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2008.08.24

仏教

4004121507仏教 (岩波新書)
渡辺 照宏
岩波書店 1974-12

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 初版が1956年(今から52年前)、改訂された第2版が1974年(今から34年前)というから、これは岩波新書の中でも古典と言っていい1冊だろう。仏教を古代インドの諸宗教(バラモン教やジナ教)などの中に位置づけ、他宗教と相対化しながら仏教の独自性や発展について語っている。ここで解説されているのは、古代インド思想史の中での仏教だ。シャーキャムニの説いた教えが弟子たちによって受け継がれ、やがて宗教として体系化される中でさまざまな分派が生まれていく。そんな初期仏教の流れがとてもよくわかる。

 ただしこの本では、古代インドの仏教(シャーキャムニの教え)と我々が日常的に知っている「お寺さんの教え」の間に何があるのかがよくわからない。仏教の原点はなんとなく理解できても、そこから発展していく仏教との距離感がつかみにくい。これは巻末近くに、一般信徒の信仰として「仏法僧の三宝への帰依」という形でまとめられているのだが、ここで述べられているのは大乗仏教へと発達していくほんの入口だけなので、我々の知る「お寺さん」とシャーキャムニの教えの連続性がいかに保たれているのかがよくわからない。これについては、また別の本を読むしかないのだろう。

 この本の著者は岩波新書から「日本の仏教」「死後の世界」「お経の話」などの本を出している。次は「日本の仏教」を読んでみようと思う。

4004121515日本の仏教 (岩波新書)
渡辺 照宏
岩波書店 2002-06-12

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2008.08.15

アニメ・特撮・SF・映画メディア読本―ジャンルムービーへの招待

4878923199アニメ・特撮・SF・映画メディア読本―ジャンルムービーへの招待
浅尾 典彦
青心社 2006-04

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 専門学校でメディア論を教えているという著者が、映画やテレビなどの映像作品をジャンル別に整理して、その歴史を解説したジャンル別「映像史」の本。類書があまりないので、これはとても参考になる。ただし個々の内容は物足りない部分も多い。自分が詳しくない分野については「そうなのか!」と感心できるのだが、自分が知っている分野については「記述が抜け落ちている!」と思うところも多いのだ。例えばアニメの歴史の部分で、エミール・レイノーと彼の発明品プラクシノスコープやテアトル・オプティックの存在がまったく無視されているのは疑問だよなぁ……。でも入門編としては良書だと思う。

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2008.08.11

がんばれ仏教!

4140910046がんばれ仏教! (NHKブックス)
上田 紀行
NHK出版 2004-06-24

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 葬式仏教の地位に甘んじていては、日本の仏教に未来はない! そう考える著者が、仏教界でも型破りな僧侶たちとの出会いを通して、現代日本社会での仏教の役割や意味を模索していく記録。檀家制度に守られている仏教は、キリスト教などに比べてずっと楽な商売かと思ったら、決してそうではないという現状が書かれていて興味深い。確かに生活の都市化や少子化、晩婚化や未婚化がこのまま進めば、葬式仏教なんて滅びてしまうだろう。日本の仏教は、その歴史の大きな曲がり角を迎えているのかもしれない。

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2008.08.10

仏教入門

4005003222仏教入門 (岩波ジュニア新書)
松尾 剛次
岩波書店 1999-06

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 岩波ジュニア新書から出ている本なので、だいたい中学生か高校生ぐらいを対象にした仏教入門書だろう。しかしコンパクトながら、仏教の成り立ちについて新しい学説なども交えながら簡潔にまとめている。釈迦の教えに始まる仏教哲学の紹介を簡単に済ませた後、日本の仏教の成り立ちや発展について全体の半分以上を使って解説しているのは、日本人読者にとってはむしろわかりやすい。鎌倉新仏教の発生を、国家の庇護を受けた官僧の世界から離脱して庶民の日常世界に飛び込んだ遁世僧たちの宗教改革運動としてとらえるあたりは新鮮。この手の話しにまったく無知なので、読んでいて面白かった。

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知識ゼロからの仏教入門

4344900855知識ゼロからの仏教入門 (幻冬舎実用書 芽がでるシリーズ)
長田 幸康
幻冬舎 2006-07

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 イラストを多用した一般向けの簡単な仏教入門書。見開き2ページをひとつの単位として、右側に本文、左側に図解という構成。仏教の全体像をざっくりと理解するにはよい本だと思う。とりあえず僕は本当に「知識ゼロ」なので、この本はとても参考になった。著者はチベット仏教が専門のようだ。

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2008.08.05

インテリジェンス読書術―年3000冊読破する私の方法

4062724936インテリジェンス読書術―年3000冊読破する私の方法 (講談社+α新書 317-2C)
中島 孝志
講談社 2008-04

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 最近まとめ読みしている「読書術」についての本の1冊。既に何冊目かの本なので新鮮な記述は少ないものの、年に3000冊を読破すると言う著者の言葉には説得力がある。読書を楽しみのための「消費型読書」と、生活や仕事に結びつけていく「生産型読書」に分けて、後者の活用法を提案していくというのはシンプルでわかりやすい。つまらない本は早めに見切って読むのを中断した方が時間の無駄にならないというアドバイスや、複数の本を平行して読み、ひとつの読書に飽きたり疲れたりしたら別の本を読むという話には「なるほど」と思わされた。

