2008.04.20

清水義範の作文教室

4150306184清水義範の作文教室 (ハヤカワ文庫JA)
清水 義範
早川書房 1999-06

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 東京在住の作家・清水義範が、名古屋の学習塾に通う小学生たちにFAXで作文指導を行った1年間の記録。子供たちの作文がじつに面白く、それだけでも面白い。現代版の「綴方教室」みたいなものだ。子供たちから「東京先生」と呼ばれる著者が、自分自身の指導法を批判する結末は面白い。そこで紹介されている作文も感動的。作文の指導法については僕の考え方との共通点もあり、大いに共感し、また大いに反省もさせられた1冊だ。

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2008.04.13

働かずに毎年1000万円稼げる私の「FX」超活用術

4062723549働かずに毎年1000万円稼げる私の「FX」超活用術 (講談社+α新書)
野村 雅道
講談社 2005-12

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 FX(外国為替保証金取引)で、年利10%以上の確保を目標とする実用的なFX入門書。FXの仕組みや具体的なメリットとリスクを解説しつつ、国内外の金利差を利用して確実に資産を増やしていく方法が紹介されている。金が金を生み出す夢のような話だが、仕組みを知れば誰もが「ああなるほど」と思うはず。僕も早速、FX用の口座を作ろうと思っているけれど……。

 しかしこの作者、年利10%で毎年1,000万円の収入と言うことは、投資に回している資産が1億円あるということだ。金が金を生み出す夢のような話も、まずはそれ相応の元手がないことには話にならないということか。こっちはその100分の1ぐらいの資金で、資産運用の真似事をしようという話なのだけれど。

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2008.02.26

マインドマップ読書術―自分ブランドを高め、人生の可能性を広げるノウハウ

4478733007マインドマップ読書術―自分ブランドを高め、人生の可能性を広げるノウハウ
松山 真之助
ダイヤモンド社 2005-01

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 マインドマップについての本はこれまでにも何冊か読んできたけれど、その中ではある意味これがもっともダメな本であり、同時に有益な本だった。ダメな理由も有益な理由も同じで、ここに紹介されているマインドマップは、トニー・ブザンが提唱する本来のマインドマップとはかけ離れているからだ。ブザンのマインドマップにはいくつかの原理原則があるのだが、この本で紹介されている読書マインドマップはその多くを平気で無視している。まずマインドマップの中心に絵がない。伸ばした枝には単語だけを書くのが基本だが、ここでは長い文章を書くことが許されている。色分けについても、ほとんど触れられていない。要するにこの本で紹介しているマインドマップは、マインドマップに似た別のものなのだ。

 この本はマインドマップという言葉を使っている以上、やはりトニー・ブザン流のマインドマップが基礎になっている。本の中でもブザンの名前や著書が紹介されている。でもやっていることは、ブザン流マインドマップからの逸脱だ。著者にそれに対する自覚がどの程度あるのかは不明だが、こんなものをマインドマップと呼ぶのは問題だろう。少なくともこれを、マインドマップの入門書のように考えると大変なことになる。

 ではそんなマインドマップ本が、なぜ有益なのか。それはこの本が「トニー・ブザンの方法に従う必要はない」「自己流のマインドマップでも十分役に立つ」ということを明らかにしていることだ。

 マインドマップの有効性に注目しながら、多くの人がつまづいてしまうのはなぜか。それはブザン流の原理原則に凝り固まって、紙の前で手が動かなくなってしまうからではないのか。例えばマップの中心に絵を描けとブザンは言う。できればその絵には、複数の色を使えと言う。これでは絵心のない人をマインドマップから排除してしまう。ブザン流のマインドマップでは枝の中に配置されていく言葉は単語だけが原則で、文章になってはいけないのだという。でもこれは頭の中にあるモヤモヤした考えを、単語にかみ砕いていく作業がまず必要になる。単語にこだわると、マインドマップを作る手はぱたりと止まってしまうことが多いのではないか。

 その点、この本に紹介されているマインドマップは文字ばかりで、絵なんてほとんどない。印刷の関係もあるけれど、使われている色も黒一色。テーマから伸ばされたそれぞれの枝には、かなり長い文章も平気で書かれている。ブザン流からはほど遠い。でもこの「マインドマップもどき」の方が、ブザン流よりよほど取っつきやすいと感じる人は多いと思う。

 マインドマップの入門書としてはまったく薦められないが、マインドマップ作りにチャレンジして行き詰まっている人(僕もそうだ)には一読をお薦めしたい。

4478760993ザ・マインドマップ
トニー・ブザン 神田 昌典 バリー・ブザン
ダイヤモンド社 2005-11-03

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2007.08.08

保育園民営化を考える

4000093517保育園民営化を考える (岩波ブックレット (No.651))
汐見 稔幸 近藤 幹生
岩波書店 2005-05-11

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 保育園民営化についてまとめたブックレット。短時間でこの問題の要点をつかむにはいい小冊子だと思う。ただ、この問題を考えるときにいつも思うのだが、保育園の民営化には多くの問題があるにも係わらず、なぜ行政は民営化を進めるのかがいまひとつわからない。この本の中でも、行政側の言い分というのは、生の声として紹介されていない。「行政は子育てのことなんてちっとも考えてない」「行政は効率優先で現場のことを考えてない」など、行政悪玉論を論じるのは簡単なこと。でも役人というのは、役所というのは、そんなに馬鹿なところなのかな〜。行政側には行政側なりの理屈や動機があって、抵抗があっても保育園の民営化を進めようとしているのではなかろうか。その理屈と動機の正直なところをぜひ聞いてみたいものだけれど……。

