マインドマップ読書術―自分ブランドを高め、人生の可能性を広げるノウハウ
![]() | マインドマップ読書術―自分ブランドを高め、人生の可能性を広げるノウハウ 松山 真之助 ダイヤモンド社 2005-01 by G-Tools |
マインドマップについての本はこれまでにも何冊か読んできたけれど、その中ではある意味これがもっともダメな本であり、同時に有益な本だった。ダメな理由も有益な理由も同じで、ここに紹介されているマインドマップは、トニー・ブザンが提唱する本来のマインドマップとはかけ離れているからだ。ブザンのマインドマップにはいくつかの原理原則があるのだが、この本で紹介されている読書マインドマップはその多くを平気で無視している。まずマインドマップの中心に絵がない。伸ばした枝には単語だけを書くのが基本だが、ここでは長い文章を書くことが許されている。色分けについても、ほとんど触れられていない。要するにこの本で紹介しているマインドマップは、マインドマップに似た別のものなのだ。
この本はマインドマップという言葉を使っている以上、やはりトニー・ブザン流のマインドマップが基礎になっている。本の中でもブザンの名前や著書が紹介されている。でもやっていることは、ブザン流マインドマップからの逸脱だ。著者にそれに対する自覚がどの程度あるのかは不明だが、こんなものをマインドマップと呼ぶのは問題だろう。少なくともこれを、マインドマップの入門書のように考えると大変なことになる。
ではそんなマインドマップ本が、なぜ有益なのか。それはこの本が「トニー・ブザンの方法に従う必要はない」「自己流のマインドマップでも十分役に立つ」ということを明らかにしていることだ。
マインドマップの有効性に注目しながら、多くの人がつまづいてしまうのはなぜか。それはブザン流の原理原則に凝り固まって、紙の前で手が動かなくなってしまうからではないのか。例えばマップの中心に絵を描けとブザンは言う。できればその絵には、複数の色を使えと言う。これでは絵心のない人をマインドマップから排除してしまう。ブザン流のマインドマップでは枝の中に配置されていく言葉は単語だけが原則で、文章になってはいけないのだという。でもこれは頭の中にあるモヤモヤした考えを、単語にかみ砕いていく作業がまず必要になる。単語にこだわると、マインドマップを作る手はぱたりと止まってしまうことが多いのではないか。
その点、この本に紹介されているマインドマップは文字ばかりで、絵なんてほとんどない。印刷の関係もあるけれど、使われている色も黒一色。テーマから伸ばされたそれぞれの枝には、かなり長い文章も平気で書かれている。ブザン流からはほど遠い。でもこの「マインドマップもどき」の方が、ブザン流よりよほど取っつきやすいと感じる人は多いと思う。
マインドマップの入門書としてはまったく薦められないが、マインドマップ作りにチャレンジして行き詰まっている人(僕もそうだ)には一読をお薦めしたい。
![]() | ザ・マインドマップ トニー・ブザン 神田 昌典 バリー・ブザン ダイヤモンド社 2005-11-03 by G-Tools |
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