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2010.10.28

映画|ハッピー・ポエット

Tiff_2010 経験もノウハウもないまま、突然「有機無農薬野菜」のサンドイッチ屋台をはじめた青年ビル。意外な協力者が現れたりして思いのほか順調に売上を伸ばしていく屋台だったが、出費もかさんで経営は赤字。もともと乏しい資金ではじめた商売はすぐに行き詰まってしまう。オーガニックフードは原価率が高く、売っても売っても大した儲けにならないのだ。商売を続けるために、原価率を下げたホットドッグスタンド(添加物たっぷり!)に商売替えすべきなのか? それともいっそのこと、潔くこの商売自体から手を引くべきなのか? 友情と恋と仕事と資金繰りに頭を痛めながら、ビルはどこに向かうのか? 主人公が預金通帳の残高を見ながらため息をつくあたりは、僕も似たような状況なので身につまされすぎて落ち込んでしまう。しかし映画の最後はハッピーエンド。いや、これはこれで、新しい物語のはじまりなのかもしれない。

(原題:The Happy Poet)

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映画|エッセンシャル・キリング

Tiff_2010 『アンナと過ごした4日間』のイエジー・スモリモフスキ監督が撮った、異色のサスペンス・スリラー映画。アフガンで米軍に捕らえられたゲリラ兵が、移送地で事故を起こした車両から脱走する。だがそこは一面雪景色の森林地帯。ゲリラ兵は逃げる。逃げて、逃げて、逃げていく。だがどこへ? どこまで逃げようと、その道がアフガンまで続いていることはあり得ない。いずれやってくる「行き止まり」に向けて、男は逃げ続けていく。「結論を先延ばしにする」ことがサスペンスだとすれば、これはまさに絶望的なサスペンスだ。どう考えても、この男が生きて故郷に戻ることはないのだから……。主演のヴィンセント・ギャロは劇中ほとんど一言も台詞を発しないまま逃げる男を熱演し、ヴェネチア国際映画祭で主演男優賞獲得。僕は何の予備知識もなしに映画を観始めたので、彼がギャロだとエンドロールまで気づかなかった。

(原題:Essential Killing)

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映画|ゲスト

Tiff_2010 『シルビアのいる街で』のホセ・ルイス・ゲリン監督が、同作を持って世界各地の映画祭を訪問した合間に撮影した素材を編集したスケッチ風のドキュメンタリー映画。全編モノクロ、2時間13分。街の人々をサラリと撮ったものがあるかと思えば、何日かにわたって取材しながら短い映画のようなものに仕上がっている部分もある。映画の中では幾度か「ドキュメンタリーとフィクションの違い」という話が出てくるのだが、この映画自体がドキュメンタリーとフィクションの境界線をさまよっている。この映画はどこまでが、出会い頭に撮られた街角の風景なのか。この映画はどこから、準備され演出されたものなのか。それは映画を観ていてもまったくわからない。わからないのだが、ドキュメンタリー映画にとってそれはあまり本質的な違いではないということなのだろう。「映画」は「報道」ではない。現実を素材とするドキュメンタリー映画も、ジャーナリズムのような公正さや客観性など求められていない。この映画には世界各地を旅する「旅人=監督自身」の姿が、見事に反映されているように思える。

(原題:Guest)

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2010.10.19

映画|赦し その遙かなる道

Yueuahipnf 短期間のうちに21人(一説には30人以上とも言われる)もの人々を手にかけた連続殺人犯ユ・ヨンチョルに、妻と母と息子を殺されたコ・ジョンウォンさん。しかし彼はその犯人を赦し、犯人に対する死刑執行に反対する運動をしている。この映画はひとりの犯罪被害者を主人公に、「赦す」ことの意義と、その困難さを浮き彫りにしてゆくドキュメンタリーだ。映画自体は死刑制度に反対する立場から作られているようだが、コ・ジョンウォンさんやその周囲の人々の血のほとばしるような苦しみをまざまざと見せつけられると、死刑に対して容易に「賛成だ」とか「反対だ」と言うことがはばかられるようになるのではないだろうか。「家族を殺された被害者遺族が犯人を赦して死刑に反対している」と言うのは、お話しとしては美談かもしれない。しかしその美談の主人公は、人格高潔な聖人君子でも何でもない普通の人なのだ。映画の中で切々と真情を吐露するコ・ジョンウォンさんの姿を見てもなお、すべての犯罪被害者に「犯人を赦せ」と言えるだろうか? 少なくとも僕は言えない。

 なおこの映画は現著作者たちの意思により、自由な複製や配布が推奨されている。(ただし著作権は保持されているので、内容の改編・改竄などは認められない。)公式サイトで申し込めば配布価格1,000円と送料240円で入手可能。以下は、公式サイトにある但し書き。

このビデオは、なるべく多くの方に観ていただくために制作されました。
そのため、本日本語版DVDは、家庭内での個人の視聴のみでなく、その複製コピーと第三者への頒布、公の場での上映、貸与については、有償・無償にかかわらず、自由にご利用いただくことができます。
また私たちは、それを奨励します。
ご利用にあたっては、原著作権者や本日本語版制作者の了解を別途に得る必要はありません。また、このような利用権の解放は、原著作権者である韓国SBSの承諾によるものです。

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2010.10.18

映画コラム瓦版の発行部数

 リニューアル第7号を今朝発行。コラムは映画『二世部隊』(1951)について。発行部数は1,675部でした。
http://www.melma.com/backnumber_15203_4985599/

2010.10.15

不要になったネットブックはないですか?