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2007.06.16

教育力

400431058X教育力
齋藤 孝
岩波書店 2007-01

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 教える人の心構えなどが書かれている本で、著者の考えや立ち位置が明確になっているという意味ではいい本。この本に書かれている言葉が参考になったり、励みになったりする人も多いと思う。でもこの本を読んだからといって、何か具体的な授業や講義の参考になるかというと、そうした効果はあまり期待できそうにない。でも「勉強して何の役に立つんだろう?」「教えるってどんな意味があるんだろう?」といった、授業法や勉強法のノウハウを超えたところにある根源的な問いかけに、著者なりの答えを見つけようとしている姿勢には好感が持てる。

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2007.06.09

永遠の法―エル・カンターレの世界観

4876883203永遠の法―エル・カンターレの世界観
大川 隆法
幸福の科学出版 1997-07

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 昨年アニメーション映画にもなった、幸福の科学の「法シリーズ」の1冊。いただいた本でもあるし、とりあえず読んでみました。幸福の科学の世界観、宇宙観がわかりやすく説かれていて、信者の人にはいいガイドブックになっているのかも。でも部外者にとっては、どうでもいい話だけどね。

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2007.03.31

大人のための文章教室

4061497383大人のための文章教室
清水 義範
講談社 2004-10-19

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 学生相手に作文指導をする機会が増えそうなので、清水義範の作文関連本を何冊かまとめて購入してみた。最初に読んだのがこの本だが、これはなかなか面白かった。読んでいて「なるほど、そうだよな」と肯ける実践的な記事が多い。目から鱗が落ちるという内容ではないけれど、読んでいて胸のつかえが下りるような、あるいは、のど元まで出かけていて出なかった言葉を代わりに言ってもらったような気持ちになることも多い。

 例えば文章は2つのことのバランスで成り立つと切り出し、ひとつは『言いたいこと、伝えたいことが曇りなく読み手に伝わるかどうか』で、もうひとつは『この文章を書いている私が利口そうに見えるかどうか』だと断言してしまうあたりは、大いに「なるほど、そうだよな!」なのだ。まずは「文章のわかりやすさ」が必要。しかしそれだけでは物足りなくなり、やがて文章や構成をひねくり回すようになるのは、自分の文章を気の利いたものにしたい、自分を利口に見せたいという色気みたいなもの。しかし色気が勝ってしまうと、文章は意味が通りにくくなることも多い。

わが子に教える作文教室
わが子に教える作文教室清水 義範

講談社 2005-10-19
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清水義範の作文教室 大人のための文章教室 スラスラ書ける!ビジネス文書 はじめてわかる国語 良心の領界

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2007.03.04

原稿用紙10枚を書く力

4479300732原稿用紙10枚を書く力
齋藤 孝
大和書房 2007-02-09

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 映画について書くという記事があったので、興味を持って読んだ。僕自身はこの著者の考え方に必ずしもすべて同意するわけではないのだが、「そうだよな~」と思わせるところも多くて参考になる。特に文章の構成を、起承転結の「転」から書けという指摘は鋭いと思う。「転」は文章の中でちょうつがいになる部分。ここさえ上手くできれば、あとは前後を書き加えるだけでそれなりの構成にはなる。

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2007.02.15

自己プレゼンの文章術

4480063498自己プレゼンの文章術
森村 稔
筑摩書房 2007-02

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 大学で学生相手に作文の指導をしている著者が、日頃の指導の口調そのままに、800字程度の短い作文の書き方について丁寧に指導する本。文章読本や論文の書き方のような本はたくさんあるが、これはそのなかでもよくできた本だと思う。著者の主張の多くは、僕が日頃から考えていることに一致する。僕の目から見て、新しいことは何も書いていないのだが、それをきちんと体系だって説明されているのは読んでいて気持ちよかった。

 この本では就職試験などの作文問題に重きを置いているところがあるので、「読者」としては採点をする企業人が想定されている面が多い。しかし実際の作文には試験以外のものもあるし、そこでは「自己表現」より「表現技法」に重点を置いた書き方があってもいいと思う。作文の構成などは800字ではたいしたことが出来ないが、1,200字ぐらいあるともっといろいろと思い切ったことも出来る。作文の面白さは試験対策以外の部分にもあるので、試験対策ばかりに躍起になるこの本はそこがマイナスかも。(でもまあ、これは無い物ねだりだね。)

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2007.02.12

2006年のベスト3

4760129421捏造された聖書
バート・D. アーマン Bart D. Ehrman 松田 和也
柏書房 2006-05

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 聖書やキリスト教関係の本はいくつか読んだけれど、これが一番面白かった。聖書の正文批判(本文批評)について書かれた一般向けの読み物としてもよくできているし、クリスチャンに対しても聖書との向き合い方を問いかける本になっていると思う。

