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2008.12.19

キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢

4778311523キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢
町山智浩
太田出版 2008-12-18

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 町山智寬の最新コラム集。先に出た「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」と同じく「週刊現代」に連載していたコラムを書籍化したもの。アメリカで起きた三面記事的ローカル事件(日本で同じことが起きれば全国的な大騒ぎになりそうだけど)や、おそらく日本じゃ公開されないであろう地味なドキュメンタリー映画などを紹介しながら、アメリカ社会の実態に迫っていく。「アメリカ人の半分は〜」で政治や宗教右翼といったテーマのコラムをごっそりと引き抜いていった結果、こちらにはより雑多な話題が入り交じっていて、それがかえって面白いコトになっている。焼肉屋の「バラエティ・ミート(内臓肉)」みたいなものかもね。

 内容的に雑多なのでこの本の感想を一言で言い表すのは難しいのだが、著者がいわゆるハリウッドの大作映画ではない、アメリカの小さなインディーズ映画やドキュメンタリー映画を紹介してくれるのは日本の映画ファンにとっても貴重な情報だと思う。映画評論家のひとつのあり方として、これは今後もずっと続けてほしい。

4163707506アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)
町山 智浩
文藝春秋 2008-10-09

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2008.12.15

マキノ雅弘―映画という祭り

4106036215マキノ雅弘―映画という祭り (新潮選書)
山根 貞男
新潮社 2008-10

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 日本映画黎明期から戦後の日本映画黄金時代に活躍した映画監督、マキノ雅弘の名前が忘れられようとしている。マキノ作品をリアルタイムで観ていた人はともかく、現在の若い映画ファンはマキノなんて名前を知らない。知識で知っていても、作品は観たことがない。そもそも黒澤明の映画すらほとんど観ていないという彼らに、マキノ映画を観ろという方が難しいのかもしれない。しかしそれは、マキノ映画の魅力について縦横無尽に語る人がいない、ということでもあったのかもしれない。この本は映画評論家・山根貞男による「マキノ雅弘作品論」だ。伝記や評伝の類ではない。マキノ映画に肉薄し、その魅力を徹底的に語り尽くしていく。この本を読めば、ビデオ屋に飛んでいってマキノ映画のDVDを数枚借りて来たくなる。そういう言葉のパワーを感じさせる本だ。

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黒澤明

4768400760黒沢明―イラスト版オリジナル (FOR BEGINNERSシリーズ)
橋本 勝
現代書館 1996-07

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 「チャップリン」に続く、橋本勝のイラスト版映画ガイドの第2弾。黒澤映画については膨大な量の本が出ているが、その中でもこれは「観客視点」に徹しているのがむしろユニーク。監督作30本の紹介と批評、出演している俳優たちについての紹介と批評、映画に取り上げられているテーマの3部構成。いわゆる「黒澤組」スタッフの話や、映画製作にまつわる数々の「黒澤伝説」、『トラ・トラ・トラ』降板事件や自殺未遂、日本映画史とのからみなどにはあえて触れていないのだ。これから黒澤映画をまず観てみようと考えている人にとっては、最適な黒澤映画入門書かもしれない。

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2008.12.14

チャップリン―チョビヒゲ世界を制す

476840037Xチャップリン―チョビヒゲ世界を制す (FOR BEGINNERSシリーズ イラスト版オリジナル 37)
橋本 勝
現代書館 1986-03

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 漫画家・橋本勝によるチャップリン読本。チャップリンの生涯と作品を紹介した入門書であると同時に、チャップリンの各作品と正面から向かい合った評論集でもある。初めてのチャップリン・ガイドとしてはよくできた本。初版は今から20年以上前だけど、今でもちゃんと新品で手に入れられる。こういう本が他にないということだろうか。この本が出た時点でチャップリンは既に亡くなっていたので、内容を更新する必要がないというメリットもある。これは同じ著者によるスピルバーグ読本などとの大きな違いだ。

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2008.12.13

オイッチニーのサン

4569702740オイッチニーのサン
高野 澄
PHP研究所 2008-09-27

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 副題は「『日本映画の父』マキノ省三ものがたり」。マキノ省三の生い立ちや映画界での活躍を描くと共に、エジソンやリュミエール、メリエスなどが活躍した映画史のはじまり、稲畑勝太郎や横田永之助、松竹や日活、マキノ映画で活躍したきら星のような剣劇スターたちの姿を活写した伝記小説だ。あくまでも小説なので、これをそのまま資料にするわけにはいかなそうだが(各エピソードの元になった資料にあたる必要がある)、それを言うとメリエスの伝記「魔術師メリエス」だって小説風だし、マキノ雅広の自伝「映画渡世」もかなり脚色が入っちゃってるんだけどね。虚実入り交じるのが伝記ものの面白さでもある。

