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2012.07.31

映画|神弓 KAMIYUMI

Kamiyumi 1936年に発生した丙子の乱で、李氏朝鮮は清の猛攻を受けて降伏。このとき多くの人々が捕虜となり、清に連行されていったという。映画はこの史実をもとに、愛する家族を清の捕虜にされた男が、得意の弓を手にして清軍に立ち向かうというアクションドラマ。試写で配布された資料には「1人 VS 10万人!!」などの文字が踊るが、実際には丙子の乱という大きな戦いの中で生じた、両者合わせて10数人規模の戦いを描いた内容だ。主人公は朝鮮軍とは無関係な弓の名手で、清軍にさらわれた妹を救出するためゲリラ戦を挑む。彼を迎え撃つのは従軍した王子を警護する親衛隊の精鋭で、こちらもまた弓の名手ぞろい。野山を駆け巡って弓対弓の戦いが繰り広げられる様子はこれまでの時代劇アクションにはないユニークさ。弓は飛び道具なので銃撃戦のような距離感がある一方、射る矢の数は限られているし、射られる側も飛んでくる矢をかわしたり、払い除けたり、楯で防いだりという防御もできる。銃器と刀剣の中間にある武器なのだ。これは面白かった。

(原題:최종병기 활)

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映画|私の少女時代

Cmf2012 10月に新宿K's cinemaで開催される「中国映画の全貌2012」で、オープニングロードショー作品として公開される作品。文化大革命の下放政策で農村部に移住した15歳の少女が、独学で医学を学んで無医村の医師になるという実話の映画化。しかしこれは奇妙な映画だった。映画の導入部とエンディングに成長して中年女性になった現在のヒロインが登場するのだが、このヒロインと回想劇の中のヒロインを結ぶエピソードや説明が何もない。ヒロインは本物の医者になれたのか? 恋人との関係はどうなったのか? 都会に戻ってからの暮らしはどうなったのか? ヒロインは今、何をしているのか? また劇中ではヒロインの心象風景として、突然彼女が草原でバレエを踊ったり、子供たちと一緒に歌ったりするシーンが挿入されるのもビックリする。ヒロインの声が妙に甲高くて、少女のあどけなさを表現するための作り声なのかとも思ったのだが、これが地声なのかもしれない。日本語吹替版を作る時は、ぜひはいだしょうこに吹替をお願いしたい。(歌の場面のあるしね。)

(原題:我的少女時代 My Girlhoot)

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2012.07.27

映画|人生、いどろり

Jinse_irodori 山間部の小さな町の年寄りたちが、料理のかざりに使う葉っぱを集めて出荷し、地元の産業にしたという徳島県上勝町の実話を映画化。映画の中では事業の企画から、初期の挫折、葉っぱをただ採集してくるのではなく、出荷用に葉や花を栽培するようになるまでが順を追って再現されていて、この地域の変化の様子がわかりやすく解説されている。この話自体はテレビ報道や新聞雑誌の記事で知っている人も多いと思うのだが、映画ではこの事業が軌道に乗るまでの地元の抵抗感や家族内で生まれる軋轢を取り上げて、良質のホームドラマに仕立て上げている。これは葉っぱビジネスで大儲けという、地域のサクセスストーリーではない。時代の流れの中で家族が揺れ動き、夫婦や、親子や、嫁と姑の絆が確かめられるという話なのだ。主演クラスの役者たちが田舎のジイサンやバアサンにしては立派すぎるという嘘っぽさはあるものの、じゃあこれをリアルに地味な人が演じれば面白いかというと、それじゃ映画にならないだろう。このあたりは映画の難しさだなぁ。

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映画|ウェイバック -脱出6500km-

Wayback 第二次大戦でドイツとソ連に分割占領されたポーランドから、スパイの濡れ衣を着せられてシベリアの収容所に送られた男。彼は生き延びるため数人の仲間たちと共に収容所を脱走し、モンゴルへの国境を越え、さらに中国に入り、さらにチベットを経由して、1年がかりでインドに脱出した。踏破距離は6,500キロ。なんとも恐るべき話だが、これは実話がもとになっているという。極寒のシベリアからユーラシアの森林地帯を抜け、灼熱のゴビ砂漠、さらにヒマラヤへ。大自然の中で人間はあっさり死んでしまう一方で、なかなかにしぶとくしたたかなところも持ち合わせている。監督はピーター・ウィアーだが、『マスター・アンド・コマンダー』以来7年ぶりの映画。9月から銀座シネパトスで公開されるが、パトスは来年春に閉館が決まっているとのこと。

