映画|大韓民国1%
若い女性士官が男たちでも尻込みして逃げ出す軍の特殊部隊に入って大奮闘……という映画。似たような映画としてはリドリー・スコットの『G.I.ジェーン』があったが、こちらはそれよりずっとマイルドかつコミカルな作りになっていて、良い意味では観やすく、悪い意味ではだいぶ軽い。これはキャスティングの問題もあるのだろうが、軍隊生活の肉体的なハードさが伝わってこないし、主人公が精神的に追い詰められていく雰囲気もまるで感じられない。男所帯の軍隊内に女性が入ることによって生じる細かな問題を、もっと丁寧に描いてくれると世界観に厚みが増したようにも思う。例えばトイレや入浴はどうしているのか。居住区分はどうするのか。私物の管理は。月経時はどうする。韓国では特殊部隊に女性士官こそいないものの、軍隊には女性士官が大勢いる。軍の広報や実際の女性士官から取材していけば、細々とした面白い話がもっといろいろ聞けたはず。この映画は結局、「新米士官がんばる」という話でしかなく、主人公が「女性」であることから生じるであろう面白さがまったく描けていないと思う。
(原題:대한민국1%)
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