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2010.11.29

映画|再生の朝に ある裁判官の選択

Saiseiasa 自動車2台を盗んで死刑判決を受けた青年。彼にその判決を下したのは、盗難車による事故で娘を亡くしたばかりの裁判長だった。本人にしてみれば、判決は法の定めに従ったまでのこと。だが間もなく行われる法改正で死刑の基準が厳しくなり、新法のもとでは青年に死刑判決は下されなかったであろうことを考えると、裁判長の心はかき乱される。腎臓病で苦しむ資産家の社長が、青年に強く腎臓移植を迫っていることも気がかりだ。中国でも臓器売買は法律で禁止されているのだが、社長はあの手この手を使って青年の腎臓を手に入れようとしているらしい……。淡々としたタッチで描かれる人間ドラマ。裁判官夫婦の心が癒されていく様子を、繰り返される食卓の風景を通じて描き出すあたりは上手い。

(原題:透析 Judge)

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映画|毎日かあさん

Maikaa 西原理恵子の同名エッセイコミックを実写映画化。売れっ子漫画化のヒロインと、アル中で飲めば暴れる(そして常に飲んでいる)元戦場カメラマンの男が主人公。ふたりは夫のアル中が原因で離婚するが、夫は精神病院でアル中治療に成功して家に戻ってくる。だがその時、彼の身体は既にガンに蝕まれていた……という物語。離婚した夫婦である小泉今日子と永瀬正敏が、離婚した夫婦である西原理恵子と鴨志田穣を演じているのが見どころ。同じ話を鴨志田穣の視点から描いたのが『酔いがさめたら、うちに帰ろう。』なのだが、そちらでは鴨志田穣を浅野忠信、西原理恵子を永作博美が演じている。僕は『酔いが覚めたら〜』を観ていないのだが、2本の映画を観比べてみるのも面白そうだ。『酔いが覚めたら〜』は監督も東陽一だし、きっと面白いに違いない! そうだ、そちらを観よう! ぜひとも観なければ! と思わせるのが『毎日かあさん』であった……。要するにちょっと残念な映画なのだ。出演者の顔ぶれは豪華なんだけどなぁ。

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2010.11.26

映画|その街のこども 劇場版

Sonomachi 今年の1月17日、阪神淡路大震災から15年たったことを記念に放送されたNHKドラマ「その街のこども」の劇場版。僕はこのドラマの存在すら知らなかったのだが、放送直後から反響が大きく再放送も何度か行われたという。物語は2010年1月16日(放送日の前日)に神戸で出会った男女が、震災にまつわる思いを語りながら夜の神戸を歩くというシンプルな構成。出演は森山未來と佐藤江梨子。ふたりとも神戸出身で、実際に神戸で震災を体験している。役柄の年齢もこのふたりの年齢に実際に合わせて書かれているなど、現実と虚構がかなりの密度で重ね合わされていることから生まれるリアリティ。物語のラストシーンに出てくる東遊園地の追悼式は、なんと放送するその日の早朝に撮影したのだという。作り物ではないネイティブな関西弁の会話。人工的な照明をほとんど使わず、台詞も同録にして、夜の街の風景を実景として切り取っていくドキュメンタリー風の撮影スタイル。ドラマ作品(テレビドラマという意味ではない)としてのクオリティがとても高く、こんなものをテレビで作られてしまったら映画は形無し。1月15日公開。

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映画|ケータイ刑事 THE MOVIE 3 モーニング娘。救出大作戦! 〜パンドラの箱の秘密

