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2009.01.31

深夜食堂 3

4091824471深夜食堂 3 (3) (ビッグコミックススペシャル)
安倍 夜郎
小学館 2009-01

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 ビッグコミックオリジナルで連載中の連作短篇シリーズ第3弾。物語の完成度やユニークさという点では、1巻・2巻に比べてだいぶ落ちてきているような気はする。それは実際に完成度が落ちているのかもしれないし、物語の作り自体がルーティン化してマンネリ化の弊害が出ているのかもしれない。登場人物の常連率が上がってくるにつれ、その馴染みの顔ぶれにニヤニヤしつつ、物語が常連の内部で小さく閉じていくような気がしないでもない。でもそれでもこの作品がたまらなく好きなのは、結局のところこの作品の「語り口」に中毒性があるからだろう。

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2009.01.29

自転車の安全鉄則

4022732474自転車の安全鉄則 (朝日新書)
疋田 智
朝日新聞出版 2008-11-13

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 現在の自転車ブームを作った立役者とも言える著者が、街に自転車が増え、社会的にも自転車への注目が集まっている今だからこそ語る、自転車が抱える問題点と未来への提言。ここには「自転車はこんなに楽しい!」「自転車ってこんなにステキ!」という浮ついた話はもうない。それはこれまでさんざん語ってきたし、自転車に乗る人がこれだけ増えれば、自転車乗りにとって常識的なことだからだ。著者が今語るのは、自転車をより安全な「都市交通」の手段とするための処方箋だ。そこには法改正や道路整備など、お金も時間もかかることだって含まれている。でも「自転車は車道を走る方がむしろ安全」などという、目から鱗の話も書かれていたりするのだ。自転車で道路を走っていてヒヤリとしたことのある人、命の危険を感じたことのある人は必読。著者の主張には大いに頷けると思う。

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2009.01.28

キャラクター小説の作り方

4044191220キャラクター小説の作り方 (角川文庫)
大塚 英志
角川書店 2006-06

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 「物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン」に続く、大塚英志の実践的ストーリーテリング読本だが、中身はより「物語論」という色合いが濃くなっていて、ハウツー本としてなら「物語の体操」の方が役にたつと思う。この本は「物語」を通じた文明論や社会批評という部分が面白く、その白眉は9.11テロとその後の戦争をハリウッド流の脚本術から読み解いていくくだりかもしれない。社会の現実を「脱物語化」と「再物語化」という視点からとらえるのは面白い。現実と虚構の区別が付かないまま実際の戦争を語る現代人の滑稽さを、「物語」という視点から批判していく鋭さは、しかし万人の共感を得られるものではないかもしれない。人間は自分が「物語」という虚構の中に生きていることを自覚したくないのだ。どこかで「物語」を自分とは別の場所にあるものにしておきたい。しかしながらいざ「物語」の中に放り込まれると、人間はその物語の中を生きることに夢中になってしまう。

 大塚英志がこの本の中で引用している「ハリウッド脚本術―プロになるためのワークショップ101」が気になるのだが、Amazonのレビューを見ると訳が酷いとのこと。それは著者が本書で引用しているいくつかの短い文章でも察しがつくもので、著者はわざわざ内容をかみ砕いて自分の言葉に「翻訳」している。う〜ん、マーケットプレイスでもそれなりに高いなぁ。買うかどうしようか考えものだ。

484590117Xハリウッド脚本術―プロになるためのワークショップ101
ニール・D・ヒックス
フィルムアート社 2001-03

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2009.01.22

スピルバーグ (FOR BEGINNERSシリーズ)

4768400884スピルバーグ (FOR BEGINNERSシリーズ)
橋本 勝
現代書館 2000-02

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 チャップリンや黒澤明に続く、橋本勝のFOR BEGINNERSシリーズにおける映画監督もの第3弾。発行が2000年なので『プライベート・ライアン』までしか取り上げられていないものの、作品ガイドとしても作品論・作家論としてもよくまとまった内容になっている。ただし「作品ガイド」の要素よりも、著者の批評的な作家論・作品論の方がボリュームがあるので、時にはそれがうっとうしく感じられることもある。しかしながら作品ガイドならネットでデータを調べればいいわけで、こうした本はなにがしかの「批評」がないとやはり面白くないのは事実だろう。

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2009.01.20

桂きん枝の落語な子育て

4763184687桂きん枝の落語な子育て (サンマーク文庫 G- 110) (サンマーク文庫)
桂 きん枝
サンマーク出版 2009-01-16

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 たまたま部屋の中に転がっていたので、文字通り「拾い読み」した本。50歳過ぎで二回り年下の女性と再婚し、子供に恵まれた著者が、子育ての苦労や楽しさを語る親バカ本。共感できるエピソードもあるが、身辺雑記風のエピソードが多くて全体としては「薄い」印象。まあざっくりと1時間もかけずに読めてしまうような本なので、これはこんなものかも……。

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2009.01.13

シャカリキ! 6

シャカリキ! 6 (6) (My First WIDE)

 ツール・ド・おきなわの山岳賞を奪い合う、テルとハリス・リボルバーの一騎打ち。皇帝(カイザー)・坂巻玲於奈の墜落などドラマチックな展開をはらみつつ、レースはクライマックスへと向かう。第2集団以下に、ユタと柘植を置き去りにしているのが気になるところ。7巻の完結編が楽しみ。

