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2012.02.29

映画|トガニ(原題)

Togani 2005年に韓国光州市の聾学校で発覚した児童に対する性虐待事件の映画化。この映画がヒットしたのをきっかけに事件が再び注目されることとなり、事件の起きた聾学校は廃校になり、子供たちを守るための法整備も行われることになったらしい。映画が世論を動かし、政治を動かしたのだ。『トガニ』は原題なので、夏公開までに邦題は変わりそう。原題の意味は「るつぼ」だが、英語のタイトルは「沈黙」になっている。さて、邦題はどうなることか。ちなみに「るつぼ」はセーラムの魔女裁判をモチーフにしたアーサー・ミラーの戯曲が有名(映画の邦題は『クルーシブル』)。アーサー・ミラーの「るつぼ」では裁判に巻き込まれた人々が疑心暗鬼からあらゆることをしゃべりまくるのだが、韓国版「るつぼ」では逆に、誰もが犯罪の事実を知りながらそれについて沈黙する。聾唖の子供たちの雄弁な告発を前にして、大人たちが固く口を閉ざすという皮肉。

(英題:Silenced)

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映画|青い塩

Bluesalt イ・ヒョンスン監督が『イルマーレ』以来11年ぶりに発表した新作は、ソン・ガンホとシン・セギョン主演のハードボイルド・サスペンスだった。血なまぐさい世界から身を引いて田舎でレストランを開こうとする伝説のヤクザが、料理教室で出会った若い女。その正体は、対立組織から男の動向を探るよう依頼された便利屋だった。組織の内紛が起きて男は再びヤクザの世界へ。女には男を殺す命令が下されるのだが……。ストーリーラインはそれほど複雑ではないはずだが、エピソードの組み立てがギクシャクしていて話がしばしばひっかかる。男がいた組織、敵対グループ、殺し屋組織、内通者など、うまく整理すればもっと話がスムーズにテンポ良く流れて行くと思うのだが……。アクション映画としては見せ場が少なく、ラブストーリーとしては煮え切らず、ミステリー映画としては話がよく見渡せないという、いろんな点で中途半端な映画だが、主人公を補佐する若いヤクザを演じるチョン・ジョンミョンがなかなかよかった。

(英題:Hindsight)

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2012.02.28

映画|SHAME -シェイム-

Shame 俳優のマイケル・ダグラスが「セックス中毒」の治療を受けているというニュースを聞いたのは、もう20年も前のことだった。その時はバカにしていたのだが、その後これが「セックス依存症」「性依存症」というかなり深刻な病気らしいということで、最近はニュースなどでも興味本位や野次馬趣味ではなく真面目に取り上げられるようになってきたように思う。この映画もそんな性依存症の男を主人公にしたドラマ。性依存症は誰彼構わずセックスやりまくり!というわけではなく、マスターベーションやポルノへの耽溺も性依存症の症状なのだという。この映画の主人公も不特定多数の相手とのセックスだけではなく、ポルノ雑誌、ポルノサイト、インターネットのアダルトチャットのヘビーユーザーだ。こういう人は、結構多いんじゃないだろうか。主演のマイケル・ファスベンダーがとてもよい。妹役のキャリー・マリガンも相変わらず上手い。

(原題:Shame)

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2012.02.24

映画|×ゲーム2

X_game2 いじめられっ子が元いじめっ子たちを学校のような施設に閉じ込め、過酷なゲームと残忍な罰ゲームを強いるという映画の第2弾。1作目がわりと面白かったのだが、この2作目も楽しめた。基本的に「悪さをした奴を懲らしめる」という勧善懲悪の物語なので、おどろおどろしいタッチにしても後味は悪くない。残虐描写はいろいろあってゾッとすることもあるのだが、最終的にはスッキリと溜飲を下げられる。じつに教訓的で、道徳的な映画なのだ。1作目と同じく低予算のB級映画だし、見た感じでは前作よりワンランク低予算になっているような気もする。廃校に閉じ込められた5人の話と、雑誌記者の話の時間軸がどう考えても合いそうにないし、教室に隠された拷問器具が一度に見つからずその都度発見されるのもナンセンス。しかしこういうバカバカしい穴がたくさんあるから、このひどく凄惨な話を平気で観ていられるという面もあるのかも。続編も作ってさらにシリーズ化してほしい。