Ketaideka3 テレビ版も過去の映画版も観てませんが、とりあえず観てきた。たぶんテレビ版などのファンにはお馴染みのルーティンギャグなどがあるんだろうけど、それはなんとなく雰囲気でわかる。個人的には「噂の刑事トミーとマツ」のコンビが劇中で再現されていたのに笑ったが、まあそれはそれで脇の話。モーニング娘。がゲスト出演している映画なのだが、この使い方はちょっと中途半端。どのみちゲストだから芝居に大きく絡ませるのは無理なのだが、それでももう少しきちんとした「見せ場」を作ってほしかった。それは印象的な台詞でもいいし、ライブ映像をもっとしっかり撮ってかっこよくすることでもいいし、メンバー全員をチャーミングに撮ってあげることでもいい。この映画だと、出てくるのはモーニング娘。でなくてもいいんだよな。モーニング娘。のファンはこの映画を観て喜ぶのかな……。せっかくタイトルに「モーニング娘。」と入れるからには、そういうこともちゃんと考えて上げてほしい。

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2010.11.25

映画|ソーシャル・ネットワーク

Socialnetwork 世界最大のSNSフェイスブック創設の舞台裏を、創設者マーク・ザッカーバーグが巻き込まれた訴訟沙汰を軸に描いていく実録ドラマ。登場人物の多くは実在の人物が実名のまま登場するわけで、しかも人間的な欲望むきだしの、ひと言で言えば「嫌な奴」として描かれている。よくもまあこんなものが作れたものだと感心するが、それがハリウッド映画の凄さだろう。日本じゃとてもできない。ハリウッドはインチキ伝記映画やインチキ実録映画の歴史が長いので、観客の側もそれに馴れているという面があるのだろうけれど。日本でこうした映画を作ると「事実と違う」という部分が批判されてしまいそう。映画が事実と違うのは当たり前なのに。IT業界の仁義なき戦いについては知らないわけではない。以前アップル社の歴史についての本を読んだときに、つくづく「ひでえ世界だ」と思ったことがある。でもフェイスブックはアップル社が30年かけて行ったことを、わずか数年で成し遂げてしまった。SNSは人々の生活の中に浸透して、今ではPC以上に重要な生活必需品になっている。僕も今の生活は、ブログやTwitterなしには成り立たない。ネット依存症なのだ。そしてこの映画は、そんなネット依存症の人間を生み出した、人間くさい神々たちの物語だ。

(原題:The Social Network)

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映画|バーレスク

Burlesque_7 ショービジネスの世界に憧れて都会に出てきた地方出身のヒロインが、念願かなってステージのコーラスガールに。だが主役がトラブルを起こして降板すると、彼女に代役の白羽の矢が立つ。この初舞台で彼女はやんやの大喝采! 一夜にして大スターが登場するのであった……。これは1933年の傑作ミュージカル映画『四十二番街』のあらすじ。これを現代のロサンゼルスに舞台を移して、ヒロインが活躍する場所をミュージカルの大舞台からステージの付いたクラブにしたのが『バーレスク』。予告編を観たときはけばけばしくて猥雑な映画なのかとあまり期待もしなかったのだが、映画はじつによかった。物語の筋立てにへんに凝らず、天涯孤独なヒロインが自分の居場所を作っていく過程が温かい視線で描かれる。歌あり踊りあり、恋あり危険な誘惑あり、ライバルとの確執と和解あり。ショーの場面は「かっこいい!」の一語。映画に登場するバーレスクの雰囲気は、アメリカ版の寄席みたいな往年のバーレスクではなく、ボブ・フォッシーの『キャバレー』に登場するような戦前ヨーロッパのナイトクラブを意識している様子。単なる模倣や再現ではなく、それが現代流にアレンジされているのがオシャレ。とても楽しい映画だったのだが、難点はシェールとクリスティーナ・アギレラのステージが口パクにしか見えないこと。音源は本人たちだし、もちろん映画の中でも実際に歌っているという設定なのだが、どう観ても口パクだよなぁ……。

(原題:Burlesque)