4121018540映画館と観客の文化史
加藤 幹郎
中央公論新社 2006-07

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 映画と観客が出会う映画館という場を切り口にした、新しい映画史の試み。ドライブインシアターについての記事など、目からうろこが落ちるような思いで読んだ。

4845903547映画技法のリテラシー〈1〉映像の法則
ルイス ジアネッティ Louis Giannetti 堤 和子
フィルムアート社 2003-11

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 アメリカの映画学校で使われている教科書の邦訳らしい。映画技法について具体的な作品やシーンを取り上げつつ、詳細に論じていくのはわかりやすい。2分冊で両方買うとちょっと高いのだが、それだけの価値は十分にあると思う。

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2007.01.13

自転車で痩せた人

414088178X自転車で痩せた人
高千穂 遙
日本放送出版協会 2006-04

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 じつは正月から自転車に乗り始めた。これまでバスで通っていた職場の学校にも、自転車で行くようになった。休日は少し遠くまで、平日の朝も近所を少しずつ自転車で走っている。近所と言っても、だいたい1時間弱、走行距離で6~7キロの距離だ。乗っているのは本格的なスポーツバイクではなく、軽快車、いわゆるママチャリ。それにサイクルコンピュータを取り付けた。しかしそれでも、これはかなりの運動になる。ネットで自転車関係の資料をあれこれ見ているとき、行き当たったのがこの本だった。著者はSF作家の高千穂遙。「クラッシャージョウ」や「ダーティ・ペア」などのシリーズは、僕も中学生の頃から読んでいる。その小説家が、自転車に乗り始めて2年で24キロ減量したのだという。これは気になる。すごく気になる。

 著者は50歳の健康診断で肥満と高脂血症、高血圧などを指摘され、ふと思い立って自転車に乗り始めたのだという。体重80キロ超、体脂肪率24パーセント、ウエスト90センチって……、これは年齢こそ違え、今の僕とほとんど同じ体系ではないか。それが自転車だけで60キロまで痩せたって!

 凝り性で負けず嫌いの著者は街乗り用のスポーツ車に飽きたらず、本格仕様のロードバイクで1日60キロも走っているのだという。これはちょっと極端なのであまり参考にはならないのだが、それでも自転車ダイエットの入門書になり得るエッセイ風の読み物として、これはよくできている。僕はこの本を読んで、早速ママチャリのシートポストを交換したぞ。

じてんしゃ日記
じてんしゃ日記高千穂 遙 一本木 蛮

早川書房 2006-11
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自転車で痩せた人 自転車依存症 大人の自転車ライフ こぐこぐ自転車 Tarzan特別編集 自転車が最高!

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2006.11.19

ソウルメイト 「運命の人」についての7つの考察

4569645747ソウルメイト 「運命の人」についての7つの考察
飯田 史彦
PHP研究所 2005-09-16

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 心霊体験や過去世の記憶といった超常的な概念抜きに、ひとつの世界観や死生観のあり方としてソウルメイトについて考察した本。「霊が見えます」とか「あなたは前世で○○だった」といったオカルトチックな語りを用心深く避けていることもあり、その手の話にアレルギーのあるひともとっつきやすい内容かもしれない。

 しかし僕はここで述べられている、「すべての経験は学びであ」とか「人間の運命はあらかじめ自分自身が選んでいる」といった言い方に、ちょっとうんざりしてしまうのだ。これもしょせんは、衣食に困らない豊かな現代日本人が、豊かな生活の中で心の渇きを癒すために編み出した自己満足と人生肯定の方便にすぎないのではなかろうか。

 人間は自分の親を選んで生まれてくるだって? そこで生じる親との軋轢も、大切な学びの機会だって? 世の中には生まれてすぐに殺されてしまう子供もいれば、年端も行かないうちに虐待死する子供だっている。テロや戦争の犠牲になる人は、なぜ好き好んでその場に生まれてきたのだろう。傷つき死んでいく幼い子供たちに、「その人生は、あなた自身が決めたものなのです」「傷つくことも、命を落とすことも、大切な魂の学びです」と言うつもりなのだろうか。

 結局この本のような主張が受け入れられるのは、命に関わるような危険にさらされていない人だけなのだ。人間関係に悩んだり、仕事がうまくいかなくて悩んだり、自分の行為の結果を悔やんだり。そうしたいわば「命懸けではない悩み」に対して、この本は「その悩みには意味がある。あなたはそこから学ぶのです!」と言葉をかける。まあそれで満足できるなら、それはそれでいいけどね。

[決定版]生きがいの創造
[決定版]生きがいの創造飯田 史彦

PHP研究所 2006-09-20
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ツインソウル―死にゆく私が体験した奇跡 ソウルメイト 「運命の人」についての7つの考察 生きがいの創造 2 地球大予測〈2〉オーケストラ指揮法 愛の論理―私たちは、どこまで愛せばゆるされるのか

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2006.11.10

ソウルメイトの不思議

4072465283ソウルメイトの不思議―人生は誰でもかならず「魂の友」にめぐり会えるしくみになっている!
越智 啓子
主婦の友社 2005-08

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 こういう本を、まがりなりにも「精神科医」という肩書を持つ人が書いてしまうという違和感。まあ心の持ち方で人生の意味が変わるということはあるから、メンタルヘルスの領域で仕事をする人が、スピリチュアルな世界に引き込まれていくというのはわからなくもない。しかしそれは「精神科医」が扱うべき事柄なのかな。アロマテラピーやヴォイスヒーリングは、その理論はともかくとして何らかの癒し効果があると思う。でも過去生療法はどうなんだ?