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2009.01.11

マンガの創り方―誰も教えなかったプロのストーリーづくり

4575300578マンガの創り方―誰も教えなかったプロのストーリーづくり
山本 おさむ
双葉社 2008-08

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 昔マンガ家になろうと思った。石ノ森章太郎の「マンガ家入門」(この分野の古典中の古典!)を小学生の頃に読んで、マンガ家を目指した。他にも何冊かマンガの入門書を読んだ。でもよくわからないのが、「絵コンテ」とか「ネーム」という段階なのだ。世の中に出ているマンガ入門書の多くは、ストーリー作りやキャラクター作りというマンガ制作のごく初期段階については解説し、具体的に絵をどのように書くかという仕上げの段階についても詳細な解説書がたくさん出版されている。でも「絵コンテ」や「ネーム」とはどんなものなのかについて、具体的に解説した本はこれまでほとんど見たことがない。あくまでも制作の中間段階として、ラフスケッチのような「絵コンテ」「ネーム」が紹介されるだけだった。山本おさむの「マンガの創り方―誰も教えなかったプロのストーリーづくり」は、この「ネーム」段階のプロセスを詳細に論じた異色のマンガ入門書だ。それだけでこのボリューム。この本には「絵の描き方」の解説がひとつもない。そんなものは、他の入門書を見てくれということだろう。そのかわり、ストーリーのアイデアから箱書きを作り、さらにネームに落とし込んで推敲していく段階が、マンガのコマのひとつひとつまで詳細に分析されて論じられている。

 僕は今さらマンガ家になるつもりもなく、この本は「映画の入門書」として読んだ。この本の著者は箱書きやネーム作りの段階で、映画から影響を受けて参考にしていることをまるで隠すことがない。映画の技法を巧みに紙の上に移し替えたのがマンガであるかのようであり、この本はそのまま短篇映画の教科書になりそうなのだ。なにしろこの本では、参考にすべきマンガ家の名前と同じぐらい、映画監督の名前や映画のタイトルが何度も何度も出てくる。黒澤明の創作技法が紹介され、その脚本や演出のテクニックが紹介される。この本の一部を抜粋すれば、それはそのまま「脚本入門」や「映画演出入門」になりそうだ。

 著者は映画を参考にしてマンガを描いているわけだが、その考え方や技術はそのままそっくり映画にも流用できるものが多いだろう。ストーリー作り、プロット作り、箱書き、シナリオ作り、芝居の付け方、キャラクターの造形法、カメラアングル、モンタージュとカッティング、アップの効果的な使い方、台詞を印象づける方法、スローモーションの効果的な使い方など、そのまま映画に応用できるテクニックばかりだ。映画作りに必要でこの本で語られていないのは、「音」についてだけではないだろうか。

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2009.01.10

実録 この殺人はすごい! (別冊映画秘宝)

4862483267実録 この殺人はすごい! (別冊映画秘宝) (洋泉社MOOK 別冊映画秘宝)
柳下 毅一郎
洋泉社 2008-12-17

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 別の本(「キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢」)を注文する際、Amazonに間違えて一緒に注文してしまった別冊映画秘宝。キャンセルしようとしたら既に発送手続きに入っていて取り消しができず、返品するほどのものでもないのでそのまま読み始めた。映画がらみの記事もいくつかあって、ロバート・ブレイクの妻殺害事件とか、『殺人の追憶』のモデルになった事件の実録記事とか、他に細かなものが少々。でも一番面白かったのは、明治時代に漢方薬として流通していた人間の生首の黒焼きの話かも。松本清張の「ミステリーの系譜」にも似た読後感。

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2009.01.05

物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン

4022643005物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン (朝日文庫)
大塚 英志
朝日新聞社 2003-04

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 編集者で評論家でマンガ原作者や小説家でもある著者が、物語を作る方法論を具体的なトレーニングメニューとして提示する小説入門。メインは小説技法や文章作法ではなく、「物語の作り方」であり、それに先立つ「物語とは何か」という理論的な部分。物語から具体的な表象を取り除いて構造をむき出しにし、それを再構成して、再度肉付けしてオリジナル作品を作り出してみせるという作業を繰り返しつつ、物語作りの核心に迫っていく。

 僕自身は小説家になるつもりなどまったくないし、ここで論じられている文学論にも興味はない。僕はこの本を、映画の世界にも共通する「物語論」の本として呼んでいる。映画に必要なのは「映像技法」ではなく、「よい物語」だというのが最近再認識していることなのだ。結局のところ「よい物語」なしに「よい映画」は作れないし、「よい映画」とは「よい物語」をよりよく見せる手練手管に長けた映画に他ならないのだと思う。

 映画の基本は脚本なのだが、それ以前に語るべき「物語」がないと、脚本もへったくれもない。でも脚本入門の本は「ドラマは対立や葛藤だ」「映画は映像だ」などと説明してはくれても、語るべき「物語」そのものについては何も教えてくれないのだ。たぶん世の中の脚本入門は、既に語るべき物語を持っている人にとっては大いに参考になるものなのだろう。でも物語そのものは、脚本入門からは作れない。

 物語を分解して骨組みだけに還元してしまう方程式や、あらゆる物語を成長物語(ビルドゥングスロマン)に還元してしまう発想など、映画を考える上でも応用ができそう。小説を書こうとする人だけに限らず、これは「物語」を考える上で示唆に富む入門書だと思う。

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