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2010.11.24

映画|モンガに散る

Monga 1980年代の台湾を舞台にした青春やくざ映画。高校の仲間同士で結成された5人組の仲間同士が、地元やくざ組織の対立抗争の中で引き裂かれていく。主人公たちの結束をどう表現すればいいのか、適当な日本語が思い浮かばない。地元やくざ組織の下部構成員ではあるけれど、チンピラと呼ぶほど軽くなく、かといってやくざや不良や暴力団というわけでもない。映画の中ではとりあえず「極道」という字幕になっていたけれど、江戸時代の侠客とか町奴(まちやっこ)みたいなものかな。映画はそうした「古い組織」が、外来勢力の侵入によって「新しい組織」に変化してゆく時代を描く。昔気質の男たちが邪魔者扱いされて、新しい世代の人間がのし上がっていくという話は昔の東映任侠やくざ映画にもたくさん出てきたけれど、この映画ではそうした新旧交代を肯定も否定もしない。世代交代は単なる欲得ずくの動機で起きているわけではなく、その中にも親子の情だの親戚同士のかばい合いだのといった昔ながらの価値観が生きている。2時間21分の大作。クライマックスに号泣こそしなかったけど、熱い物がぐわっと胸の奥からこみ上げてくるような感動があった。

(原題:艋舺 Monga)

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2010.11.22

映画|MAD探偵 7人の容疑者

Madtantei 『MAD探偵』というタイトルには覚えがあったのだが、これは3年前に東京国際映画祭で見た『MAD探偵(ディテクティブ)』そのものであった……。神がかり的な直感力で難事件を次々解決しながら精神に変調を来して退職した元刑事バンが、後輩刑事に依頼されて捜査協力しはじめた刑事失踪と拳銃紛失事件。失踪した刑事と最後に一緒にいたコー刑事を調べてみると、彼には7つの人格が付きまとっていた。じつはバンには、人間の別人格が見えるという特殊な能力が備わっていたのだ。監督は『エグザイル/絆』や『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』をジョニー・トーと、盟友ワイ・カーファイのコンビ。ラウ・チンワンが神がかりな刑事バンを熱演。日本でもファンが多いジョニー・トーの作品だが、なかなか公開されなかったのは内容が特異すぎるから? それとも香港映画の日本公開がどんどん難しくなっているからか? ジョニー・トー作品だと2007年の『トライアングル』も日本じゃ未公開のままだしなぁ……。

(原題:神探 Mad Detective)

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2010.11.16

映画|ウッドストックがやってくる!

Takingwoodstock 1969年に開催されたウッドストック・フェスティバルの舞台裏を、コンサートを誘致した地元青年の視点から描く青春映画。監督はアン・リー。ウッドストックをモチーフにした実録映画でありながら、ここにはコンサートの様子がまったく描かれない。遠くからかすかにステージ上の音楽が聞こえてきたり、遠くにかすかにステージが見える程度。コンサートの様子はドキュメンタリー映画『ウッドストック/愛と平和と音楽の3日間』を観ればいいわけで、今回の映画がステージをあえて再現しなかったのはむしろ大正解だったと思う。映画の中では主人公のエリオットがいかに家族から自立していくかがテーマになっているのだが、この主人公の葛藤がバラエティ豊かなエピソードに埋もれてしまい、あまり全面に出てこないのがドラマとしての弱さ。登場人物ではエリオットのがめつい母親が断トツのユニークキャラで、女装の用心棒ヴィルマも強烈な印象を残す。「このイベントがあるまで俺は死んでいた。でもお前のおかげで俺は生きてる!」と息子に告白する父親もいい。そしてコンサート主催者であるマイケル・ラングのカリスマ振りに惚れ惚れ。かっこよすぎる。まるで聖書時代の砂漠の預言者みたいだぞ。ヒューマントラストシネマ渋谷で1月15日公開。

(原題:Taking Woodstock)

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映画|ジーザス・キャンプ アメリカを動かすキリスト教原理主義