 宗教が悩める人の心を癒す効果を持つように、スピリチュアルな物言いも何らかの癒し効果を持つのは確かだろう。しかし僕はどうしてもこの本に、何らかのうっとうしさ、インチキくささ、馬鹿馬鹿しさを感じずにはいられない。これを「嘘も方便」で語っているならまだましだけれど、これを著者本人が信じているなら「あんたアホか!」ということではないのか?

 「ダ・ヴィンチ・コード」の与太話をまともに受け止めて、著者の前世にまで言及するおめでたさ。そこからディズニー礼賛に移って、ウォルト・ディズニーが作った『リトル・マーメイド』を絶賛するに至っては正気の沙汰ではあるまい。『リトル・マーメイド』が作られるずっと前に、ディズニーは死んでます。その後『ポカホンタス』についての記事ではディズニーが死んでいることを知っているようだから、たぶんこの著者の頭の中では、『リトル・マーメイド』と『ポカホンタス』の間にウォルト・ディズニーが死んだことになっているのかもしれない。

 なお僕も『リトル・マーメイド』は大好き。でもこういうほめ方をされても、製作スタッフは苦笑いするだろうな~。

リトル・マーメイド プラチナ・エディション
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ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント 2006-10-04
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2006.11.07

ソウルメイトを探せ

4777101959ソウルメイトを探せ
青木 勇一郎
ゴマブックス 2005-08

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 スピリチュアル・ブームの中で「ソウルメイト」が改めて注目を集めているのだが、数多く出版されている本の中にはインチキくさいものというか、明らかに手抜きして作られたいい加減なものもある。この本はそうしたインチキ、手抜きの匂いがプンプンする代表選手。ソウルメイトという言葉にはいろんな定義があってもいいが、これはそもそもタイトルに「ソウルメイト」とうたうことすら憚られるのではという内容だ。中身もきわめて低レベル。まあそれでも、こういうものが出版されるということは、それなりのニーズが世の中にはあるということなのか。

 この本の特徴は言葉の語源や漢字の成り立ちについて、インチキやこじつけに満ちた解説が次々出てくること。『不正という字を重ねてみてください。すると「歪み(ゆがみ・ひずみ)」という文字になります』あたりから始まって、『素直とは、素(もと)に直通(ちょくつう)とかきます。だから、素直でいると、深い意識につながって、直感やひらめきが増す』、『素から輝いている人のことを「素晴らしい人」といいます』などなど、じつに役に立つ解説が続く。

 内容的にはきわめて幼稚で、女子中高生向けの「おまじないの本」や「占い本」などと大差はないのだが、本文を読めばわかる通り、この本の対象読者は20代の女性なのだ。う~む、この程度でいいのか? こんなもので、いい年した女性は満足できてしまうのか? まあいろんな意味で、勉強になる本でした。

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2006.09.26

ヴィジュアル時代の発想法―直感をいかす技術

4087200647ヴィジュアル時代の発想法―直感をいかす技術
手塚 真
集英社 2000-11

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 ヴィジュアリスト肩書で映像関連の仕事を精力的にこなしている手塚眞が、自分の「ものの考え方」について書いたとりとめのないエッセイのようなもの。あまり参考になるところはないな~、というのが正直な読後感。

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2006.09.18

写真の読みかた

4004140811写真の読みかた
名取 洋之助
岩波書店 1963-11

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 日本の報道写真の草分けである、名取洋之助による写真論。著者が亡くなった後、周囲の人たちが著者のまとめかけていた原稿を整理して出版したものだが、これがなかなか読みごたえのある写真論になっている。おそらくは、この分野における古典となっているのだろう。紹介されている実例は古いものの、岩波新書では今なお版を重ねているようだ。

 映画の読みかたを語る際、映画理論の言葉をあれこれ引用しているのが興味深い。著者によれば『写真を一つの記号として考えることは、写真の歴史のうちでもごく最近、それも映画の理論の影響をうけて始められたものです(P73)』と書いているくらいだから、そもそも著者の写真論には映画理論からの影響がおおきいわけなのだ。だが僕は著者の写真論を読みながら、そこから逆に映画の理論を読み取っていくことに面白さを感じていた。なるほど、写真の理論がこのように語り得るものであるなら、映画の理論もこのぐらい平明な言葉でわかりやすく語れるのではないか、という思惑があったのだ。

 第一部の「写真の読みかた」については、いずれ時間があるときに内容を整理して、同じことを映画に置き換えられないか考えてみようと思う。

名取洋之助と日本工房(1931‐45)
名取洋之助と日本工房(1931‐45)白山 眞理 堀 宜雄

岩波書店 2006-02
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戦争のグラフィズム―『FRONT』を創った人々 焼跡のグラフィズム―『FRONT』から『週刊サンニュース』へ わがままいっぱい名取洋之助 写真の読みかた レイモン・サヴィニャック フランスポスターデザインの巨匠

