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2009.08.24

ハリウッドストーリーテリング

475000359Xハリウッドストーリーテリング
愛育社 2009-06

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 「映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術」の実践的な解説書……みたいな本。著者はシド・フィールドの本で学び、自ら脚本を書いたり、脚本のアナリストをしながら、自分の経験をもとにこの本を書いている。ベースはシド・フィールドだが、両者を比べると微妙に異なるところもある。シド・フィールドの本もひとつの脚本理論であり、過去の名作傑作に対する分析と解釈によって成り立っている。この本も同じだ。どちらが正しいかという問題ではなく、どちらも参考にしながら、自分なりの脚本分析や解釈を見いだしていくべきなのだろう。
 

 著者が海外の映画学校で教えている内容がベースになっているようで、これは「英語で脚本を書く方法」や「外国人が英語を勉強する方法」にも言及されている。これは日本で日本語の脚本を勉強しようとしている人にとっては余計な情報だが、著者やこの本の立ち位置を象徴する記述だと思う。この本はあくまでも「ハリウッド流の脚本術」であって(タイトルもそうなっている)、日本の脚本にそれがどれだけ応用できるのかはわからない。このあたりの応用や分析は、今後別の人がしていかなければならないことかもしれない。

 シド・フィールドの本は既に翻訳が出ているので、その理論を紹介するこの本の価値は既に大半が失われていると言えなくもない。(著者や出版社はフィールドの本が翻訳されることを知らなかったようだ。)僕自身は「脚本の勉強としては、シド・フィールドを読んでいればこれは不要かも……」と思ったりもするが、これはシド・フィールドの本がハリウッドで映画を学ぶ人々にどのように受容されているかを知るという点では面白いものだ。またシド・フィールドの本を読んでも内容にピンと来なかった人や、もう少しかみ砕いた解説が読みたい人には参考になる本だと思う。そのわりには、ちょっと高いけどね。この本を買うなら、フィールドの本を2度3度読んだ方が勉強になるかも。

4845909278映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術
安藤 紘平
フィルムアート社 2009-03-31

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2009.08.23

映像史―Image Media Wars

4871002276映像史―Image Media Wars
映人社 2009-06

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 映画の発明にはじまる「映像」の歴史を、映画とテレビという2種類のメディアの覇権争いという切り口から紹介していく新しい映画史本。同時代のさまざまな証言を引用しているのがこの本のみそで、映画がサイレントからトーキーになったときに人々がどう考えたか、ワイドスクリーンはどう受容されたのか、人々はテレビをどう考えていたのかなどが当時の雑誌やインタビューなどから語られていく。これを見ると、映画やテレビの未来に対してじつに正確な予言をしていた人たちが少なくないことに驚かされる。(もちろんそうした「当たった予言」ばかりを引用しているからでもあるけれど。)

 映画からテレビへの転換を詳細に語った「『鉄腕アトム』の時代―映像産業の攻防」を読んだ直後でもあり、個々の事例への踏み込みが浅いように感じる部分もあるのだが、映画史を読み解いていくひとつの取り組みとして示唆に富んだものだった。

4790713903『鉄腕アトム』の時代―映像産業の攻防
世界思想社 2009-02

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2009.08.22

『鉄腕アトム』の時代―映像産業の攻防

4790713903『鉄腕アトム』の時代―映像産業の攻防
世界思想社 2009-02

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 映画とテレビの勢力が逆転していく1950年代から1960年代前半にかけての映画・テレビ業界の様子を、豊富なデータを取り混ぜて再現していく映画史・放送史の本。日本の事例だけでなく、アメリカでの様子も丁寧に紹介してくれているのは参考になる。専門学校で映画史を教えている際、なんとなく概略として生徒に教えていた内容ではあるのだが、自分としてもその詳細については知らないことが多かった。この本によってそのディテールを知ることができたのは大きな収穫だった。

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2009.08.15

日本動画興亡史 小説手塚学校 2 ~ソロバン片手の理想家~

4062155567日本動画興亡史 小説手塚学校 2 ~ソロバン片手の理想家~
講談社 2009-07-22

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 「日本動画興亡史 小説手塚学校 1 ~テレビアニメ誕生~」の続編。話が虫プロ内部とその周辺に限られているのに加え、時間的にもあまり前後しないので1巻よりスピーディに読める。ここでは「鉄腕アトム」の放送開始から、マーチャンタイジング、アメリカへの輸出、バンクシステムの実態などが語られていく。同じフジテレビで「鉄人28号」の放送がはじまるなど、手塚治虫の当初の目論見が早くもほころびはじめる。絶頂期ではあるが、これは同時に「終わり」のはじまりでもある。第3巻以降が今から楽しみ。

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2009.08.14

日本動画興亡史 小説手塚学校 1 ~テレビアニメ誕生~

4062155559日本動画興亡史 小説手塚学校 1 ~テレビアニメ誕生~
講談社 2009-06-20

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 世界的にも評価の高い日本製「アニメ」には、大きなふたつの源流がある。ひとつは「日本のディズニー」を目指して主に劇場長編アニメの世界を確立した東映動画であり、もうひとつは「アンチ・ディズニー」をコンセプトに毎週30分のテレビアニメシリーズを生み出した虫プロダクションだ。東映動画が親会社である東映系列劇場からの収入によって収益を上げていたのに対し、虫プロは制作費の大半をキャラクター商品の販売や海外セールスによってまかなうという、現在のアニメにも通じるビジネス・モデルを打ち立てた。手塚治虫や虫プロについてはこれまでも当事者たちの回想やインタビューを含めて多くの本が出ているのだが、この「小説手塚学校」はそれらの先行本の集大成ともいうべき労作。この第1巻では、手塚治虫が東映動画と組んだ「西遊記」への不満から自身のアニメ制作プロダクションを旗揚げし、やがてテレビアニメの世界に突き進んでいくまでが描かれている。

