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2009.06.26

MW

4091920047MW(ムウ) (1) (小学館文庫)
手塚 治虫
小学館 1995-02

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 リンクは文庫版になっているが、実際に購入したのは映画公開に合わせて増刷されたMy first WIDEというコンビニ・コミック版。厚さ4.2センチで全1巻というボリュームだ。これは読みでがある。映画がだいぶピンぼけだったのでそれとの比較という意味で読み始めたのだが、映画より登場人物も多いし人間関係も複雑。映画の脚本はかなりその処理に苦労したようで、コミック版と同じポジションの人物をわざわざ登場させているのに、それが生かせないままで終わっているものなども多いことがわかる。

 映画では賀来神父の神父としての描写がかなりお粗末だったのだが、コミック版ではかなりきちんとしていることに驚かされる。この原作から、なんであんなトホホな描写になってしまうのか疑問だ。

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2009.06.22

夢分析

4004306531夢分析 (岩波新書)
新宮 一成
岩波書店 2000-01

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 さまざまな夢を「類型夢」をキーワードにしながら解剖していくことで、人間が心の奥底に持っているさまざまな欲望や不安や葛藤を浮かび上がらせていく。まるで推理小説を読むような面白さだ。夢に登場するさまざまな象徴の意味やバリエーションを学ぶことが出来るのだが、この本にはまったく紹介されていないけれど僕が思い浮かべたのは、宮崎駿の傑作『となりのトトロ』。これは「空を飛ぶ夢」が出てくる、「虫の夢」が出てくる、「水に入って出る夢」が出てくる、「肉親の死の夢」が出てくる。まさに「類型夢」のオンパレードだ。そう、『となりのトトロ』もじつは物語の裏側に、古いエディプスの神話を抱え込んでいるのだ。そんなことに気づかされただけでも、この本を読んだことはものすごく大きな収穫だった。

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2009.06.19

物語力(ストーリーりょく) ワートマンの「人の心を鷲掴みにする仕事術」

4872579240物語力(ストーリーりょく) ワートマンの「人の心を鷲掴みにする仕事術」 (East Press Business)
イースト・プレス編集部
イースト・プレス 2008-04-18

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 ストーリー論や物語理論の本ではなく、ビジネスの場でのコミュニケーションツールとして「ストーリー」を活用しようという本。最近ビジネスの世界で「ストーリー」が注目されている理由の一端を、この本からうかがい知ることが出来るような気がした。

 ここで紹介されている「ストーリー」はあくまでもビジネスの場で考えや情報を共有するためのツールなので、「どうやって物語を作るか」や「物語の構造はどうなっているか」といった物語自体についての理論はまったく語られない。ここで紹介されているのは「ストーリー」というほど大げさなものではなく、むしろ「エピソード」とか「逸話」とでも言った方がいいものかもしれない。成功談、失敗談、企業や商品や人物にまつわる伝説的逸話、楽しい話などをこまめにストックし、状況に応じてスムーズに取り出して共有していく。そうすることで人間同士の結びつきが深まり、仕事のモチベーションが上がる。とまあ、そんなわけだ。

 で、ストーリーをストックしておく方法だが、これは「ウィンブック」というものを作る。頑丈な作りのノート(長い年月にわたって使うため)に、自分の面白いと思った話、感動した話を書き取っておく。1冊終わったら次に移る。これはどんどん書きためていく。でもこれだけでは、当意即妙にストーリーを語るというわけにはいかない。そこで「ストーリー・マトリックス」という用途別・内容別の目次を作っておく。時間があれば「ウィンブック」を作り、「ストーリー・インデックス」に落とし込み、「ストーリー・インデックス」を眺めては「ウィンブック」を読む。これを繰り返すことで、ストーリーが身についてくるわけだ。ストーリーの構成要素としては「ストーリー・コーチ」を参考にするといい。

 ストーリーの効用をストーリー仕立てで紹介しているところがかったるいのだが、ストーリーをストックして、それにインデックスを付けて活用するという手法は、他の分野にも応用できるかも。

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2009.06.18

無宗教こそ日本人の宗教である

4047101753無宗教こそ日本人の宗教である (角川oneテーマ21)
島田 裕巳
角川グループパブリッシング 2009-01-10

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 日本人はなぜ無宗教なのか? という問いかけに対する本はこれまでにたくさん出ているが、これは「なぜ」を突き抜けて、むしろ日本人の持つ「無宗教」という感覚に積極的な価値を見出そうという主張だ。これもよく指摘されていることだが、日本人が信仰を持っていないわけではないし、宗教に拒否反応を示しているわけでもない。日本人は世界のどの国よりも、むしろきわめて宗教的な環境の中で生活している。でも意識としては「無宗教」なのだ。でもこれは「無神論」ではないし、「反宗教」でもない。

 日本人が無に求めてきたのは、私という小さな存在の限界を超えることである。(中略)限界を儲けないことで、本当の自由を得ていく。そうした可能性があるからこそ、日本人は無ということに強い魅力を感じてきたのである。(p.96)

 日本人は「無私」「無我」に理想を感じるが、それは自分を失うことではない。失神状態を「無我の境地」とは言わないだろう。自分自身を持ちながら、それでいて自分自身にすらとらわれることのない自由な心を持つとき、それを「無我」と言うのかもしれない。