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2006.09.10

質問力

4480421955質問力 ちくま文庫(さ-28-1)
齋藤 孝
筑摩書房 2006-03-09

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 会話の中で的確な質問をする力を「コミュニケーション能力」の中核に位置づけ、具体的にどのような質問をすればいいのかを、豊富な具体例をもとに解説していく本。これはインタビュー取材などにも大いに参考になりそう。コーチングの本にある質問とはまた違った、相手と打ち解け、本音を引き出すための質問力だ。機会があればまた再読したい。二度三度と読んでこの本に書かれているテクニックの半分も身につけると、コミュニケーションの質はずいぶんと違ってくると思う。

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2006.09.09

質問する力

4167679353質問する力
大前 研一
文藝春秋 2005-03-10

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 Amazonで「質問力」を検索したらこれがトップに出てきたため、ついでに購入した本。これはしかし具体的な「質問」というより、世の中のさまざまな事柄について「疑問を持つ」ことを説いた本だ。そしてその疑問を、理論的に解きほぐしていく。それが大前研一の言う「質問する力」なのだろう。

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2006.08.10

ザ・マインドマップ

4478760993ザ・マインドマップ
トニー・ブザン 神田 昌典
ダイヤモンド社 2005-11-03

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 マインドマップの創始者トニー・ブザンが書いた、マインドマップについての教科書。脳の仕組みから、マインドマップの考え方、作り方、応用法、実例、歴史上の「天才」たちが作ったノートとマインドマップの共通項目など、マインドマップについてのすべてが網羅されている本で、マインドマップについてはこの1冊ですべてがわかる。しかし何でもかんでもマインドマップで解決できるとする主張は、ほとんど宗教か政治的アジテーションに近いものがある。マインドマップを新しいメモ術やノート術だと考えていると、ここに書かれている応用例の多くはそれを逸脱している。1枚のマインドマップを仕上げるのに、何時間も、時には何日も集中した時間を作るなんてことが、普通の人にはそうそうできるとは思えない。そもそもそれだけ時間を作るなら、マインドマップ以外に他にもっといい方法がいくらでもあるんじゃないの?と思ってしまう。

 この本を読んで良かったのは、マインドマップはいきなりすべてを解決する万能の手段ではないということがわかったことかもしれない。著者はマインドマップを作る際、事前に「速射法」でアイデア出しをしたり、「ミニ・マインドマップ」で考えを整理することをしばしば奨励している。一度マインドマップを作ったあと、休憩を入れてから、再度同じテーマでマインドマップを作ったり、一度作ったマインドマップを修正したり項目を追加したりすることを奨励している。つまりマインドマップというものは、白い紙に向かってゼロから完成まで一直線に進むものではないのだ。おそらくこの本に紹介されているような美しいマインドマップは、何度か下書きをしたあと、改めて丁寧に作り直されたものだろう。

 もちろん何度も同じテーマでマインドマップを書いても、書いている途中で新しい発想が出てくることがあるだろうし、繰り返し同じテーマでマインドマップを書くことで記憶の定着がはかられる効果も得られるだろう。学習法として、あるいはノート作りの方法として、これはかなり効果の高いものであることは確かだ。しかし会議の議事録を作ったり、授業や講義のノートを取るのに、マインドマップは本当に効果があるのだろうか? あらかじめ取り上げるテーマや全体の流れがわかっていれば、マインドマップはそれなりに有効だと思う。しかし会議や講義というものは、必ずしも最初の予想通りに進むものではない。話があっちに飛び、こちらに飛び、脱線し、ループして……という紆余曲折をたどるとき、マインドマップはまったく役に立たないのではないだろうか。

 会議や講義の進行に合わせて作るノートは、やはりキーワードを箇条書きにした直線的なノートの方が向いていると思う。(インタビュー取材のメモなども同じだ。)しかしこれをあとからまとめる際には、マインドマップで全体を放射状に整理していくことも有効だと思う。要するに、使い分けの問題なのだ。

 学生がマインドマップを学習に使うなら、授業前に教科書の内容から簡単なマインドマップを作って予習しておくのは有効だと思う。こうすれば自分のわかりにくいところも整理されて、当日の授業でよく聞いておくべき点や質問項目などをリストアップできる。授業中には予習で作ったマインドマップを見ながら、基本的には箇条書きの線的ノートを作り、授業のあとで予習のマインドマップと授業で作った箇条書きのノートをもとにして、再度詳細なマインドマップを作れば完璧だろう。授業の予習と復習には、マインドマップがかなり使えると思う。あとは試験前に、マインドマップを見直せばいい。(重要事項はそれだけでミニ・マインドマップを作ってもいいかもしれない。)

