官邸崩壊 安倍政権迷走の一年
内容は事実に沿っているのだが、人物の内面に深く切り込んでいく筆致はドキュメントというより小説に近い。それだけ面白く読めるが、これを額面通りに受け取るのも考え物だろう。首相のご機嫌取りに終始する側近たちの描写などは、政治家というより首相相手の幇間(たいこもち)だ。毛並みのいいお坊ちゃん政治家をおだてて首相に祭り上げ、その周囲で覚えめでたき幇間たちが歌い踊ってご祝儀の分け前にあずかる。なんと滑稽な話か。
安倍政権の屋台骨が徹底的にぐらついたのは、政治と金の問題や、年金問題での揺さぶりが致命的だったことは間違いないと思う。しかしこの本はそうした表向きの問題よりも、政権内部の人間関係や、首相とその周囲に群がる人々の「人間性」に焦点を当てているのがユニーク。面白い。面白すぎる。
これは小説のようなものだと思う。しかしその小説的手法によって、安倍政権の実態を深くえぐり出しているのも事実なのだ。この本を読んで、「ああなるほど、そういうことだったのか!」と思うことは多かった。
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