 どなたか不要になったネットブックを、安く(理想としては無料で)譲ってくださる方はいませんか? 僕は普段Macを使っているのですが、聖書検索ソフトの「Jnet-ばいぶる」を使うために再度小さなWindowsマシンが必要になったのです。OSはWindows XP以上。Jnet-ばいぶるとWebブラウザとTwitterのクライアントぐらいが動けばいいので、そんなに高性能なものは必要ありません。完動品で、電源ケーブルなどの付属品が全部揃っていればOK。モバイルするつもりもないので、バッテリーがへたっていても構いません。譲ってもいいよという方は、メールでご連絡ください。

メールアドレス:eigakawaraban@gmail.com

2010.10.14

映画|キック・アス

Kickass 何の取り柄もない平凡で目立たない高校生デイヴは、アメコミヒーローに憧れてそれらしいコスチュームをネット通販で購入。はじめは部屋の姿見でポーズを取っているだけで満足していたが、ヒーローになりたいという思いは抑えがたく、ついにその服装のまま待ちに出て行く。あるときたまたまチンピラ同士の喧嘩に割って入り、殺されかけていた男を助けたデイヴは、その様子を撮影した動画がWEBに公開されたことから本物の覆面ヒーロー「キック・アス」になってしまう。そんな彼に接触してきたのは、ビッグ・ダディとヒット・ガールという覆面の二人組。彼らは本格的な装備で街の犯罪王に戦いを挑もうとしていた。こうしてキック・アスことデイヴは、普通の高校生から血みどろの戦いの場へと狩り出されてしまう……。事前にまったく予備知識がないまま映画を観始めたので、最初はアメコミヒーローものをパロったコメディ映画なのかと思っていた。ところがこれが、とんでもない映画だったのだ。殺された妻の復讐に燃えるビッグ・ダディことニコラス・ケイジと、幼い頃から殺人訓練を積んできたヒット・ガールことミンディの父娘こそが、この映画の本来の主人公だ。彼らの存在は悪への復讐に燃える正義のヒーローが、実際には反社会的なモンスターでしかないことをあからさまにしてしまう。鏡の前で普通の男がヒーローに変身してゆくシーンは、「バットマン」や「アイアンマン」なら血湧き肉躍る勇壮なシーン。でもこの映画のそれは、もっと沈痛なものだ。このヒーローに似ているのは、『タクシードライバー』のトラヴィスだろうか。

(原題:Kick-Ass)

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2010.10.07

映画|ライトノベルの楽しい書き方

Raitonoberu 高校生ラノベ作家を主人公にした本田透の同名ライトノベルを実写映画化。『10日間で男を上手にフル方法』などと同じ、ハウツー本風のタイトルを付けたラブコメディだ。海洋生物オタクの高校生・与八雲(あたえやくも)は、出版社で編集者をしている従姉妹の心夏(ここな)に命じられるまま、原稿が遅れている人気ラノベ作家・姫宮美桜の原稿を取りに行かされる。だがそこにいたのは、格闘技の達人として不良学生たちすら一目も二目も置かれるクラスでも一番の美少女・流鏑馬剣(やぶさめつるぎ)だった。彼女は次回作として学園恋愛ものを企画したのだが、自分自身に恋愛体験が皆無であることから執筆に行き詰まっていたのだ。心夏は剣と八雲に、1ヶ月間だけ「恋愛の疑似体験」として付き合ってみることを命令。心夏の与えたマニュアルに従って、剣と八雲は即席カップルとしてぎこちない交際を始めるのだが……という話。まあ内容も演出も演技もチープで安っぽいのだが、僕はこの映画が結構好きだ。安い素材、安い話、安い演出が、三位一体となって醸し出す駄菓子的な味わいが見事だ。どこも欲張っていないのがいい。無理して背伸びしていないのがいい。駄菓子に高級素材はいらないし、駄菓子に本格的な味わいは不要だ。駄菓子の魅力はその安っぽさの中にこそある。しかし「安さ」も駄菓子の魅力なんだよな。この映画が入場料500円で観られるならお薦めだけど、この映画もハリウッドの大作映画も、観客からすれば費やすお金と時間に差があるわけじゃないからね。

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東京駅消滅!