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映画|アンネの追憶

Annenotsuioku 世界一有名な日記の著者、アンネ・フランクの伝記映画。アンネの父オットーの視点から物語を語っている作品にしてあり、アンネの書いていた日記の中身は出てこない。誕生日に日記を渡す場面があり、隠れ家での暮らしが始まる。日記には逮捕以降のことは書かれていないが、この映画の中心はそこからだ。収容所への移送、収容所での選別、収容所での生活、再移送、粗末なキャンプでの生活、そして死。ところどころにアンネの親友だった別のユダヤ人少女の視点をはさんでいることから、時間が前後してわかりにくいところがないでもない。もともとイタリアで作られたテレビドラマだったようだが、台詞は英語で、俳優たちも英語でしゃべっているように見える。国際市場向けに最初から英語で作って、放送用にはイタリア語に吹き替えたのかもしれない。輸送列車がアウシュビッツに到着してから人々が選別され、家族が離れ離れになる場面は息苦しくなるような迫力があった。

(原題:Mi ricordo Anna Frank)

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2012.02.23

映画|トテチータ・チキチータ

Totechita 借金まみれになって東北の被災地でリフォーム詐欺をすることになった中年男、父と二人で福島の学校に転校することを決めた小学生の女の子、震災をきっかけに地方が進んだおばあさん、震災で家族を失った男子高校生。彼らが疑似家族を形成してゆく話だが、これは普通の疑似家族ものとはだいぶ違う。痴呆症で少女に戻ってしまったおばあさんを中心に、小学生の少女がお母さんになり、中年男がお兄さん、高校生がお父さんになる。これはおばあさんの中では紛うことなき現実なのだが、現実と虚構を混同しているというわけではない。おばあさんは自分の家族が既に死んでいることを知っている。小学生の少女には霊感のようなものがあって、自分たちは前世で家族だった者たちの生まれ変わりのようなものだという。だが中年男と高校生はそんなことがまるで信じられない。信じられないまま、失った自分たちの家族を埋め合わせるようにこの疑似家族との関係にのめり込んでゆく。そして自分たちが本当の家族だと信じるようになる……のかな? 自分の目や耳では何も感じられないのに、何かを信じる人たち。しかしもう一方で、確かに自分の目と耳で確かめているはずなのに、それを信じられない人もいる。「信じること」についての寓話。

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2012.02.15

映画|父の初七日

Chichi7days 父親が急死して葬儀を出すことになった兄妹のドタバタを、笑いをたっぷり交えながら描く台湾映画。伊丹十三の『お葬式』という映画があったが、その台湾版みたいな雰囲気もある。愛人も出てくる。ただし主人公の愛人ではなく、父の愛人だったのではないかという女姓だけれど。映画は真夏という設定なのだが、納棺が3日後で、火葬と納骨が7日後。『父後七日』という原題に『父の初七日』という邦題が付いているが、これは日本人が良く知っている法事として初七日の意味ではなく、父が亡くなって葬儀を終えるまでの7日間という意味だろう。真夏に遺体が痛まないのかと心配したら、そこはよくしたもので、葬儀用の冷蔵庫というものがあるのだ。これなら棺の中にドライアイスを詰めるより、ずっと高率がよさそうだ。ただし映画の中にはその冷蔵庫の現物が出てこなかったのが残念。映画は葬儀のディテールより、葬儀の周囲にいる人々のドタバタが描きたいらしい。道教の葬儀なんて日本じゃそうそう見る機会がないから、僕は葬儀の細部がもっと見たかったんだけどなぁ……。

(原題:父後七日)

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映画|マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙

Ironrady イギリス初の女性首相マーガレット・サッチャーを、メリル・ストリープが演じた伝記映画。映画の冒頭、食料品店で牛乳と新聞を買い、よろよろと自宅に向けて歩く腰の曲がった老婆が、かつての英国首相サッチャーの今の姿。自宅の中では亡き夫の面影と語り合い、過去の思い出の中に浸るメランコリックな老人だ。伝記映画にはいろいろな描き方があり、老いた主人公が過去を回想するという手法も定番のひとつ。しかし主人公が認知症になっていて、映画を観る観客までその幻覚に付き合わされるという映画は珍しいかもしれない。サッチャーは首相在任期間も長く、誰もが知る世界の顔のひとりだった。演じるメリル・ストリープはメイクや服装、しゃべり方や身のこなしで、世界中が知っている首相時代のサッチャーを再現している。これがじつに見事。ストリープはかつて「女デニーロ」の異名を持つ技巧派の女優だったが、大スターになるとその技巧を凝らした演技をなかなか見る機会がなかった。今回は彼女の超絶技巧が久しぶりに見られただけでも嬉しい。映画の内容はともかく、このストリープは一見の価値がある。

(原題:The Iron Lady)

