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2005.06.17

ホームビデオの時代

 『戦国自衛隊1549』を観た。映画自体は面白くなかったが、回想シーンの表現には「う~む」と考え込まされた。この映画では主人公の江口洋介が過去を回想する場面で、ビデオ映像を使っている。これに時代の変化を強く感じさせられたのだ。

 回想シーンを一目ですぐそれとわかるように演出する記号としては、現在をカラーにして過去をモノクロにするというものがある。今でもこの手法は頻繁に使われているはずだ。あるいは過去を8ミリで撮影したような粗い映像にすることもある。色調をセピア調にしたり、少し退色させたり、サイレント映画風に演出する手法もある。

 これらはすべて過去を表現するのに「昔の映像技法」を利用することで、他のシーンとの差別化を狙っている。映画やテレビがモノクロからカラーに移行したとき、モノクロ映像はそれだけで「過去」の記号となった。8ミリカメラの映像も、今ではなく明らかに「過去」の記号となる。しかし現代の若い観客にとって、モノクロや8ミリではなく、色のにじんだビデオ映像こそが「過去」の記号になり得るというのが、『戦国自衛隊1549』を作った手塚昌明監督の発想なのだ。

 家庭用ビデオカメラは1985年に登場した8ミリビデオで一気に一般に浸透し、それ以前の8ミリフィルムを駆逐してしまった。その後も自主映画の世界では編集の容易さから8ミリが使われていたようだが、1996年にDVが登場して、今では自主製作映画などの世界でもDVが当たり前に使われている。今どきの小中学生は、自分が生まれた直後から現代までの姿を、写真ではなくビデオで見て育っている。今や「過去」を記録したメディアの主流は、モノクロでも8ミリフィルムでもなくビデオなのだ。

 『戦国自衛隊1549』の回想シーン演出は、物心ついたときからホームビデオが身近にあった観客にとって、ごく自然に「過去の映像」として受け入れられるはずだ。逆にモノクロや8ミリ映画風の映像は、今や「過去」の記号として機能しにくくなっている可能性もある。

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