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 Twitterにも同じタイトルで写真を投稿したんだけど、iPhoneで撮った逆光気味の写真は黒くつぶれて何が何だかよくわからない。そんなわけで、デジカメで撮った写真を改めて紹介。これも逆光気味だったけど、iPhotoで少し手直ししました。ご覧の通り、現在東京駅丸の内側の赤煉瓦駅舎は大規模な改築工事の真っ最中。全体が工事用のシートで包まれて、まるでクリスト&ジャンヌ=クロードの作品みたいな姿になってます。今回の改築工事では戦争で焼け落ちた駅舎最上階部分と、駅舎左右にあったドーム型の屋根を復元するのが目玉。写真でどのていどわかるかは不明ですが、工事用シートの影ではドームがあらかた完成しているようにも見えます。ただしドームとドームの間に連なる屋根の部分はまだ低いままなので、全体としてはちょっとバランスが悪い。ドームの部分だけがにょっきりと上に突き出したような形になってます。

 東京駅の復元工事については、鹿島のホームページに完成図が載ってました。完成すると、東京スカイツリーに並ぶ新しい東京のランドマークになりそうです。(http://www.kajima.co.jp/tech/tokyo_station/index-j.html

 隣接する東京中央郵便局も現在工事の真っ最中。ここは旧建物の外観を残したまま、上に高層ビルが作られます。八重洲口の駅ビルもなくなったし(これも工事が間もなく完了するはず)、東京駅周辺の風景は数年で激変しそうです。

2010.10.06

映画|ヤコブへの手紙

Yakobu 終身刑で服役していた女性レイラは12年ぶりに恩赦で出所し、盲目の老牧師ヤコブの助手として手紙を読み、手紙に返事を出すという仕事を始める。だがレイラはこの仕事が嫌でたまらない。牧師も嫌だ。そもそも刑務所を出るなんて、自分から望んだことはなかった。毎日のように届く手紙を楽しみにしている牧師だが、レイラは仕事が面倒で手紙を捨ててしまう始末。ところがある日を境に、牧師のもとにはぱったりと手紙が届かなくなってしまう。「私は必要とされていると思っていたが、それは間違いだったのかもしれない」とひどく落ち込む牧師。すっかりしょげかえった彼は、まるで病人のような姿になってしまうのだが……。登場人物は、レイラ、牧師、そして郵便配達の男ぐらいで、あとは台詞のある役、台詞のない役、声だけの出演なども含めて、全部で10人に満たないと思う。おそらくはごく低予算の小さな映画だと思うのだが、登場する風景が素晴らしい。上映時間1時間15分。話はごくシンプルだし、これは短編のアイデアを中編から長編に発展させたような映画だと思う。増えているのは「風景」だ。牧師館の質素な暮らしぶり。信徒のいなくなった古い石造りの教会。それが湖に面していて、風が吹くたび周囲の草がさわさわとなびく。

(原題:Postia pappi Jaakobille)

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2010.10.04

映画|十三人の刺客

13nin 1963年に東映で工藤栄一監督が撮った同名映画を、三池隆監督がリメイクした時代劇アクション映画。脚本は池上金男(池宮彰一郎)のオリジナル脚本をベースに天願大介が脚色しているのだが、問題はそのアレンジ具合だ。「上手い!」と思わず膝を叩くような好アレンジも多い。暗殺のターゲットと成る暴虐非道の明石藩主は、キャラクターが深く掘り下げられていて見応えがあった。この殿様はわがままで乱暴なのではない。形骸化した武士道と肥大化した官僚制度の中で、自分自身の生きる実感を味わえない。彼は生きること自体に飽きているのだ。「徳川の世も終わりだな。この俺が老中だぞ」とつぶやくシーンの薄ら寒さ。彼は矛盾に満ちた封建の世の中が、侍の支配する世が終わることを、その怜悧な頭脳で見通しているのだ。この人物像には、現代的なリアリティがある。尾張領に入れず迂回した行列一行が姿を消し、再び出現したときに大人数に増えているというのも新しい工夫。オリジナル版は13人対50数名の決戦だったが、それを再現しただけではオリジナルを知る観客は驚かない。だから人数を増やす。主人公たちが戦う相手の数は4〜5倍に増えている。しかしそれによって、ラストの乱闘シーンが4〜5倍に迫力を増しているかというと、必ずしもそうはなっていないのだが……。

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2010.10.03

映画ノートの現在

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 映画を観るたびにノートに記録を付けている人は多いと思う。僕もノートを付けている。ノートは付けないよりは付けた方がいいと思う。それは間違いない。しかしそのやり方は僕の中でもどんどん変化しているので、「自分はこの方法だ」と他人にお勧めできるようなものはない。各人自分なりに、やりやすい方法でノートを作ればいいと思う。

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メルマガ「聖書&キリスト教ナビ」新創刊

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 映画瓦版の新メルマガ「週刊・映画コラム瓦版」についての案内は先日このブログでも行いましたが(参照)、その発行作業に馴れてもいないうちに、新メルマガ「ふつうの日本人のための《聖書&キリスト教》ナビゲーター」(聖書&キリスト教ナビ)を本日10月3日に創刊しました。

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