Jesuscamp アメリカの宗教右翼を取材したドキュメンタリー映画。この映画を日本に紹介したのはコラムニストの町山智浩で、当時はブッシュ政権のイラク政策などが国際的な非難を浴びていたこともあって、そうした政権を支えるアメリカの宗教右翼の存在が多方面で注目を浴びていた。しかしそうした政治的な事柄でこの映画を取り上げるのなら、この映画は「いまさらなぜ?」というものでもある。アメリカではブッシュの共和党からオバマの民主党に政権が移り、宗教右翼の勢いも減退していると言われているからだ。クリスタルカテドラル倒産に象徴される、福音派メガチャーチの退潮という現実もある。でもこの映画は映画やテレビドラマやニュースではわからないアメリカの一面を伝えるものとして、日本人が観ておくべき映画だろうと思う。僕はこの映画に登場するアメリカの福音派が、キリスト教信仰とアメリカ国家の繁栄をダイレクトに結びつける様子に「いびつに歪んだキリスト教」という印象を受けた。しかし進化論拒否と創造科学、中絶反対、サタンの強調、聖霊によるものとされる異言などは、別に驚くべきようなことではない。日本でも福音派の教会は、程度の差こそあれ似たようなことを主張しているからね。

(原題:Jesus Camp)

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2010.11.15

映画|ゴダール・ソシアリスム

Filmsocialisme 年に1度の年賀状(欧米ならクリスマスカードだろうか)が届くたびに、「あいつはまだ生きているんだなぁ」「まだまだ元気そうだなぁ」と思う、その程度の人間関係というものがある。映画ファンにとってゴダールの新作映画というのはそういうものかもしれない。新作映画に大きな期待をしているわけでもないし、新作を観たからといって何か大きな感銘を受けるわけでもない。でもゴダールがゴダールらしい意匠を持った新作を撮るたびに、「おお、ゴダール、まだ生きてるじゃん」と思う。たぶんゴダールの映画にはもう、そういう機能しかないんだと思う。映画という表現メディアの可能性そのものを挑発する姿勢はいまだ健在。50年以上映画を撮っていて、今年で80歳になるゴダール。デビューしたのが若かったから、50年映画を撮ってもまだ80か。健康状態にさえ気をつければ、あと5年や10年は映画が撮れるかも。僕はヌーヴェル・ヴァーグを「映画史」として後から勉強した世代なので、ゴダールという名前はすでに伝説。伝説の巨匠が生きている。その新作をまだリアルタイムで観られる。これはこれで映画ファンにとって大きな喜びなのである。

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映画|ベストセラー

Bestseller ベストセラーを連発する女流作家ペク・ヒスが、盗作疑惑で文壇を追放されてから2年。再起をかけて新作を書こうと、田舎の湖畔に建つ古い洋館を借りて仕事に没頭しようとするが、一緒に連れて行った子どもは寂しさからか目に見えない「お姉ちゃん」とのおしゃべりに夢中。だがヒスはやがて娘の語る「お姉ちゃん」の話に夢中になり、それをもとに新作を書き始める。やがて完成して出版された本はベストセラーに。だが数週間後、その本にまたもや盗作の疑惑が突きつけられる……。ここまでで映画の半分。この後、映画を観ていた人が「えええ!そうだったの!!」と思うようなショッキングな展開があって、映画は後半に突入してゆく。しかしこの中盤の「えええ!」の衝撃が大きすぎて、後半の展開はいまひとつ切れ味が悪い。脚本の構成に仕掛けがある映画は好きなのだが、この映画の場合、その仕掛け自体はすごく面白いのに、映画の後半でその仕掛けが生かし切れていない。映画前半のヒロインは「鳥居みゆき状態」で、観ていていらいらさせられてしまう。

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2010.11.05

映画|パラノーマル・アクティビティ第2章 TOKYO NIGHT

Paranomal2 2007年に製作されて大ヒットした低予算ホラー映画、『パラノーマル・アクティビティ』の日本版続編。続編と言っても話がつながっているわけではなく、リメイクや別バージョンとでも考えた方が映画の性質を伝えていると思う。留学先のアメリカで交通事故を起こして帰国した姉と、大学受験準備中の弟が暮らす家で、次々に不思議な現象が起きる……という話。オリジナル版は同棲カップルだったのだが、日本版でそれを姉と弟の二人暮らしに変えたのはいいアレンジ。この家には父親も同居しているのだが、出張の多い仕事で家を空けてばかりいる。こういう家庭は「ありそう」だから、この「ありそう」というリアリティだけでこのリメイク版は成功。あとはキャスティングだけど、浪人生の弟を演じた中村蒼がすごくよかった。姉役の青山倫子はまあまあ。残念なのは他のキャストがちょっとなぁ……。必要なのは演技力ではなく、カメラの前で「こんな人、いるいる!」と思えるたたずまいなのだが、なんだか「演技」が気になっちゃうことも多いんだよな。

