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2005.05.29

今さらの負け犬論

 30代未婚子なしの女性は「負け犬」だという。どんなに仕事で高収入を得て悠々自適な生活をしようとも、その条件に合致していれば「負け犬」。逆に亭主の稼ぎに依存しながら子育てに汲々としていても、夫と子供のいる専業主婦は「勝ち犬」だ。この「勝ち犬/負け犬」という用法は、同じ頃に使われるようになった「勝ち組/負け組」という言葉と混同されて、今でもいささか混乱しているように思う。

 「勝ち犬/負け犬」という分類と「勝ち組/負け組」という分類は、グラフのX軸とY軸のようなものだ。評価軸としては、それぞれ別のものが基準になっている。「勝ち犬/負け犬」を決めるのは、年齢・結婚・子供の有無の3要素で、「勝ち組/負け組」を決めるのは経済活動に関わる事柄だ。

 これは「丸い/四角い」と「赤い/青い」の分類みたいなもの。観察対象がこれら2系統の属性のどちらかを必ず満たしているとするならば、それは「丸くて赤い」「丸くて青い」「四角くて赤い」「四角くて青い」の4つに分類されることになる。

 「勝ち犬/負け犬」と「勝ち組/負け組」の分類はどちらも「勝ち」や「負け」という言葉が含まれているので紛らわしいのだが、基本的にはこれと同じこと。勝ち犬が必ずしも勝ち組ではないし、負け犬が負け組とは限らない。世の中には「勝ち犬で負け組」という人もいれば、「負け犬で勝ち組」といる。当然「負け犬で負け組」という人も多いだろう。

 しかしそもそも「勝ち犬/負け犬」とは、何にとって勝ちであり負けなのか。それは言葉の中にある通り、「犬」としての勝ち負けだ。これは「メス」としての勝ち負けと言い換えてもいい。人間も哺乳動物なので、交尾繁殖などの生殖活動に適した年齢というものがある。子供を産まないまま繁殖期を過ぎてしまったメスは、哺乳動物の一個体として「負け」とみなされても仕方がない。

 ただし人間は動物ではないから、繁殖行動の有無だけで「勝ち負け」を決めること自体がナンセンスなんだけどね。世の中には結婚や子供の有無、経済的な成功以外の価値観がたくさんあるわけで、これら錯綜する価値観のどこに自分をポジショニングできるかでその人の「幸福」が決まるのだと思う。

 勝ち負けは他者との比較によって相対化される価値観で、時には排他性を持つこともある。ふたりの人間が同じ条件で勝ち負けを競えば、そこでは必ず勝者と敗者が生まれるのだ。しかし「幸福」はそうではない。ふたりの人間がそれぞれ「幸福」になることはあり得るだろう。勝ち犬も負け犬も、勝ち組も負け組も、同じように「幸福」を味わうことはできる。

 僕は現在幸福である。しかし「勝ち組」にほど遠いことは言うまでもない。(昨年の年収の話は日記にも書いたっけ。トホホ……)

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酒井順子さん、タイトル間違ってますよ。 負け犬の遠吠え 酒井順子 正しいタイトルは、「負け犬のつぶやき」でしょ? 続きを読む

受信 2005/06/07 15:01:45

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