幸福の方程式 新しい消費のカタチを探る
![]() | 幸福の方程式 (ディスカヴァー携書) ディスカヴァー・トゥエンティワン 2009-09-09 by G-Tools |
「こうすれば幸福になれますよ」というハウツー本ではなく、日本社会の中で人びとが何に「幸福」を求めてきたかを読み解きながら、最近の日本人がなぜ幸福を実感できなくなってきてしまったのか、物が溢れて飽食と言われる現代社会の中でどうすれば新しい幸福の実感を獲得できるのかを考えていく本。この本を読んだからと言って幸福になれるわけではないし、これこそが新しい幸福だという提言があるわけでもない。そういうものが読みたければ、宗教関連の戸を叩くべきだろう。
戦後日本人の幸福は「家族」という大きな物語と共にあった、という指摘には「なるほど」と思わされた。しかし社会の変化で「家族」という大きな物語が成立しなくなると、日本人の幸福は迷走しはじめる。そこから新しく出てきたのが、「自分を極める物語」「社会に貢献する物語」「人間関係の中にある物語」という3つの大きな物語。現代人の幸福実感は、たいていこのどれかに当てはめられる。
幸福度を測る指標として持ち出されるのは、「時間密度」「手ごたえ実感」「自尊心」「承認」「最良の自由」という5つで、これを「幸福のペンタゴン・モデル」と呼ぶ。かつてはこの5つが「家族」という物語の中で満たされていたのだが、現在はそれが崩壊しているため、人びとはそれにかわる新しい物語として、上記3つの大きな物語へと流れている。「自分を極めるための趣味」「社会に貢献するボランティアや地域活動」そして「人間関係の新規開拓と再構築」などだ。
だがこうした要素のすべてを満たして、究極の「幸福」をもたらしてくれるものがある。それは「仕事」だ。この本は最終的に「仕事」が新しい幸福価値を生み出す可能性を指摘している。
僕のように趣味の延長で仕事をしている人間からすると、こうした指摘はごくもっともなもの。もっとも僕の現在の立場は、「自分を極める物語」の範囲内に収まってしまっているような気がする。もっと積極的に社会に貢献することや、人間関係を作っていくことを考えた方がいいのかも。
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