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2012.02.13

映画|friends after 3.11【劇場版】

Friendsafter311 岩井俊二が監督・出演し、昨年末に朝日ニュースターとスカパーで放送されたドキュメンタリー映画の劇場版。2012年3月11日に起きた東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の後に、さまざまな場所で発言しているキーパーソンや、周辺の同業者たちを取材したもの。観ればすぐわかるが、作り手の意識は完全に「脱原発」「反原発」だ。国内の世論はこの問題について賛否両論なので、こうして両論のうちの一方だけを取材した映画が、この問題についての客観中立なポジションを示しているわけがない。しかしこれは報道ではなくドキュメンタリー映画だ。タイトルからもわかるとおり、これは岩井俊二が3.11後に自分の「友達」と語り合った私的な記録という体裁でまとめられている。構成としてはインタビューが数珠つなぎになっているだけだが、ややハイキーでシャロウフォーカスのやわらかい映像はいかにも岩井俊二作品。聞き手である岩井俊二や松田美由紀が旅人となって各地を回る、ロードムービー風の作品に仕上がっていて面白く観られた。

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2012.02.09

Blu-ray|エクリプス/トワイライト・サーガ

Eclipse 『トワイライト』シリーズの3作目。ベラは卒業を迎えていよいよエドワードと結婚かと思わせつつ、そこにシアトルから吸血鬼軍団がやってきて大乱闘となる。ジェイコブもぎりぎりまでベラを振り向かせようと猛アタックを繰り返し、今回のエドワードはちょっと気の毒。それにしても、ベラがそれほど魅力的なヒロインだとは思えないのは僕が男だからだろうか。素直にヒロインの気持ちにより添って映画を観ていれば、イケメンの2人のヒーローに愛されてこれほど気持ちのいい設定はないと思うのだが、僕は同じ男としてベラに夢中になって命まで賭けるエドワードとジェイコブの気持ちがよくわからない。ま、いいか。それが映画だし。一節によるとこのシリーズはモルモン教の価値観が色濃く反映されているそうで、まあそう言われてみればそうなのかもなぁ……。

(原題:The Twilight Saga: Eclipse)

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Blu-ray|ニュームーン/トワイライト・サーガ

Newmoon 「愛しているから別れよう」という、月並みだが切実な別れの台詞を残してベラのもとを去って行くエドワード。その面影を追って半狂乱になる彼女だったが、やがて幼なじみジェイコブの存在が彼女の心を癒していく。しかしベラに猛アタックしていたジェイコブが、ある日突然姿を消した。じつはジェイコブの一族は狼男の血を引いていて、ジェイコブにも狼男に変身する能力が現れたのだ。同じ頃、エドワードに復讐する機会をうかがっていたヴィクトリアが再び町に現れるのだった……。吸血鬼と狼男の両方に愛されるとんでもないヒロイン。「私のために争うのはやめて!」とベラがふたりの間に割って入るところでは、頭の中で竹内マリアの「けんかをやめて」がリフレイン。違うタイプの人を好きになってしまう、揺れる乙女心だよなぁ。

(原題:New Moon)

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Blu-ray|トワイライト 初恋

Twilight アメリカのティーン向け人気小説の映画化で、日本では2009年4月4日に公開されている作品。じきに完結編『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン』が公開されるが、今回はTSUTAYAで旧作DVDのレンタルが100円だったので、シリーズの過去3作をまとめて借りてきた。でも観るには時間が必要だから、それなりのコストはかかってしまうわけだけれど……。ま、今週は体調があまりよくないのでちょうどいいか。物語の枠組みとしては学園ものの世界があるのだが(「仮面ライダーフォーゼ」はこれをだいぶ意識しているかも)、学校内でのイジメだの何だのという人間側のドロドロした部分がなくてさっぱりしているのが、この映画の人気なのかもなぁ……と思ったりもした。ヴァンパイアものとしては吸血鬼の性格や位置づけを再定義していて、そこがこの作品のオリジナリティなのだろう。

(原題:Twilight)

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2012.02.07

映画|僕達急行 A列車で行こう

Boku9 森田芳光監督の遺作となった、鉄オタふたり組を巡るコメディ映画。随所に森田監督らしい遊びが見られる明るく楽しい作品で、これが遺作と言われてもまるでぴんと来ない。鉄道映画は『RAILWAYS』などがシリーズ化されているし、この映画も原案・脚本・プロデュースだけ森田監督が勤めて続編を何本か作れそうなもの。「今度は四国がいい」「北海道だ」とう台詞で終わるなど、いかにも続編がありそうな気配だけに残念。しかし映画を観ていて気になったのは、主人公たちふたりの関係がホモセクシャルなものに見えたこと。どちらも女性に奥手であまり積極的でないという部分があるわけだが、それより演出でふたりの関係を怪しげな感じに見せている。これは明らかに作り手の作為としてそのように見せていることが明らか。男同士の友情というホモソーシャルな世界を描いているように見せつつ、じつはホモセクシャルな世界を描いている映画なのだと思う。

