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2011.02.03

映画|世界のどこにでもある、場所

Sekainodokonidemo フィリップ・ド・ブロカが1966年に撮ったカルトムービー『まぼろしの市街戦』を、現代の日本に翻案したような映画。投資詐欺の犯人として警察とやくざに追われる男が、山奥の寂れた遊園地(動物園併設)で行われる精神病院の屋外療法に紛れ込んでしまうという話。監督・脚本は大森一樹。出演者のほとんどが劇団スーパー・エキセントリック・シアターのメンバー。映画というより、舞台の屋外上演をそのまま撮影したようなライブ感のある作品になっている。いろいろと工夫している映画ではあるのだろうが、僕はこの映画に不満を感じる。それはこれが、現代社会の批判や批評としては稚拙だと思うからだ。映画に登場する心に病を持つ患者たちは、病息になった理由と病気の関係が直線的すぎてつまらない。元ネタである『まぼろしの市街戦』は、戦争という狂気の中で精神病の狂気こそが逆に正常であるという逆説に至るわけだが、本作『世界のどこにでもある、場所』にそうした逆説はない。社会は病んでいて、患者たちも同じように病んでいる。それだけの話だ。患者たちの告白や証言は、そうした社会の病巣を絵解きしているだけ。やたらと説明口調の台詞が鼻についてしまう。2月26日公開、シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷。

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映画|英国王のスピーチ

Eikokuono_2 現イギリス国王、エリザベス2世の父であるジョージ6世と、その妻エリザベスを主人公にした、実話に基づくドラマ。ジョージ6世は父王ジョージ5世の次男として生まれ、もともとは国王になるはずではなかった。体が弱く、吃音癖もあり、人前に出るのが苦手だったのだ。父の死後エドワード8世として王座を継いだ兄は、離婚歴のあるアメリカ人女性ウォリス・シンプソンと結婚するため自ら退位いてしまう。かくしてジョージ6世に次の国王としてのおはちが回ってきた。この時ジョージ6世は、国王になりたくなくて泣いたという。映画はコリン・ファース演じるジョージ6世と、ジェフリー・ラッシュ演じる話し方コーチ、そしてヘレナ・ボナム=カーター分する王妃エリザベスを軸に、世評に名高い「王冠を賭けた恋」の裏側にあったジョージ6世の苦悩と、国王一家の気さくな人柄や夫婦愛を描いていく。映画の中ではウォリス・シンプソンがひどく高慢で鼻持ちならない女として描かれているのだが、それが一層、エドワード8世退位の理不尽さを強調することになる。コリン・ファースも好演だが、ヘレナ・ボナム=カーターがじつに良かった。2月26日公開。TOHOシネマズシャンテ、Bunkamuraル・シネマほか。

(原題:The King's Speech)

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2011.02.02

映画|わたしを離さないで

Watahana これはどこからがネタバレになってしまうのか、細心の注意を払いながら語らねばならない映画。主人公たちが抱えている「秘密」は映画の宣材で伏せてあるものの、じつは映画開始から数分でわかってしまうのだ。似たようなアイデアはこれまでにもなかったわけではないと思うが、それを未来の出来事として描かず、戦後の1950年代から分岐したもうひとつの歴史として描いているところがユニーク。確かにこれは未来のテクノロジーが必要な話ではなく、社会的な合意さえ取り付けられれば実現可能なものでもある。徹底的に抑圧され、管理され、決定づけられた運命を生きる子供たち。懐かしのディストピアSF。しかしこれは、主人公たちのグループに属さない人間たちにとってはユートピアでもある。少数の犠牲者の上に成り立つ、豊かな反映と輝かしい未来。一方で犠牲を強いられる側は、それを当たり前の事として受け入れて、そこから逃れ出るため戦うことはない。この物語の構造から、現代社会の何らかの縮図を読み取ることも可能。しかし物語はそうした社会批判に向かうわけではなく、あくまでも青春映画であり恋愛映画として成立している。『17歳の肖像』のキャリー・マリガン、『ソーシャル・ネットワーク』のアンドリュー・ガーフィールド、そしてキーラ・ナイトレイ。主演3人のアンサンブルが見事。3月26日よりTOHOシネマズシャンテほかにてロードショー。

(原題:Never Let Me Go)

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映画|コリン LOVE OF THE DEAD

Colin 直接制作費45ポンド(約6千円)という、破格の低予算で撮影されたゾンビ映画。手持ちの機材を使い倒し、出演者もスタッフも手弁当でギャラの支払いゼロ。(制作費を限りなく切り詰める秘訣は、友だちを大勢作っておくことである!)本当は制作費ゼロにしたかったのだが、撮影現場に使いかけのDVテープを持って行くのを忘れてしまい、仕方なく近くで新品のテープを購入したのが45ポンドということらしい。フィルムを使って自主映画を撮っていた頃は、ちょっとした映画でも数百万円かかっていたことを考えると(フィルムはどこかから半端物を入手するにしても現像にどうしてもお金がかかってしまう)、今は夢のような時代だなぁ……と感じさせる話。映画はゾンビになってしまった青年の視点を通して語られるゾンビ映画。生き残った人間たちの略奪対象になったり、殺されそうになったり(もう死んでるんだけど)、かつての顔見知りでも噛みついちゃったり、もう大変なのだ。本筋に関係のない「お食事タイム」に脱線したりするのは、ゾンビ映画にとって「お食事シーン」が売り物だからしょうがない。多少冗長なところがあるし、基本的にワンアイデアの映画なので、これはもっと短く70分〜80分ぐらいにした方がよかったかも。3月5日、ヒューマントラストシネマ渋谷で公開。

(原題:Colin)

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