 「無宗教」は宗教を軽んじているわけではないし、否定もしていない。しかし特定の宗教・宗派にとらわれない自由な立場を手にするのが「無宗教」ということか。国際化、多民俗化して行かざるを得ない日本の未来を、著者は「無宗教」が緩衝材になって救うと論じている。確かに日本では、宗教対立は起きそうにないよなぁ……。

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2009.06.12

「物語力」で人を動かせ!―ビジネスを必ず成功に導く画期的な手法

4837921795「物語力」で人を動かせ!―ビジネスを必ず成功に導く画期的な手法
平野 日出木
三笠書房 2006-03

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 ストーリー理論の基礎と実際の事例を、平易にかみ砕きながら解説した入門書。直前に読んだ「論理と心理で攻める 人を動かす交渉術」では「理論より感情に訴える技術」と抽象的にしか語られていなかったストーリー理論が、基礎から応用、実際の成功事例などを交えてしっかり紹介されている印象を受けた。物語の構成はV字型や逆N字型にしろとか、物語化するための材料集めの方法、自己紹介を物語化する方法、ビジョンとミッションの違いなど、参考になりそうなところは多い。普段は映画を通じて「物語」を考えることが多いのだが、この本では経済紙やスポーツ紙などの文章を例にとっていることが多く、普段から目に馴染みのある新聞記事の多くが同じ「物語の構造」の中で組み立てられていることを知るのは新鮮だった。目から鱗が落ちるとまでは言わないが、「言われてみればそうだよなぁ」という感じで得心がいく。これは今後、自分が仕事でコラムを書いたりするときも参考になりそうだ。

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2009.06.10

論理と心理で攻める 人を動かす交渉術

4582853854論理と心理で攻める 人を動かす交渉術 (平凡社新書)
荘司雅彦
平凡社 2007-08-11

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 ストーリー理論の紹介を読みたくて購入したのだが、少なくともその用途についてはまったく役に立たない本だった。ストーリー理論を「理屈ではなく感情に訴える技術」と翻案した上で、ストーリー理論とは直接関係のないエピソードや事例を紹介しているし、その事例もあまりにもドラマチックなもの(相手の会社に自分の姪がいる、社内イジメで自殺した人がいるなど)で、そのままでは直接津使えないようなものばかり。リゲインのCMを例に出して、そこにはストーリーだけで情報がないと言うのも元コピーライターから見れば変な話。結局この本からは、「最近ビジネスの現場ではストーリー理論というものが注目され始めている」とうこと以上のことはわからない。ストーリー理論を学ぶなら、これ以外の別の本を読まなきゃならない。

 ただしストーリー理論はこの本のごく一部であって、他にも社会心理学的なテクニック、ゲーム理論、クリティカルシンキング、著者が実際の体験の中で得たさまざまなテクニックなどが紹介されているので、本のタイトル通り「交渉術」を学ぶ本としては小振りながらよくまとまっていると思う。紹介されている○○理論のたぐいは、ストーリー理論の時と同じく著者の理解度が怪しげだったり、解釈がかなり入っているのでそのまま「これが○○理論だ」と思わない方がいいかもしれないが、書かれていること自体は別に間違っちゃいないのだ。

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2009.06.08

面白いほどよくわかるフロイトの精神分析

4537253460面白いほどよくわかるフロイトの精神分析―思想界の巨人が遺した20世紀最大の「難解な理論」がスラスラ頭に入る (学校で教えない教科書)
立木 康介
日本文芸社 2006-01

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 フロイト思想の入門書。わかりやすい。

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2009.06.03

時計じかけのハリウッド映画―脚本に隠された黄金法則を探る

4827550301時計じかけのハリウッド映画―脚本に隠された黄金法則を探る (角川SSC新書)
芦刈 いづみ
角川SSコミュニケーションズ 2008-02

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 カリフォルニア州立大学ノースリッジ校(CSUN)で映画を学んだ著者たちが、アメリカの大学でどんな風に映画を教えているのかというエッセンスを伝えてくれる軽い読み物……といった雰囲気の本。授業の様子、どんな教科書を使っているか、教授やクラスメイトたちとのおしゃべり、学生たちの業界への売り込みといった話が面白いのだが、あくまでも軽いエッセイみたいなものなので、どれだけ参考になるかというと、じつはほとんど参考にならない。ハリウッド流の脚本術について体系的に書かれているのは1章と2章だけで、それ以降は映画史の話や映画の分析、業界の裏話といった話が続く。

 ハリウッド流の脚本術というのは日本にも少しずつ紹介されているのだが、この本の中でアメリカの大学の映画学科では定番の教科書とされているのが、シド・フィールドの「Screenplay」と、ロバート・マッキーの「Story」。このうちシド・フィールドの本は、今年3月にフィルムアート社から「映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術」というタイトルで翻訳が出た。次はロバート・マッキーも翻訳を出してほしいね。(フィールドの本は早速Amazonのカートに入れました。)

4845909278映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術
安藤 紘平 加藤 正人
フィルムアート社 2009-03-31

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