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2010.11.04

映画|7級公務員

7kyukomuin 韓国の国家情報員に勤務するスパイ同士が互いの身分を偽って恋に落ちるが、それぞれが別に同じ事件を担当したことから大騒ぎになるというラブ・コメディ。ブラピとアンジーが共演した『Mr.& Mrs.スミス』に通じるところがあるのだが、それよりずっとコメディ色が強くて最後まで楽しめる。冒頭の猛烈な水上チェイスからエンドロールの後日談まで、アタマからオシリまでギッシリアンコの詰まったたい焼きみたいな映画。話がドタバタしすぎてへんに蛇行していく部分もあるのだが、それを差し引いても水準以上の映画になっていると思う。「ジャパンプレミア」というファン向けの有料上映に、マスコミ席を作っての試写。映画上映後に主演のカン・ジファンによる挨拶と司会者との間での質疑応答があるという趣向だが、このイベントの正規入場料は全席指定で3,500円。来場者の中にはもう何度も足を運んでいるという人もいて、韓流ファンのパワーを見せつけられた感じ。ヒロインを演じたキム・ハヌルは『彼女を信じないでください』でも名コメディエンヌぶりを発揮した女優。主人公の上司を演じたリュ・スンヨンが、映画のいいスパイスになっている。

(原題:7級公務員)

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2010.11.01

映画|ランナウェイズ

Runaways 1970年代に結成された世界初のガールズバンド「ランナウェイズ」。その結成から解散までを、クリスティン・スチュワートとダコタ・ファニング主演で描く、疾風怒濤の実録音楽映画。ランナウェイズの活動時期は1975年から1979年で、当時小学生だった僕にはあまり記憶のない存在。日本でもすごく人気があったそうだから、たぶん年齢が僕より2歳か3歳上になると印象がだいぶ違ってくるんだろうけど。この年齢の2〜3歳の違いというのは、とても大きいのだ。ただこの映画自体は当時のファン世代に向けて「ほらほら懐かしいよね」とノスタルジーに訴えかけるような映画ではなく、ひとつの青春ドラマとして主人公たちと同世代のハイティーン世代に向けて作られているように思う。もっともその場合、この映画の何を現在の若い世代にアピールしたいのかが僕にはよくわからない。ストーリーは波瀾万丈だけれど、映画作品としてのまとまりがあまりよくないような気がする。子役のダコタ・ファニングが、こんなことになってしまいました……というビジュアル面でのインパクトは強烈。

(原題:The Runaways)

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映画|再会の食卓

Saikainosyokutaku 第二次大戦後の中国共産党と国民党の内戦で、国民党は台湾に逃れて中国は分断された。それから半世紀。家族を本土に残したまま台湾に渡った元国民党軍兵士が、故郷の上海に戻ってくる。離ればなれになった妻はどうしているだろうか。生まれたばかりの息子はどうなっているだろうか。上海に残った妻はその後結婚して家族を持っている。新しい夫は妻の前夫が訪ねてくることを大歓迎。だがやって来た男は元妻に、「自分と一緒に台湾に行ってほしい」と頼むのだった……。『トゥヤーの結婚』のワン・チュエンアン監督が、実話を元にしてい製作したという中国映画。台湾と中国の歴史的な関係はもちろん知っていたのだが、台湾に渡った国民党軍の家族や親戚たちが中国本土にいるというごく当たり前のことを、この映画を観るまで考えたことがなかった。戦争による家族離散は、どこでも起きているのだなぁ……。

(原題:團圓 Apart Together)

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