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2008.03.03

つぐない

Atonement [Music from the Motion Picture] 今年観た映画の中ではナンバーワン。といっても僕は最近あまり映画を観ていないので、この言葉にあまり価値はないんだけどね。でも映画を観ている最中や観た後に、ぞわぞわと鳥肌が立つような感覚を久しぶりに味わった。これは強烈な美しさと、強烈な残酷さを併せ持つラブストーリー。きらきら輝く映像の透明感と、そこにあぶり出されていく人間の心の弱さ、醜さ、酷薄さの対比。田園地帯の美しう風景と、戦場の血なまぐさい光景の対比。タイプライターなどの現実音を巧みに引用した音楽が効果的。圧巻は主人公ロビーが海辺に集まる大勢の敗残兵たちの間をさまようシーンの長回し。これはヒエロニムス・ボッシュの「快楽の園」を思わせる現代の地獄絵図だ。ここでは映像と音楽が渾然一体となって、スクリーンの中に超現実的な風景を出現させている。

公式サイト

 映画を締めくくるヴァネッサ・レッドグレイヴの存在感にもうならされる。このシーンに説得力がないと映画全体がまとまりを欠くわけだが、そこはベテラン女優の貫禄だ。映画を観た人はここで「そうか! そうだったのか!!」と驚かされるはず。驚くと同時に、映画の中で特に印象に残ったシーンの数々が、それまでとはまったく別の意味を持って立ち現れてくる。

 映画はしょせん作り話に過ぎないけれど、この映画の語りはずいぶんと手が込んでいて、その手の込みように僕は感動してしまう。原作はイアン・マキューアンの「贖罪」。原作は未読だけれど、映画はじつに映画らしい映画になっている。

4102157239贖罪 上巻 (1) (新潮文庫 マ 28-3)
イアン・マキューアン 小山 太一
新潮社 2008-02

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10:25 午前 | 固定リンク

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格式高いアカデミー会員が好きそうな英国産の悲恋物語がAtonement(つぐない)。 シーンの導入部分にタイプライターの音がオーバーラップする懐かしい構成と光を上手く使った映像が印象に残る秀作です。イギリス郊外のディナージャケットとシルクと煙草が残るお屋敷で、Keira Knightley(キーラ・ナイトレイ)演ずる娘とJames McAvoy(ジェームス・マカヴォイ)が快演の使用人がお互いの想いを実らせます。 しかし、Saoirse Ronan(シアーシャ・ローナン)が卓越した表現力で演じる幼い妹... 続きを読む

受信 2008/03/05 22:20:58

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