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2006.07.17

スピリチュアルワーキング・ブック

4837962386スピリチュアルワーキング・ブック
江原 啓之
三笠書房 2004-04

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 テレビなどでもお馴染みのスピリチュアル・カウンセラー江原啓之が、働く女性向けに書いたスピリチュアリズムと仕事についての本。(著者が言う)スピリチュアリズムの8つの法則から始まり、職場での人間関係や仕事への取り組み方などについて、親切丁寧にアドバイスしている。内容的には世の中の常識的なことがほとんどで、スピリチュアリズムにからめて何かが語られている部分は全体の3割ほどではないだろうか。スピリチュアリズムの言葉で語られている部分も、それを一種の権威付け(根拠)として、常識的な仕事のマナーや取り組みについて語っているに過ぎないと思う。しかしこれはこれで、それを信じる人には役に立つに違いない。

 「職場での人間関係を大切にしろ」とか「相手に好かれようと思う前に、まず相手を好きになれ」とか、「仕事をやめたいと思う前に、その仕事の中で自分がどれだけ成長できるかをよく考えろ」とか、「趣味を仕事にするのは大変だ」とか、「本当の生きがいは誰かのために働くことだ」とか、そんなことはもうずっと前からいろんなところで語られていた。しかしこれを頭ごなしに語っても、それはただの道徳的なお説教になってしまう。この本の著者は、そこにスピリチュアリズムの用語を混ぜていくのだ。それはスピリチュアリズムの法則にもとづいたアドバイスであって、決してお説教でも、著者個人の価値観や人生観にもとづいた押し付けではないのですよ……という姿勢。それがこの著者の人気の秘密なのかな~、という気がする。

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2006.06.22

マインドマップ練習帳―即効!だれでも・やさしく学べる

4798012297マインドマップ練習帳―即効!だれでも・やさしく学べる
片岡 俊行
秀和システム 2006-02

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 トニー・ブザンの「ザ・マインドマップ」も購入したのだが、その前に入門編として呼んでみた本。実際に本の中に自分で線やキーワードを書き込むドリル形式だが、ドリルとしては作例が少ないので、あとは自分で白紙にメモを作るところから始めるしかない。まあ1日で簡単に読めるし、マインドマップがどういうものかを知るにはいい本だと思う。

 僕自身はマインドマップをパソコンで作ろうとしているのだけれど、発想法としては手書きでキーワードをあげていく方がいいのかな~とも思う。パソコンソフトだときれいに見せることにまず気持ちが向いてしまって、キーワードを次々にメモしていくという機動性が失われるのかも。あるいは人間というのはメモを書くわずかな時間の中でも、結構いろんなことを考えていて、それがパソコンだと消えてしまうのかもしれない。

ザ・マインドマップ
ザ・マインドマップトニー・ブザン 神田 昌典

ダイヤモンド社 2005-11-03
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記憶力・発想力が驚くほど高まるマインドマップ・ノート術 仕事のヒント 人生の旋律  死の直前、老賢人は何を教えたのか? 頭脳の果て 図解・マインドマップノート術

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2005.06.03

機長からアナウンス

4101160414機長からアナウンス
内田 幹樹


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 元国際線のパイロットで、ミステリー作家でもある内田幹樹のエッセイ集。単行本が出たのは2001年3月でまだ9.11テロの前だが、文庫化が2004年なのであとがきでそれについてフォローしてある。パイロットとスチュワーデスはそれほど親しくないどころかむしろ仲が悪い(?)とか、訓練用のフライトシミュレーターは大層よくできていて本物以上だとか、自動操縦で離陸はできないが着陸はできるとか、乗客からは余り見えない航空業界の現場がよく見えてくる。

 もっとも僕はあまり飛行機を利用しないので、読んでいてもあまりピンと来ないことも多い。国際線で数時間の長旅をするときに、暇つぶしに読むと面白いと思う。

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2005.04.27

世界が認めた和食の知恵―マクロビオティック物語

世界が認めた和食の知恵―マクロビオティック物語
持田 鋼一郎


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 玄米と菜食中心の健康法として知られるマクロビオティックの歴史を、石塚左玄・桜沢如一・九司道夫という人物の生き方を通して語った本。マクロビオティックという「思想」や「運動」ではなく、その思想と運動を推し進めた3人の日本人の生き方そのものがテーマになっている。正食や食養から現在のマクロビオティックへと発展していく思想についても簡単な説明があり、これ1冊で簡単なマクロビオティック入門にもなるだろう。

 僕はこの本の前に「久司道夫のマクロビオティック 入門編」という本を読んで、マクロビオティックは一種のオカルト思想だと考えた。ただし思想としてのオカルト性と、マクロビオティックが実際に健康や病気治療に効果を持つかはまた別の話だ。東洋医学は陰陽や経絡といった思想の上に成り立っているが、その思想自体は科学的に検証不可能なオカルト性を持っている。しかしその思想の正当性はともあれ、東洋医学が実際に役に立っているのは事実。おそらくマクロビオティックについても、同じことが言えるのだ。

 この本の著者はマクロビオティックが持つオカルト性を十分自覚しているようで、久司道夫が著書の中で論じているようなマクロビオティック万能論から一定の距離を取ろうとしてるように見える。逆にマクロビオティックが実際に病気治療に役立った事例の紹介について、多くのページがさかれている。効果を認めつつ、その思想に全面的に賛同するわけではないという著者の立場が、この本をバランスの取れたマクロビオティック紹介本にしていると思う。

