエさん」だ。「アオバ自転車店」はパターンとしては「サザエさん」に近いのだが、工一とワカバの過去のエピソードなどを描く際に否応なく時間の流れを物語に持ち込まざるを得ない。また物語の中に次々に新製品の自転車を登場させれば、それもまた映画に時間の流れを生じさせることになる。物語の中の「現在」は、雑誌連載されているまさにその瞬間なのだ。しかしこれは長く連載を続ければ続けるほど、作中人物たちの年齢や設定に大きな矛盾を作り出し、それを押し広げていくことになるはずだ。

 アオバは永遠の小学4年生で、年齢は10歳だ。彼女が生まれたのは、今から10年前。「今」は2007年だから、アオバは1997年に生まれたことになる。さて困った。もう計算が合わない。「時をかけるアオバ」では工一とワカバが知り合ったのは、70年代ということになっている。プジョーNS40の発売が70年代半ば(73年か74年か)だから、話としては当然そうなる。仮に「時をかけるアオバ」の舞台が1974年だとすると、その時に16歳だった工一は1958年前後の生まれ。何と彼は間もなく50歳に手が届く年齢なのだ。

 工一は作者の宮尾岳の分身なのだが、作者は1959年生まれだから、だいたい計算は合っている。そこで工一の生年を作者と同じ1959年に確定してしまう。ワカバも同い年。ヒトハはそれより5つ上だから、1954年ぐらいの生まれ。マサはそれより10歳ぐらい下で、だいたい1964年前後の生まれということか……。単純に計算すると、ヒトハは現在53歳で、マサは43歳ぐらいということですかね。う〜む。

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