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2011.09.17

映画|アジアの純真

Pureasia 通勤通学客が多い駅の地下道で、暴漢に姉を殺された在日朝鮮人の少女と、その出来事を目の前にしながら何もできなかった日本人の少年。ふたりは旧日本軍が遺棄した毒ガスを使って、日本社会に復讐しようとする。自分たちの手では社会の有り様を何も変えられそうにないという閉塞状況に、無差別テロで風穴を開けようとする一種の「テロ容認映画」なのだが、この閉塞感と行き場のない怒りには共感せざるを得ない。「こんな腐った世の中なんてぶっ壊れちまえばいい!」という中二病的な破壊願望であり終末願望だが、そうした思いをこれまで一度たりとも持ったことがないという大人は、生育環境に何らかの欠陥があったに違いない……と僕などは考えてしまうのだ。そういう意味で、僕はこの映画の主人公たちに共感する。無差別テロ、大いに結構。しかし僕がこの主人公カップル以上に共感してしまうのは、毒ガスを手にしながらそれをついに社会に向けては使用できなかった青年のヘタレっぷりだ。社会をぶっ壊せない時、人は自分自身をぶっ壊してしまう。

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2011.09.16

映画|密告・者

Mikkokusya 警察に協力する密告者になるべく犯罪組織内部に送り込まれた男と、彼を通じて組織の情報を得ようとする警官の苦悩を描くサスペンス・ドラマ。主演はニコラス・ツェーとニック・チョン。監督はダンテ・ラム。一種の潜入捜査ものなのだが、仕事が終われば警官の身分に戻れる潜入捜査官と違って、密告者の立場は不安定。警察からそれなりの報酬をもらって仕事をしているとはいえ、一歩間違えれば犯罪組織と警察の双方から命を狙われかねない。犯罪組織の報復は、自分の家族や縁者にも及ぶのだ。警察はこうしたリスクをすべて告発者に負わせる。彼らはいつでも使い捨てられる存在なのだ。「告発者とは友人のように振る舞え」「友人になるのではなく、友人のようになるのだ。彼らとは常に距離を取れ」と後輩の警官たちに説く主人公ドンが、配下の密告者たちを切り捨てられずに苦しむ様子をニック・チョンが好演。彼が颯爽としたエリート刑事ではなく、よれよれのしょぼくれたスーツ姿なのもいい。

(原題:綫人 The Stool Pigeon)

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映画|マネーボール

Moneyball 貧乏球団オークランド・アスレチックスが、2000年代に導入したセイバーメトリックス理論によるチーム編成。それまでの野球の常識を覆すこのチーム編成は「マネーボール」と呼ばれ、これを強硬に押し進めたGMのビリー・ビーンは球界の異端児扱いされた。だが「マネーボール」は着実な成果を出し、今では多くの球団がこの理論を取り入れてチーム作りをしているという。映画はブラッド・ピットがビリー・ビーンを演じ、彼の野球人生を追いながら、「マネーボール」の導入にまつわる周囲との軋轢を描いて行く。野球映画ではあるが、これはチーム編成や球団経営というマネジメントにまつわる映画。「マネーボール」はビジネス書としてもかなり読まれているようなのだが、この映画はそうした組織論やマネジメント論ではなく、ビリー・ビーンという個人のキャラクターを掘り下げていく映画になっている。終盤のまとめがあまりうまく行っていないような気もするが、全体としては好印象。ブラピも渋い大人の役者になってきた。

(原題:Moneyball)

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2011.09.14

映画|やがて来たる君へ

Yagatekitaru 第二次大戦末期の1944年9月から10月にかけて、北イタリアのボローニャ近郊で、パルチザン掃討を名目に住民700人以上が虐殺される事件が起きた。この映画は村に住むひとりの少女の視点から、事件が起きるまでの村人たちの暮らしを描いた実録ドラマ。1940年代のイタリアの貧しい農民たちの暮らしを丁寧に再現しながら、平和な暮らしの中に少しずつ戦争が忍び寄り、やがて大殺戮が始まる様子を描いている。映画の「視点」になるのは8歳の少女で、彼女の視点で大きな物語の一部を切り取っている。この映画を観ると「ナチスってひどいね」ということになるわけだが、アフガニスタンやイランなどで、今も戦争の犠牲になっている一般民間人がいることも、作り手の視野に入っている。

(原題:L'uomo che verrà)

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