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2005.01.12

ホンモノの思考力―口ぐせで鍛える論理の技術

ホンモノの思考力―口ぐせで鍛える論理の技術
樋口 裕一


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 「ホンモノの文章力」と同じ著者が、同じ新書から出している続編のような本。しかしこれは内容的にほとんどが「ホンモノの文章力」とダブっている。タイトルは「思考力」となっているが、要するにこれは「小論文向けの思考パターンをいかにして身に着けるか」という指南書であって、日常生活の役にはほとんど立たないだろう。「ホンモノの文章力」を読んだ人が、復習のために読むならそれもいいだろうが、少なくとも僕にとっては意味のない本だった。(1/12)

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2004.12.31

2004年のベスト3

夕凪の街 桜の国
こうの 史代


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 最近すっかりコミック作品を買わなくなってしまった僕が、発売を知って即座に購入したのがこの本。「夕凪の街」は雑誌で読んで衝撃を受けた作品なのだ。この本の発売は今年のコミック業界にとって、ひとつの事件だったのではないだろうか。地味な素材ながらインターネットを中心とした口コミで話題になり、あっという間に版元で品切れになったらしい。その後、文化庁メディア芸術祭マンガ部門で大賞受賞。それも納得できる。(→読了時の感想

華麗なる騙しのテクニック 世界No.1の詐欺師が教える
フランク・W・アバグネイル 高橋 則明


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 映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(DVD)のモデルとなった天才詐欺師であり、現在は詐欺犯罪防止のためのコンサルタントをしているフランク・アパグネイルが教えてくれる詐欺犯罪のノウハウ集。詐欺師のための手引書としても使えてしまいそうだが、もちろんこれは、詐欺の手口を知ることで詐欺犯罪から身を守りましょうという本だ。アパグネイル氏が詐欺師稼業から足を洗ってから今日に至るエピソードは、映画の後日譚としても興味深いものがあった。映画を観て面白いと感じた人は必読。ついでに詐欺からも身を守れるかもしれません。(→読了時の感想

グノーシス―古代キリスト教の“異端思想”
筒井 賢治


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 キリスト教や新約聖書の成立を考える際、避けて通れないのがグノーシス主義異端の存在。その発生と発展、各思想の特徴を、わかりやすく解説した本。今までグノーシス関連については何冊も本を読んできたけれど、この本が一番わかりやすかった。まあこれまでの読書体験で下地が出来ていたせいもあるだろうけれど……。(→読了時の感想

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2004.12.28

ホンモノの文章力―自分を売り込む技術

ホンモノの文章力―自分を売り込む技術
ホンモノの文章力―自分を売り込む技術
樋口 裕一

 「文は人なり」「ありのままに書け」「自分の言葉で書け」といった作文教育の基本を蹴散らし、「文は自己演出なり」と言い切る異色の文章読本。庁舎は小論文指導に定評があり、これまでに何冊もの小論文指導書を書いているが、今回の本はそれを学生向けから一般向けに改めたもの。もちろん学生の小論文にも参考になるだろうが、就職の自己PRや志望動機の書類、文集への寄稿、新聞の読者欄への投稿、インターネット日記、手紙、絵葉書、メールの書き方まで、「型」を使って書き方を指南するスタイルはかなりユニーク。

 文章を書くには「型」を覚えてしまうのがいいという著者の主張に違和感や反発を覚える人もいるだろうが、じつはプロの物書きほど「型」の効用を知っているのではなかろうか。問題はその「型」をどれだけたくさん持っているかなのだが、残念なことに学校では作文に役立つ「型」をひとつも教えてくれない。プロのもの書きはそれぞれが独学で自分たちの「型」を身に着ける。僕も映画瓦版や雑誌の記事を書くときは、いくつかの「型」の中からそのときもっとも相応しいと思われる「型」を使って記事を書く。「型」があるからこそ、原稿をある程度の速度で書くことができる。そういう意味で、まず「型」を覚えよという著者の主張には共感できるところが多い。

 手紙やはがきは紋切り型の表現でかまわないが、そこに一言だけ自分の肉声を加えるというテクニックは、かつて名コラムニストの山本夏彦氏も述べていたこと。紋切り型でも心遣いは通じる。紋切り型だからこそ、そこに加えられた肉声が際立つ。こうしたことも、やはり学校では教えてくれないものだ。

 物書き家業で食っている身としては素直に肯けない部分もあるのだが、それでも「型を身に着ければ文章力は確実にアップする」という著者の主張はその通りだと思う。また人間は書く前に何かしらの考えがあるわけではなく、書くことで考えが生み出されるのだという主張も、まさにその通りだと思った。僕などは映画瓦版の記事を書くことで、その映画の評価が明確になるということがかなりある。

 自分の文章スタイルが確立している人は特に読む必要もないだろうが、それでも読めば「なるほど」と思えるところが多いはず。ネットの普及で誰もが文章を書く機会が増えてきている。作文に苦しむ学生だけでなく、多少なりとも文章を書く機会を持つ人は一度目を通しても損のない本多と思う。(12/28)

