2014年9月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
無料ブログはココログ

« 小林政広監督カンヌへ | トップページ | お呼びでない広告 »

2005.04.21

星野之宣の不思議

 先日六本木の青山ブックセンターで、星野之宣の自選短編集「Midway」を見つけた。漫画家生活25周年記念とのことだが、この本が出たのはもう5年前。今年は漫画家生活30周年だという。一時期作品発表のペースが落ちたこともあったが、最近はまたものすごい勢いで作品を描いているし、主要な作品はほとんど単行本や文庫になって現役流通しているのは、それだけファンが多いし、作品が読み継がれている証拠だと思う。

 僕自身の星野之宣体験は、おそらく「はるかなる朝」(手塚賞受賞作)を少年ジャンプで読んだのが最初だと思う。その後はジャンプ連載時代に「ブルーシティー」も少し読んだような気がするが、これらはすべて散髪屋の待合室で読むなど偶然の積み重ねであって、本格的に単行本を買い集め始めたのは、短編集「サーベルタイガー」が出たころだと思う。ヤングジャンプで断続的に掲載されていた「妖女伝説」あたりが、僕の星野熱の最盛期かな。この頃には主要な作品はほとんど読んでしまったはず。

 しかし「ヤマトの火」の連載中断でその熱が少し冷めて、その後同じアイデアを練り直した長編「ヤマタイカ」までは追いかけなかった。引っ越しなどもあって買い揃えた単行本も処分してしまい、その後はぽつりぽつりと雑誌連載などを立ち読みしている程度だ。古代史に材をとった「宗像教授」シリーズに至っては、諸星大二郎の「妖怪ハンター」シリーズの二番煎じのような気がして、まったく興味を持てない。(これはこれで、現在の星野之宣のライフワークではあるのだろうが。)

 単行本が次々に版を重ねていることから考えても、星野之宣人気というのは根強いのだと思う。しかしこれまで、どういうわけかその作品が映像化されることはあまりなかった。allcinema ONLINEで調べると、「宗像教授の伝奇考」が高橋秀樹主演で一度ドラマ化されている様子。「2001夜物語」も一度OVAとして映像化されたことがあるようだ。しかしそのあとが続かない。(「宗像教授」はシリーズ化されるとの話もあるが……。)

 先日テレビで放送された今敏監督のアニメ映画『千年女優』は、星野之宣の連作短編集「妖女伝説」中の「月夢」という短編に強く影響を受けている。このぐらいの作画レベルで大人向けのSFファンタジーとしてきちんとアニメ化すれば、ものすごくいいものができるような気がするんですけどね~。1話30分か40分ぐらいで、時間をかけて数本のシリーズを作り、最初は深夜テレビあたりで放送した後で3本ぐらいまとめて劇場公開したり、DVDにして発売すればきちんと売れるような気がする。アニメなら海外にも販路が開けるし、ハードSFでありながらラブストーリーもたくさんあるから女性向けのマーケットも期待できるよ。

 僕は「残像」を映像化してほしい。月で死んだひとりの女性が残した1枚の写真をめぐるミステリーから、最後に男と女のラブストーリーになる話。これはいつ読んでも泣ける。子どもの頃からしばしばUFOを目撃する女性が、宇宙飛行士の青年と恋に落ちる「遠い呼び声」もいい。(これはどちらも「Midway」に入っているぞ。)「2001夜物語」は英語版も発売されているので、海外から出資をあおいでたっぷり予算をとることも可能かも。

 これまであまり作品が映像化されていないことを考えると、作品の完成度が高すぎてしり込みしてしまうのだろうか。それとも、今はSFが商売にならないと判断されているのかな。もっとも作者の星野之宣本人が、自作の映像化にあまりそれに乗り気でない可能性もあるけどね。

Midway―星野之宣自選短編集 (歴史編)
星野 之宣


Amazonで詳しく見る
by G-Tools

10:13 午後 | 固定リンク

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/4474/3792695

この記事へのトラックバック一覧です: 星野之宣の不思議:

» はるかなる朝/星野之宣 [オヤジマンガ図鑑 から]
「星野之宣」さんの初期の短編集「はるかなる朝」です。1975年-1976年に「 続きを読む

受信 2006/01/06 20:18:43

コメント

コメントを書く