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2011.09.30

映画|アンダー・コントロール

Unterkontrolle 脱原発に向かって進むドイツの現状を取材したドキュメンタリー映画。今もなお稼働する原子力発電所の状況から始まり、運転中止で廃墟になった原発や、廃炉となって解体作業を行っている原発施設の様子を淡々と紹介してゆく。福島原発事故以前に作られた(取材された)映画なのだが、この映画が福島原発や日本の原発の今後について考える際の大きな材料になることは間違いない。この映画を観ると、原発は建設や運転よりも、廃炉や解体作業の方がよほど手間がかかることがわかる。原発から出る使用済み燃料も大問題だが、これは規格化されたゴミなので、処分方法もある程度考えられている。ところが原発というのは使い終わると、建物の中心部が放射能汚染されたゴミのかたまりになる。これは一定の大きさに切断した後、物によっては一定期間保管して放射線レベルが下がってから通常のスクラップと同じように処理し(それでも50年以上は保管が必要)、その他のより高濃度な汚染物質は深い穴を掘って埋めるしかないのだ。現在は日本で脱原発を求める声が大きくなっているし、それはある意味では当然のこと。しかし脱原発の後に、より大きな問題があることにも目を向けるべきだと思う。

(原題:Unter Kontrolle)

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映画|不惑のアダージョ

Fuwaku 普通の人より早い更年期を迎えた中年の修道女が、何人かの男性たちの出会いと別れを通して危機を脱してゆく話。ある種の「通過儀礼」の話だが、性や肉体といった問題とはまったく異なった次元に住まう存在であるはずの修道女に、人間なら誰しも関わりを持たざるを得ない人間関係のしがらみや、老いの問題をぶつけているのが面白い。それによってテーマになっている問題が、物語の中からスッキリと浮かび上がってくる。よくできた映画で演出も安定しているが、演出技法が古風でレトロな感じさえする。これがある種の狙いなのか、それとも監督の個性なのかは不明だが、同時上映された短編『大地を叩く女』を見ると、これもちょっと古風な装いの映画なのだなぁ……。ただし『不惑のアダージョ』に関して言えば、この古風なムードが映画の内容にマッチしていたと思う。

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2011.09.29

映画|スマグラー おまえの未来を運べ

Smuggler 違法な荷物を運ぶスマグラー(運び屋)に雇われた青年が、中国マフィアの殺し屋と暴力団の抗争に巻き込まれて大変な目に遭うという話。石井克人の映画では一番バイオレンス描写がキツイと思うのだが、そのバイオレンス描写にいくばくかのユーモアがまぶしてあって、飛び散る血しぶきを見ながらついクスクス笑ってしまったりする。出演俳優の中には我修院達也など、石井組とでも言いたくなるような顔ぶれもいるわけだが、主演の妻夫木聡含めて全員がなかなかいい感じ。高島政宏にはぶっ飛んだ。役者としての新境地だ。松雪泰子や永瀬正敏もさすがに上手い。舞台設定が1999年で、小道具としてポケベルが出てくるのが懐かしい。携帯電話も出てくるけどデカイ。だからといってレトロというわけでもない、今現在とは違う、異世界の感じがいいのだ。

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映画|GOMORRA ゴモラ

Gomorra イタリアの犯罪組織カモッラの実態を描いた、ノンフィクション小説の映画化。原作の著者はカモッラの内情を暴露したことで、組織から暗殺のターゲットになっているらしい。映画に描かれていることのすべてが実話というわけではないにせよ、かなりの部分が実態に沿った内容になっているのだろう。『ゴッドファーザー』と『シティ・オブ・ゴッド』を合わせたような映画というのが売り文句だが、映画の印象はこれらの先行作品とは大きく異なっている。中心となる主人公がいない群像劇で、しかも登場人物の誰にも共感できないし、感情移入もできないのだ。これは映画の作り手がわざわざ、狙いとしてそのような手法をとっているのだろう。ドキュメンタリーを見ているようなリアリティがある。映画の中で比較的感情移入しやすいのは、中国人と取引して制裁を受ける仕立て職人の男と、違法な産廃投棄に足を踏み込む若い男。あとは組織に加わるのを拒んで暴れ回るバカな二人組。どうやら僕は、組織に馴染めない男たちに共感してしまうらしい。

(原題:Gomorra)

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2011.09.28

映画|ヴァンパイア・ストーリーズ CHASERS編

Vs_chasers メロドラマは事件がすべて外部から主人公の身に降りかかるが、悲劇は主人公の自発的な考えや行動によってもたらされる。『BROTHERS編』がヴァンパイアの血を引く兄弟たちのメロドラマだとしたら、この『CHASERS編』は己の身に降りかかった運命を自らの力で打破して行こうとする男たちの悲劇だ。しかしこれも脚本が弱すぎる。話のアイデアとしてはこちらの方が『BROTHERS編』よりずっと面白いのだが、ディテールの詰めが甘くて日常のリアリティがない。日常描写の足もとがしっかり固まっていないと、ファンタジーはそれを土台にして飛躍できないのだ。『BROTHERS編』同様、川本直弘のアクション演出はスピード感があってなかなかいい感じだ。カメラがやたらと動きまわるのはうっとうしいが、俳優がアクション専業ではない人たちだから、それを補う意味合いもあるのかもしれない。

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映画|ヴァンパイア・ストーリーズ BROTHERS編

Vs_brothers かつて金子修介監督は「日本人に絶対似合わないのが吸血鬼だ!」という確信を持って、普通のサラリーマンが突然吸血鬼になってしまうコメディ映画『咬みつきたい』を作った。それから20年たって吸血鬼映画のバリエーションも随分と増え、日本人が大まじめに吸血鬼を演じる映画が作れるようになったらしい。しかしこれは、話としては随分と物足りない。太古からの吸血鬼の血を引く純血種の兄弟と、彼らの血を狙う混血種の群れ。生き別れの肉親。血のつながらない兄妹の純愛。血の宿命。盛り込まれているアイデアがいちいちメロドラマ調なのだ。同じ発端から物語が『BROTHERS編』と『CHASERS編』の2系統に分岐して行くのだが、これは両方を1時間ちょっとの長編2本に無理矢理仕立てず、ひとつのエピソードを50分ぐらいにして1本の映画にまとめてしまった方がよかったと思う。(ひょっとすると、もともとはそういう映画だったのを2本に分けたのかもしれないけれど……。)

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