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2007.10.09

官邸崩壊 安倍政権迷走の一年

官邸崩壊 安倍政権迷走の一年

 安倍首相の唐突な退陣をきっかけに購入した本。タイトルは既に安倍政権の崩壊をうたっているわけだが、ここで取り上げられているのは安倍首相が辞任するより前の2007年夏、参院選惨敗と赤城農相の更迭までだ。その段階で、この本は安倍政権が事実上崩壊したのだと断言している。安倍政権の崩壊を見事に予言しているわけだ。

 内容は事実に沿っているのだが、人物の内面に深く切り込んでいく筆致はドキュメントというより小説に近い。それだけ面白く読めるが、これを額面通りに受け取るのも考え物だろう。首相のご機嫌取りに終始する側近たちの描写などは、政治家というより首相相手の幇間(たいこもち)だ。毛並みのいいお坊ちゃん政治家をおだてて首相に祭り上げ、その周囲で覚えめでたき幇間たちが歌い踊ってご祝儀の分け前にあずかる。なんと滑稽な話か。

 安倍政権の屋台骨が徹底的にぐらついたのは、政治と金の問題や、年金問題での揺さぶりが致命的だったことは間違いないと思う。しかしこの本はそうした表向きの問題よりも、政権内部の人間関係や、首相とその周囲に群がる人々の「人間性」に焦点を当てているのがユニーク。面白い。面白すぎる。

 これは小説のようなものだと思う。しかしその小説的手法によって、安倍政権の実態を深くえぐり出しているのも事実なのだ。この本を読んで、「ああなるほど、そういうことだったのか!」と思うことは多かった。

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