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2009.06.18

無宗教こそ日本人の宗教である

4047101753無宗教こそ日本人の宗教である (角川oneテーマ21)
島田 裕巳
角川グループパブリッシング 2009-01-10

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 日本人はなぜ無宗教なのか? という問いかけに対する本はこれまでにたくさん出ているが、これは「なぜ」を突き抜けて、むしろ日本人の持つ「無宗教」という感覚に積極的な価値を見出そうという主張だ。これもよく指摘されていることだが、日本人が信仰を持っていないわけではないし、宗教に拒否反応を示しているわけでもない。日本人は世界のどの国よりも、むしろきわめて宗教的な環境の中で生活している。でも意識としては「無宗教」なのだ。でもこれは「無神論」ではないし、「反宗教」でもない。

 日本人が無に求めてきたのは、私という小さな存在の限界を超えることである。(中略)限界を儲けないことで、本当の自由を得ていく。そうした可能性があるからこそ、日本人は無ということに強い魅力を感じてきたのである。(p.96)

 日本人は「無私」「無我」に理想を感じるが、それは自分を失うことではない。失神状態を「無我の境地」とは言わないだろう。自分自身を持ちながら、それでいて自分自身にすらとらわれることのない自由な心を持つとき、それを「無我」と言うのかもしれない。

 「無宗教」は宗教を軽んじているわけではないし、否定もしていない。しかし特定の宗教・宗派にとらわれない自由な立場を手にするのが「無宗教」ということか。国際化、多民俗化して行かざるを得ない日本の未来を、著者は「無宗教」が緩衝材になって救うと論じている。確かに日本では、宗教対立は起きそうにないよなぁ……。

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