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2004.12.24

すごい言葉―実践的名句323選

すごい言葉―実践的名句323選
すごい言葉―実践的名句323選
晴山陽一

 名言・金言・警句・箴言・アフォリズム・定義などを集めた本は数々あるが、この本で紹介されているのは他の類書ではほとんど見られないユニークなものが多い。著者曰く『「すごい言葉」には二種類ある。すなわち、誰もが知っている「すごい言葉」と、私しか知らない「すごい言葉」の二種類だ。(中略)私が自分の手で丁寧に掘り起こし、ほこりをぬぐって、ひとつひとつ陳列台に並べたのが、本書の「すごい言葉」たちである』(はじめに)。

 この本に集められている言葉のいいところは、全体にユーモアがあるところだ。最後にジョークもいくつか紹介されていて確かにそれも傑作なのだが、それ以外の言葉たちも、どれも笑いに満ちているのがいい。読んでいて思わずニンマリすること請け合いなのだ。本書の冒頭「人生について」は以下のような「すごい言葉」で始まる。

 「人生は不治の病である」
 「人生はセックスによって伝染する病気である」

 全編かくのごとし。読んでいてついクスクス笑ってしまうような言葉があちこちに隠されているので、電車の中などで読むときには注意が必要。すべての言葉に英語の原文、もしくは英訳文が付いているので、英語を勉強している人にも便利かも。英語に興味のない僕は、すべて読み飛ばしましたけどね。(12/24)

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2004.12.13

懐かしい日本の言葉ミニ辞典

懐かしい日本の言葉ミニ辞典―NPO直伝塾プロデュース・レッドブック
懐かしい日本の言葉ミニ辞典―NPO直伝塾プロデュース・レッドブック
藤岡 和賀夫

[:しょんぼり:] サブタイトルは「NPO直伝塾プロデュース・レッドブック」。レッドブックというのは絶滅の危機にある野生動物のリストのことで、この本は『「絶滅のおそれのある」日本の言葉を何かに留めよう』(「はじめに」)という主旨で編纂されている。僕はこの手の「半死語」のような言葉が好きで、同じような本をこれまでに何冊も購入して呼んでいるのだが、今回の本はあまりにもレベルが低いという印象を持った。

 各見出し語の横に☆印のマークがあり、☆ひとつが「懐かしい」、☆☆ふたつが「超懐かしい」ということらしいのだが、これがあまり当てにならない。「お天道様に申し訳ない」や「罰が当たりますよ」「人さらいにさらわれるぞ」が☆☆なのは納得できるのだが、「お足許の悪いところ」「そりゃ殺生な」「現を抜かす」「爪に火をともす」「別嬪」「いなせな男」なども同じ☆☆なのは奇妙に思える。同じように☆☆の「時分時」「金棒引」「近所の鼻つまみ」「恋患い」なんて、少なくとも僕は使ったことがある言葉だ。これを「超懐かしい」と言ってしまう人は、単に言語生活が貧しいだけ何じゃないだろうか……。

 そもそも「チョ~なつかし~」なんて言葉で、若者層におもねろうという気持ちが嫌らしく感じられてしまう。単に「懐かしい」「すごく懐かしい(とても懐かしい)」でいいではないか。

 言葉の説明が不足、曖昧、誤りである例も多い。例えば説明が不足している例としては上記の「人さらいにさらわれるぞ」。これはさらわれた子供がサーカスに売られるということまで書き加えておくべきだが、職業差別になりそうで遠慮したのか。「鰯の頭も信心から」の「頭」に「かしら」と丁寧にルビを振るのはいいが、辞書によってはこれを「あたま」と読ませるものもある。「お手数ですが」も同じ。「てかず」とルビがあるが、これは「てすう」と読んでも間違いではない。

 解説の間違いも多いのだがその一例。「赤貧洗うが如し」の「赤」を「何もないこと」と解説し、加えて「赤ん坊の赤、赤心(せきしん・まっ白な赤)の赤と同じ」と補足するに至っては、この文章を書いた人は自分の書いた文が理解できているのかすら疑われる。赤ん坊は「体が赤みがかっているからいう(広辞苑)」のであって、赤心は「いつわりのない心。まごころ(広辞苑)」という意味。「赤」という文字にはいろいろな意味があって、「赤貧」の「赤」は確かに「何もない」という意味なのだが、「赤ん坊」や「赤心」とは同じ「赤」でも意味が違うのだ。

 見出し語によっては「ふむふむ」「なるほど」「そうだったのか!」という面白い読み物になっているのだが、ダメなものは本当にダメ。こうした歩留まりの悪さが、この本の価値をずいぶん下げているように思う。続編も購入しているのだが、う~む、あまり期待できそうもないなぁ……。(12/13)

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2004.11.14

久司道夫のマクロビオティック 入門編

久司道夫のマクロビオティック 入門編
久司道夫のマクロビオティック 入門編
久司 道夫

[:見る:] 玄米食を中心とした和食献立で、体質改善を目指そうというマクロビオティックの入門書。レシピなどは載っていないが、マクロビオティックという考え方の背景にある理論や思想がよくわかる本になっている。これからマクロビオティックに取り組もうとする人は、ぜひこの本を読んでみるべきだと思う。