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2008.12.09

南カリフォルニア大学とアメリカ映画協会の映像教育

499034460X南カリフォルニア大学とアメリカ映画協会の映像教育
NPO法人映像産業振興機構
NPO法人映像産業振興機構 2006-10-24

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 NPO法人・映像産業振興機構(VIPO)の招きで2006年に来日公演した、南カリフォルニア偉大学の映画・テレビ学部長エリザベス・ディリーと、アメリカ映画協会の特別顧問ジェームズ・ハインドマンの講演をまとめたもの。両校の成り立ちや教育方針、教育内容、学生たちの選抜方法や進路など、かなり幅広い内容が紹介されていて興味深い。そしてどの映画学校でも、教師が生徒に言うことは同じだなぁと実感させられる。「もっと映画を観ろ。文学や演劇など映画以外の分野にも興味を持て。仲間を大切にしろ」。万国共通なのだ。

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2008.12.07

入門・歴史教育―授業づくりの視点と方法

4901095730入門・歴史教育―授業づくりの視点と方法
別所 興一 鳥山 孟郎
あるむ 2006-10

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 映画史の授業作りで参考になればと思って読んだ本だが、ほとんど参考にならなかった。中学や高校での既存の歴史教育に対する批判と提言が主たるもので、最近の歴史教育のテーマや変遷が書かれているのが多少興味深いかなぁ……。でも映画史とはまるで結びつかないし、具体的な授業作りの参考にもならない。

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2008.12.06

詩学

4003360494詩学 (岩波文庫)
アリストテレース
岩波書店 1997-01

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 アリストテレスによる文学論の超古典「詩学」に、ホラティウスの「詩論」をカップリングしている。論じられている対象は「悲劇」だが、内容的には現在の映画やドラマを考える上でも充分役に立つ部分が多い。

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2008.12.03

アメリカの宗教右派

4121502914アメリカの宗教右派 (中公新書ラクレ)
飯山 雅史
中央公論新社 2008-09

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 2004年のアメリカ大統領選挙で、ブッシュ大統領や共和党の強力な支持基盤となったキリスト教福音派。日本でもニュースや報道番組ですっかり一般的な言葉となった「福音派」だが、その具体像はいまひとつよくわからない。みんなが好き勝手にキリスト教的な政治勢力に「福音派」のレッテルを貼って、それでわかった気になってしまうからだ。この本はアメリカ福音派の誕生、原理主義との違い、教派ごとの特徴、アメリカの教派と政治との関わりなどをコンパクトにまとめたもの。僕がこれまでに読んだアメリカのキリスト教と政治に関する本の中では、これがもっともわかりやすかった。著者はキリスト教の外側から、各種の統計資料なども引き合いに出しながら、アメリカ独自のキリスト教である福音派の輪郭を明確にしていこうとしている。今年出た本で内容的には2008年大統領選挙直前までを扱っているので、今現在のアメリカ福音派を知るには最適の本だと思う。

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2008.12.02

生き残るフランス映画―映画振興と助成制度

4434030612生き残るフランス映画―映画振興と助成制度
中川 洋吉
希林館 2003-05

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 フランスが自国の映画産業を保護する政策をとっており、それがハリウッド映画を売り込みたいアメリカからしばしば貿易障壁だと批判されていることは映画ファンによく知られているはず。しかしフランスが具体的にどのような映画保護政策を取っているか、具体的にはよく知られていない。この本はその点を日本の読者向けに紹介した本で、類書があまりないので資料としてとても貴重なものだ。国の政策というのはその時々で変わるので、ここに書かれている内容が今もそのまま通用するわけではないのだが、映画政策の流れや変遷という意味では充分参考にすることができる。

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2008.12.01

夜、海へ還るバス

4575941611夜、海へ還るバス (アクションコミックス) (アクションコミックス)
森下 裕美
双葉社 2008-04-28

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 「大阪ハムレット」の森下裕美が漫画アクションに連載していた長編。作品のタッチは「大阪ハムレット」と共通しする部分もあり、「大阪ハムレット」のファンが番外編の特別長編として読むこともできるはずだ。結婚を控えた女性が同じマンションの若い主婦とレズビアンの関係になるという話だが、物語の大きなテーマになっているのは「母と娘」という普遍的な家族関係。だからこそ、妊娠した美波の子供は何の断りもなく「娘」ということになっているわけだ。

 「大阪ハムレット」が映画化されたように、このコミックもおそらく映画化を考えている人がどこかにいるだろう。

4575940100大阪ハムレット (1) (ACTION COMICS)
森下 裕美
双葉社 2006-05-12

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