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2007.10.10

試写を4本

象の背中 オリジナル・サウンドトラック 午前中は松竹で『象の背中』を観る。これは黒澤明の『生きる』を、今風にアレンジした映画だ。『生きる』の主人公はやっていることが立派すぎるし、『象の背中』の主人公はやってることが身勝手すぎる。しかし死にゆく者の理想像としては、そうした極端のどちらかしかあり得ない。中間は惨めなだけだが、ほとんどの人はその中間で人生を終えるのだろう。午後はソニーで『ノートに眠った願いごと』を観たが、印象はいまひとつかな。恋人の残したノートに沿って旅をするというのは、キャメロン・クロウの『エリザベスタウン』から借りてきたアイデアかも。

 松竹にとんぼ返りして『北京の恋/四郎探母』を観た。タイトルの趣向は『さらば、わが愛/覇王別姫』に倣ったものだが、内容はまるで似てもにつかない二流品。音楽の使い方など、子供向けのアニメ並のセンスだ。

 最後は同じ松竹で『ミッドナイトイーグル』の試写。松竹がかなり力を入れて作った大作だが、日本のポリティカルサスペンスって、政治家の姿にまるで説得力がないのはなぜなんだろう。藤竜也が総理大臣だなんて、こんな馬鹿げたキャスティングを考えたのは誰だ? 政府の緊急会議に参加している政治家や自衛官たちに、まったく重みが感じられない。こういうシーンには、重量級の役者をずらりと揃えないとな。台詞がない役にもそれなりの役者を座らせておくと、それだけでシーンの重みが違ってくるのだ。例えば黒澤明の『天国と地獄』を観よ。捜査本部のシーンで、台詞なんてほとんどないのに志村喬や藤田進がどっかりと座っている。あれですよ、あれ!

11:16 午後 | 固定リンク

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