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あしあと 多くの人びとを感動させた詩の背後にある物語

 「あしあと」と題された、クリスチャンに親しまれている有名な詩がある。

あしあと

ある夜、わたしは夢を見た。
わたしは、主とともに、なぎさを歩いていた。
暗い夜空に、これまでのわたしの人生が映し出された。
どの光景にも、砂の上にふたりのあしあとが残されていた。
ひとつはわたしのあしあと、もう一つは主のあしあとであった。
これまでの人生の最後の光景が映し出されたとき、
わたしは、砂の上のあしあとに目を留めた。
そこには一つのあしあとしかなかった。
わたしの人生でいちばんつらく、悲しい時だった。
このことがいつもわたしの心を乱していたので、
わたしはその悩みについて主にお尋ねした。
「主よ。わたしがあなたに従うと決心したとき、
 あなたは、すべての道において、わたしとともに歩み、
 わたしと語り合ってくださると約束されました。
 それなのに、わたしの人生のいちばんつらい時、
 ひとりのあしあとしかなかったのです。
 いちばんあなたを必要としたときに、
 あなたが、なぜ、わたしを捨てられたのか、
 わたしにはわかりません。」
主は、ささやかれた。
「わたしの大切な子よ。
 わたしは、あなたを愛している。あなたを決して捨てたりはしない。
 ましてや、苦しみや試みの時に。
 あしあとがひとつだったとき、
 わたしはあなたを背負って歩いていた。」

 僕がこの詩を知ったのは、知人が通う教会の集会所に額装されたこの詩がかけられていたからだ。なかなか感動的な詩で、キリスト教書店に行けばこの詩を印刷したポストカードやポスターの類が多数売られている。この詩を聖書の一節だと思っている人もいるようだが、そうではない。これはマーガレット・F・パワーズという女性が、1965年に作ったものなのだ。この詩は作られてすぐに人びとの手でコピーが作られ始め、やがて作者不詳の詩として広まっていくことになった。

 この詩がいかにして作られたか、またこの詩がいかにして作者に無断で商業利用され、それによっていかに作者が心を痛めてきたのか、そして作者がいかにしてこの困難を乗り越えたのかが書かれているのがこの「あしあと 多くの人びとを感動させた詩の背後にある物語」だ。(上記の詩はこの本から全文を引用した。)

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2008.08.02

ばあちゃんのポエム

4904180135ばあちゃんのポエム

志學社 2008-07

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 ウェブ出版サイト「テキスポ」の人気コンテンツを1冊にまとめた本。孫が自分の祖母にお題を出して、それに対する返答を「ぽえむ」と称して採録している。昔から子どもの言葉を採録して詩に見立てた例は多いのだが(例えば金子みすゞが3歳の娘の言葉を記録した「南京玉」など)、老人の言葉をまとめたものは珍しい。子どもの言葉が詩に聞こえるのは、言葉が未発達で本来は結びつかない言葉同士がゆるやかにつながりあっているからだが、年寄りの言葉はその逆で、もともと正しくつながっていたものが壊れかけているのだ。この本に登場する「ばあちゃん」の場合、言葉が壊れていく原因のひとつは孫にいちいちあれこれ尋ねられることによる「面倒くささ」であるようにも思う。受け答えが適当でぞんざい。それでいてその言葉のあちこちから、聞き手である孫との関係性や、大人としての人生哲学が浮かび上がってくる。

 ここにあるのは「ぽえむ」とは言っても本当の詩ではないし、語られている内容もありきたりで退屈なものがじつは大半なのだ。すべて仮名書きにして頻繁に行替えし、それらしく見せているだけのこと。しかしその中に、結構面白いものが時々混じっている。

例えば「でんしゃ」という題が付いた言葉。

がーどしたのおと
はくりょくあるねえ
じかんがとまる

あるいは「くつ」についての言葉。

ゆびのまんいんでんしゃ
きゅうくつできらいだよ
さんだるはじてんしゃ

 これはどちらも短いのがいい。外国人が英語で作ったHAIKU(俳句)を、日本語に訳したようなシンプルさと力強さがある。

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2008.08.01

深夜食堂 2

409182160X深夜食堂 2 (2) (ビッグコミックススペシャル)
安倍 夜郎
小学館 2008-07-30

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 待ちに待った「深夜食堂」の第2巻。といっても1巻を買ったのはつい先日なのだが、面白い漫画というのはやはり読者に「もっと読みたい!」「続きを早く読ませろ!」と思わせるものなのだ。今回のエピソードでは、「タマゴサンド」が一番良かった。最後の最後、たった4コマでドラマをぐるりとひっくり返すあたりはすごい。短篇というのは小説で言えば最後の1行、映画なら最後の1シーンが作品の余韻を決めてしまうのだが、「タマゴサンド」のラストもまさに秀逸。回想シーンをフラッシュバックさせて終わる「カキフライ」や「ソース焼きそば」も面白いけどね。

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