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映画|映画 桜蘭高校ホスト部

Ouranhosuto 原作は少女漫画で、アニメ版があり、昨年ドラマ版が作られて、今回の映画はドラマ版と同じスタッフ&キャストによるものだというが、僕はどれもまるで知らなかった作品。この手のものは原作なりドラマ版なりを知っていた方が楽しいのだろうが、僕は今回の映画だけでも結構楽しめた。とはいえ昼食直後だったせいもあるのか、最初の30分ぐらいは少しウトウトしていたのだが……。ま、物語はシンプルなので理解に支障はなかったはず。タイトルにあるホスト部というのは高校の中で水商売をやろうという話ではなく、イケメンの男子生徒たちが集まって女子生徒向けにおもてなしするというもの。そこになぜか、男装した女子生徒がひとりだけ紛れ込んでいるという設定。話はともかくとして、学校内のロケーションとかはどこで撮影しているんだろうか。どこかの結婚式場とかかなぁ。主人公たちが川の近くで語り合うシーン(大トロの指輪が出てきたりする場面)は、隅田川の永代橋のすぐ近くで撮っている。僕は以前近くに住んでいたので懐かしい場所だ。

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映画|アンダーワールド 覚醒 IN 3D

Uw_kakusei ケイト・ベッキンセール主演の人気シリーズ最新作。太古の昔から続くヴァンパイア一族と狼一族の戦いを描いた作品だが、今回の映画はそこに人間たちが加わって三つ巴になる。物語が3次元化するなら映像も3次元化。このシリーズは今回から3Dになって、アクションシーンの迫力が増している。ヒロインのヴァンパイアは強靱な肉体と常識外れの運動能力を持ち、ダメージを受けてもさほど傷つかず、傷ついてもすぐに回復してしまうので、狼男たちと戦ってもその物理的な破壊力がわかりにくい。この映画はそれを観客に感じさせるために、車を壊したり、壁を壊したりして、戦闘のパワーを見せつける。ぶっ飛ばされたヒロインが壁に激突すると、壁に貼られたタイルがモルタルごとはげ落ちる。物語は過去の歴史や因縁を一度切り捨てて(設定としては生きている)、シンプルな追いかけっこに徹している。シンプルでスピーディ。続編にも期待したい。

(原題:Underworld: Awakening)

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2012.02.05

映画|琉神マブヤー THE MOVIE 七つのマブイ

Mabuya 沖縄のローカルヒーロー「琉神マブヤー」の劇場版。テレビ版は沖縄ローカルキャストのゆる〜い番組だったのだが、映画版は主人公マブヤーに山田親太朗、相棒ガナシーにISSA、悪役ハブデービルにガレッジセールのゴリなど、沖縄出身の全国区タレントを揃えて大幅にアップグレード。途中ワンシーンだけ、仲間由紀恵が出てきたりもする。ただしこうした気合いの入れ方とは裏腹に、ストーリーはやっぱりゆる〜い感じなので、そのあたりのギャップが少し気にはなる。琉神マブヤーと龍神ガナシーは出てくるのに、凰神カナミーが出てこないのはテレビ版のファンには寂しいかも。マジムン軍団もハブクラーゲンやヒメハブデービルが出てこない。画面が大きくなってキャストもグレードアップされているのに、全体の規模は少し縮小されるというちぐはぐさ。ロケ場所も風光明媚な観光地に行くでなし、べたべたに沖縄ローカルな場所が出てくるでなし。どうにも全体的に中途半端なんだよなぁ……。

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2012.02.01

映画|へんげ

Henge かつては優秀な外科医として将来を嘱望されていた門田吉明は、しばしば襲われる原因不明の発作のため、今では外出すらままならない。夜中にも突然奇声を上げて悶絶する吉明の横で、妻の恵子はただおろおろと見守るしかない。だが発作は徐々に激しくなり、発作中の吉明の体は異様な姿に変形する。家ではとても手に負えないと考えた恵子は、吉明の後輩坂下のつてを頼って、吉明を大学病院に入院させるのだが……。上映時間わずか54分の短編映画だが、このコンパクトさがドラマの展開にスピード感を生み出している。物語が余計な横道にそれることなく、ひたすら一直線にエスカレートして行くのだ。同じ話で1時間半以上の長編にしようとすれば、周辺の人物をもっと増やすとかエピソードを膨らませるとか、途中にストーリーの屈折を作るとかして、ドラマに起伏を作らなければならないだろう。だがこの映画はひたすら右肩上がり。「なぜ?」とか「どうして?」とか「それからどうなるの?」という観客の疑問に答えることなく、映画はクライマックスですっぱりと断ち切るようにして終わる。痛快!


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