スロトレ
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![]() | この世界の片隅に 下 (3) (アクションコミックス) こうの 史代 双葉社 2009-04-28 by G-Tools |
雑誌での連載を追い掛けていたのだが、単行本でまとめて読むとまた感動が深まる。エピソードをまたいで伏線が張ってあることも多いので、雑誌で単発で読んでいてもそれに気づかないのだ。例えば玉音放送を聞いたすずが、「……ああ」「暴力で支えとったいう事か」「じゃけえ暴力に屈するいう事かね」「それがこの国の正体かね」「うちも知らんまま死にたかったなあ……」と慟哭するシーンは、その前のエピソードの最後の台詞「そんとな暴力に屈するもんかね」と対応しているわけだ。著者の周到な気配りと構成力に舌を巻くしかない。最終話で「あんた…よう広島で生きとってくれんさったね」という台詞から見開きのカラーページに移るくだりは「やられた!」と思った。傷ついても、痛めつけられても、打ちのめされても、それでも人は生きている。
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![]() | 世界一わかりやすい!FXチャート実践帳 今井 雅人 あさ出版 2009-03-06 by G-Tools |
FXのチャート分析を解説した本はいろいろ出ているのだが(たいていのFX入門書には必ずチャート分析法が紹介されている)、この本は実際のチャートを見ながら、先行きを読者が考えていくというところがミソ。日足のローソク足に、レジスタンスライン、サポートライン、トレンドラインを引いて売買のポイントを探す。この本がすごいのは、分析の結果として思い通りに動かなかったケースも事例として紹介していることだろう。チャートを分析する→ポジションを持つ→利益の確定もしくは損切り、までがひとつのプロセスだという考えが徹底している。損切りもトレードのうちなのだ。
FX入門書の中には日足・時間足・週足といったタイムスパンを伏せて、チャートの解説をしているものも多いように思う。しかしこの本は日足一本槍で、より長期の動きを見るために週足を参考にするというスタイルに徹している。しかしローソク足、レジスタンス、サポート、トレンドという4つの要素はどんなタイムスパンでも使えるはず。平均線をどう参考にするかという話も最後に少し紹介されているが、それ以外のごちゃごちゃした説明が一切無いのもいい。
これを見ると「なるほどプロはチャートのこんな点を見ているのだな」ということがわかる。チャートを見ているとき、自分の目がいかに節穴かということもわかる。この本は一度読み終わっても時々取り出してパラパラとながめ、チャートを見る目を養うには最適の教科書であり練習ドリルだと思う。
この本である程度チャートの見方に馴れてきたら、FX運営会社のHPにあるバーチャル取引で実際のチャートに沿った取引をしてみればいい。そこから実際の取引に入っても遅くない。僕自身は既に実際の取引で大きく資金を焦げ付かせてしまっているのだが、できればあと1年早くこの本に出会いたかった!
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![]() | 日本の仏教 (岩波新書) 渡辺 照宏 岩波書店 2002-06-12 by G-Tools |
同じ著者の「仏教」に続く、日本仏教についての解説書。「仏教」では日本仏教についての話が割愛されていたが、この「日本の仏教」を読むと著者がなぜ前著で日本仏教の話題を削ったのかも理解できる。インドからアジア大陸全域に広がった仏教の流れに対して、日本の仏教は本来の仏教の教えを誤解曲解しつつ、独自の進化を遂げているということだろう。だからインドから広がった「仏教」という大きな流れの中に、日本仏教はうまく配置することが出来ない。そこだけ毛色の違う異種として、周囲から浮き上がってしまう。
では日本の仏教はもはや仏教とは言えないのかというと、決してそうではない。どれほど奇抜な進化を遂げたとしても、根っこをたどるとそれはやはり仏教であり、源流はシャーキャムニの教えにたどり着く。著者は日本の仏教教団に辛辣な批判の矛先を向けるが、それは結局のところ、仏教が仏教であるために守らなければならないシャーキャムニの教えに再び目を向けよ、という著者なりの叱咤激励なのかもしれない。あるいは日本仏教から「日本」という要素をはぎ取った中に、紛れもない「仏教」が存在することを論じた本とも言えるか。
今から半世紀も前に書かれた本だが、中身は今でも刺激的だ。
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![]() | 侍たちの宴 1 (1) (ビッグコミックス) 神江 里見 小学館 2008-10 by G-Tools |
ビッグコミック1でシリーズ連載されていた、山手樹一郞原作・神江里見作画の時代劇コミック。1話完結の短篇が今回は4話収録されているのだが、どれも完成度がずば抜けて高い。雑誌でも全部読んでるけど、改めて読んでもうならされる出来映えだ。神江里見は「弐十手物語」など小池一夫原作の作品が多いのだが、その小池一夫はもともと山手樹一郞の弟子だった人。だから山手と神江という組み合わせも、馴染みが悪いわけではないのかもしれない。神江里見の欠点はひとつひとつの絵の完成度が高すぎて躍動感に乏しいところなのだが、このシリーズはアクションシーンがさほどなく心理描写が多いので作風にはピッタリはまっているのだろう。
ビッグコミック1が今年3月発刊の号で休刊になってしまったため、「侍たちの宴」が今後どうなるかはまったく不明。読み切り連載だったし、おそらくこのまま消えてなくなっちゃうんだろう。好企画だけに残念。とりあえず既出のものだけでも単行本にまとめてほしいな。
ビッグコミック1は超寡作の作家・一ノ関圭に「鼻紙写楽」という連載作品を提供していたんですが、これも続きはどうなっちゃうんでしょう。単行本化されるのかなぁ……。
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