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2008.04.24

万引き天国

 東京のあちこちで古くからの書店がつぶれてますが、原因のひとつには万引きもあるんじゃないかなぁ……と思ったりする。読売新聞の記事によると、紀伊国屋書店や三省堂書店、有隣堂など大手書店14社の万引きによる年間被害額が約40億円(日本出版インフラセンター調べ)。日本全国で40億円じゃないよ。たった14社を調べただけで40億だよ。万引き被害は中小書店の方が深刻なような気もするので、それらを合わせるといったい日本でどれだけの万引き被害が出ていることやら。同じ記事によれば『全国の書店約1万5000店舗で、同じ割合で万引きがあったと仮定すると、被害額は約190億円に上ると推計される』んだとさ。

 最近は万引き犯を捕まえると刃物を振り回したりする例もあって、店によってはアルバイト店員に「万引きは見つけても追いかけるな」と指導しているそうだ。その場で刃物を振り回さないまでも、逆恨みして家に火でも付けられたらたまらないからね。あるいは投石で店のガラスを割られるとか、クルマにイタズラされるとか。本を万引きされるのは本屋には痛手だけど、だからといってそれが命を賭けてまで守るに値するものなのかどうかは疑問だ。

 先日知り合いが客として入った店(書店ではない)で万引きを見つけて捕らえ、警察に通報したときの話。近くの警察署から警官が飛んできて犯人を引き取ったのだが、その際、知り合いも調書作成のため警察に出向くことになった。その道すがら警官が「これから話すことは独り言です」と断った上で、「あなたは正義の味方になったようで気持ちいいかもしれないが、もしあなたに家族がいるなら、今後は万引きを見つけても捕まえない方がいい」と言ったそうだ。逆恨みして、本人や家族に危害を加えるヤツがそれだけ多いということでしょうね。防犯と犯人検挙のために活動しているはずの警察官が、万引きという窃盗事件を起こした犯人を捕まえた一般人に向かって、「危険だから犯人を捕まえるな」と非公式に指導している現実……。

 こうした警察の指導が功を奏したのか、現在ほとんどの小売業では万引き犯を捕まえない。店の中であまり大っぴらにやられると見て見ぬふりもできないけれど、店から一歩出てしまえばそれを追いかけることはない。捕まえても警察には通報しない。警察に突き出して逆恨みされるより、万引き犯が再び店にやってこなければ店としてはそれで十分なのだろう。

 こうした実態を知ってしまうと、万引きで捕まるのがいかにヘマなのかという話になる。店側は万引きを基本的に黙認しているのに、それでも捕まるのはよほど間抜けとしか言いようがない。ましてや警察に突き出されるなど言語道断で、そんなことをする店は世間の常識を知らない大馬鹿者ということになる。もちろんこれは狂っている。話がまったくのあべこべだ。しかし現実としては警察自身が、「万引きは見逃せ」「万引きは通報するな」と言っているわけでして……。

 結論から言うなら、日本では書店という商売はますますやりにくくなるに違いない。時計や宝石のような小さくて高価な商品なら、店頭での万引を防止するために商品を鍵付きのケースに入れるなり、制服の警備員を売り場に配置するなりしても割が合う。でも書籍なんてものは、とてもそんなことをして割が合うような商品ではないのです。

 出版業界でも万引きは大きな脅威と考えられていて、万引き防止のためのICチップ導入などが検討されてはいるみたいだけどね。年間190億円もの損害が出ているなら、早急に導入を考えた方がいいんじゃないだろうか。

■関連記事
「書店での万引き防止にぜひICタグ張り付けを」、大手書店など15社が表明
ICタグで「万引き防止」(上)
ICタグで「万引き防止」(下)

08:49 午後 | 固定リンク

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