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2004.01.15

ブッシュの「神」と「神の国」アメリカ―宗教が動かす政治(栗林輝夫)


ブッシュの「神」と「神の国」アメリカ―宗教が動かす政治
少し前に「『ジョージ・ブッシュ』のアタマの中身-アメリカ『超保守派』の世界観」という本も読んだのだが、それよりも値段が高く、厚みは薄く、それでいて情報は充実して読み応えがあり、値段以上に刺激的な本だった。版元は日本キリスト教団出版局。ジョージ・ブッシュの独善的信仰の危険性を、欧米のキリスト教社会がどう受け止めているかという分析だ。

ジョージ・ブッシュの信仰は、一般的なアメリカ人のキリスト教信仰とどう違うのか、あるいは違わないのか。しばしば「神」という言葉を振りかざすアメリカ大統領の言動を、当のアメリカ国民やキリスト教圏の諸外国はどうとらえているのか。この本の中には、著者独自の見解というものがほとんどないようにも見える。テキストのほとんどが、欧米で発表された新聞や雑誌の記事と論文からの引用で占められているのだ。(もちろんそこでは、著者のフィルタリングが働いている。)ジョージ・ブッシュの言動に、キリスト教に縁遠い日本人は違和感を持つ。しかし同じキリスト教圏でも、熱心なキリスト教徒でも、ブッシュの言動にやはり違和感や危惧を抱いている人は多いということがわかる。だがその声は、アメリカ国内の愛国的な世論に押し流されてかき消されてしまう。

アメリカの宗教右翼と政界の関係や、アメリカ人のイスラエルに対する思いなど、ジョージ・ウォーカー・ブッシュという一個人を離れて、アメリカ人の精神風土を簡潔に説明している部分も見事なもの。イスラエル建国や国連決議に反したパレスチナ占領は聖書の預言の成就であり、そこで国際世論に反してでもイスラエルを支持することが、神の期待に応えることなんだそうな……。

「ユダヤ人がマスコミを支配しているからアメリカ社会はイスラエルになびく」といった眉唾物の言説に惑わされる必要はない。アメリカ人は新世界で神権国家を樹立しようとした人々の子孫であり、「神による統治(=聖書の規範に沿った国家)」を願う人々が今でも大勢いるのだ。ジョージ・ブッシュはそうした人々の支持を受けて大統領になったのであり、側近の中にはキリスト教原理主義者や福音派がひしめいているという。

ちなみにアメリカの対イラク戦争を支持したイギリスのトニー・ブレア首相も、福音派のクリスチャンだという。このふたりのお先棒を担いだ我が小泉首相は、彼らの宗教にもとづいた世界観や歴史観を十分に理解した上で、イラク戦争を支持したんだろうか……。たぶん小泉さんに、そんなことはテンデわかっちゃいないのだ。

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