 第1巻が終わった時点で、まだ「鉄腕アトム」は放送されていない。この本には現時点で2巻までが出ているが、そこでは「鉄腕アトム」による虫プロの全盛時代が描かれる。だが虫プロはやがて瓦解し、虫プロの遺伝子は多方面に散らばって現在につながる「日本製アニメ」の基盤を作っていくことになる。

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2009.08.13

現代美術―アール・ヌーヴォーからポストモダンまで

4788502925現代美術―アール・ヌーヴォーからポストモダンまで (ワードマップ) (ワードマップ)
新曜社 1988-03-31

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 現代美術の歴史を19世紀末からスタートさせると、それは映画の歴史とほとんど正確に重なり合う。アートと映画の両分野で活躍した人たちも多い。そんなわけで「現代美術の視点から見た映画」についてのコメントを期待して読んでいたのだが、ここではまったく映画について語られていない。その忘却ぶりは、まるで意図的なもののようだ。

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2009.08.12

侍たちの宴 2

4091825389侍たちの宴 2 (ビッグコミックス)
神江 里見
小学館 2009-04-30

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 山手樹一郞の短編小説を、神江里見が作画した「侍たちの宴」の第2集。連載していたコミック誌が休刊になってしまったため、おそらくこれが最終刊か。好企画だったのに残念。今回のエピソードでは第七話の「春風街道」が良かった。雑誌掲載時にも読んでるんだけどね。この連作シリーズは偶然の巡り合わせや再会に頼った筋運びが目立つのが弱点で、それは「春風街道」も同じ。でもそれを補って十分な魅力がこのエピソードにはある。あとは最終話第九話の「黙約」あたりも面白い。でも「紅たすき無頼」になると偶然に頼りすぎでドラマが弱くなり、「誉れの錦」は因縁話が入り組みすぎてスッキリとシンプルな強さに欠けたりする。まあそういう意味で、今回はわりと内容的にはばらつきがある。連載自体もここらが潮時だったか……。

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2009.08.10

月の桂 株式会社増田德兵衞商店

Tsukinokatsura

 日本で最初ににごり酒を発売した伏見の造り酒屋・増田德兵衞商店の歴史や経営者たちの人となり、名手を生み出した京都の酒文化などについて書かれた本。著者名が記されていないのに、文章に一人称の部分が多くて違和感を感じる。奥付によれば、取材・文は宮腰太郎。「小沢昭一的こころ」を担当していた放送作家と同姓同名だけど、同じ人だろうか?

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2009.08.09

アオバ自転車店 9巻

4785932058アオバ自転車店 9巻 (ヤングキングコミックス)
少年画報社 2009-08-07

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 1話完結型の自転車版「ブラック・ジャック」みたいなコミックだったはずなのに、最近は2話・3話にまたがる大型エピソードが増えている「アオバ自転車店」。今回の単行本では全8話のうち、2〜4話、6〜7話が大型エピソードで、8話も次巻に「つづく」とのこと。1話完結になっているのは、全体の中で2つのエピソードしかない。大型エピソードは雑誌連載中だと次が楽しみなんだけど、単行本だとただの場所ふさぎだなぁ。

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2009.08.04

マンガ原作の書き方77の法則

4779110459マンガ原作の書き方77の法則
彩流社 2009-04-23

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 「HOTEL」や「築地魚河岸三代目」などのヒット作を持つ著者が、マンガ原作を書く上でのコツや秘訣を77の項目にわたって解説した本。ある程度原作シナリオを書いたことのある人向けに、創作上の壁や躓きを乗り越えていくアドバイスをしているという雰囲気。著者自身がシナリオ・センターや池袋コミュニティ・カレッジでマンガ原作講座を受け持っているため、アマチュアの陥りがちな落とし穴に気付きやすいのだろう。しかし「そもそもマンガ原作とは」という説明がほとんどないし、売り込み方などのアドバイスもない。これだけでマンガ原作が書けるわけではないだろうし、マンガ原作者になれるわけでもない。まあ、当り前ではあるけれど……。

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2009.08.03

映画にしくまれたカミの見えざる手―ニッポンの未来ぢから

4062725819映画にしくまれたカミの見えざる手―ニッポンの未来ぢから (講談社プラスアルファ新書)
講談社 2009-06

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 個々の映画作品ではなく、映画産業や映画ビジネスについて紹介した一般向けの本。データブックとしては物足りないところもあるのだが、全体的な傾向や雰囲気を知るにはいい本だと思う。解説部分には不満なところもあったりするのだが、こんなものは細かなあら探しをすればいくらでも出てくる。むしろ細かなデータにあたらないとわかりにくい部分に、さりげなく触れていたりする配慮を評価すべきだろう。雑学的な映画知識もあれこれ書かれている本なのだが、著者の本領は3章以降、映画ロケや映画誘致、地域での映画作りなどについて述べているところだと思う。データを見れば映画についてのネガティブな話はいくらでも出せるだろうに、そうしたところは片目をつぶり、映画について前向きで建設的な(それでいて手厳しい)意見が述べられているのは好感が持てた。

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