ハリウッドストーリーテリング
![]() | ハリウッドストーリーテリング 愛育社 2009-06 by G-Tools |
「映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術」の実践的な解説書……みたいな本。著者はシド・フィールドの本で学び、自ら脚本を書いたり、脚本のアナリストをしながら、自分の経験をもとにこの本を書いている。ベースはシド・フィールドだが、両者を比べると微妙に異なるところもある。シド・フィールドの本もひとつの脚本理論であり、過去の名作傑作に対する分析と解釈によって成り立っている。この本も同じだ。どちらが正しいかという問題ではなく、どちらも参考にしながら、自分なりの脚本分析や解釈を見いだしていくべきなのだろう。
著者が海外の映画学校で教えている内容がベースになっているようで、これは「英語で脚本を書く方法」や「外国人が英語を勉強する方法」にも言及されている。これは日本で日本語の脚本を勉強しようとしている人にとっては余計な情報だが、著者やこの本の立ち位置を象徴する記述だと思う。この本はあくまでも「ハリウッド流の脚本術」であって(タイトルもそうなっている)、日本の脚本にそれがどれだけ応用できるのかはわからない。このあたりの応用や分析は、今後別の人がしていかなければならないことかもしれない。
シド・フィールドの本は既に翻訳が出ているので、その理論を紹介するこの本の価値は既に大半が失われていると言えなくもない。(著者や出版社はフィールドの本が翻訳されることを知らなかったようだ。)僕自身は「脚本の勉強としては、シド・フィールドを読んでいればこれは不要かも……」と思ったりもするが、これはシド・フィールドの本がハリウッドで映画を学ぶ人々にどのように受容されているかを知るという点では面白いものだ。またシド・フィールドの本を読んでも内容にピンと来なかった人や、もう少しかみ砕いた解説が読みたい人には参考になる本だと思う。そのわりには、ちょっと高いけどね。この本を買うなら、フィールドの本を2度3度読んだ方が勉強になるかも。
![]() | 映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術 安藤 紘平 フィルムアート社 2009-03-31 by G-Tools |
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