(原題:The Way Back)

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2012.07.26

映画|ヴァンパイア

Vampire 劇場用長編映画としては8年ぶりとなる岩井俊二監督の新作は、アメリカ・カナダ・日本合作となる風変わりな吸血鬼映画。ネットで知り合った自殺志願の女性に「一緒に死のう」と持ちかけた上で彼女を殺し、その血を採取して飲むのがこの映画の主人公サイモン。彼はこれまで小説や映画の中で繰り返し描かれてきた吸血鬼とはまるで違う。超自然的な力は使えず、ただ「血を飲まずにはいられない」「相手の命を奪う」という点でのみ吸血鬼なのだ。映画の惹句は『映画史上誰も作らなかった吸血鬼映画』だが、これは映画史上最も地味な吸血鬼映画であることは間違いなさそうだ。ホラーでもないし、サスペンスもあまりない。途中で1ヶ所、主人公が頭のいかれた連続殺人鬼に出会う場面があってハラハラさせられるが、話はそこから特に大きく進展していかない。もう少し映画らしい見せ場とかが欲しいよなぁ。試写室は満席。さすが岩井俊二! しかしこれが、劇場でもウケルかどうかは微妙だなぁ。

(原題:Vampire)

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映画|コッホ先生と僕らの革命

Kohhosense ドイツ・サッカーの父と呼ばれる教育者コンラート・コッホ(コンラット・コッホ)の実話をもとにした、型破り先生と受け持ち生徒たちの交流と成長を描く学園スポーツ青春ドラマ。映画は教員のコッホがドイツにサッカーを紹介したという事実以外はほとんどフィクションなのだが、それでもこの映画を観た人は「コッホ先生」の名前と業績を決して忘れることがないだろう。この映画は実話をもとにした映画ではあるが、実話にもとづいた映画ではない。現実の人物を借りたフィクションだ。ちなみに「コッホ先生」で有名なのは細菌学者のロベルト・コッホだろうが、この2人の「コッホ先生」はほとんど同時代人。コンラート・コッホは1846年生まれで1911年没。ロベルト・コッホは3歳年上の1843年生まれで1910年没。ちなみにサッカーの父のコッホ先生は、ハンドボールのルール考案者でもあるらしい。

(原題:Der ganz große Traum)

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2012.07.25

映画|WIN WIN ダメ男とダメ少年の最高の日々

Winwin ポール・ジアマッティ扮する貧乏弁護士が、後見人をしている老人の孫にレスリングの才能があることを見出して大張り切りするというドラマ作品。舞台になっているニュージャージーの小さな町の雰囲気がいいし、日常の中でくすぶっている男たちが、ひとりの若い才能に出会って急にはしゃぎ出すのも面白い。原題はシンプルに『Win Win』なのだが、そこに『ダメ男とダメ少年の最高の日々』という副題を付けたセンスはちょっとわからない。ポール・ジアマッティはダメな男かもしれないけど、レスリング少年は別にダメだとは思わない。これは単純に『ウィンウィン』のままでも良かったと思うけど。『ロッキー』シリーズのバート・ヤングが愛嬌たっぷりに痴呆老人を演じている。よくある疑似家族ものになるかと思いきや、そうならないところがいい。登場人物それぞれに美点があり、欠点もある。でもみんな基本的には善良な人たちなのだ。それが爽やかな後味につながっている。

(原題:Win Win)

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映画|凍える牙

Kogoerukiba 日本のテレビ局で過去2回ドラマ化されている乃南アサの同名小説を、韓国で映画化したサスペンス・ミステリー。原作も過去のドラマも未読未見だが、WikipediaやAmazonの書籍データを見たところ女性刑事が主人公になっているようだ。映画はどちらかと言うとソン・ガンホ演じる中年刑事が主人公。警察内部の人間的軋轢や、女性刑事に対するあからさまな差別と蔑視など、どれも韓国映画らしい世界観になっているけど、これは原作もこんな感じなんだろうか。ミステリー映画にしては情緒的なところが目立ち、刑事や被害者たちの非情な世界がある一方で、犯人とその周辺だけがメソメソ泣いているような雰囲気。しかしこれは、最近のハードボイルド・ミステリーにありがちなパターンかもしれない。それに最後の方はちょっとご都合主義的だなぁ……。

(原題:하울링)

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2012.07.22

映画|放課後ミッドナイターズ

Asm 深夜の学校で人体模型と骨格標本が歌って踊って大暴れするという、フルCGの新作長編アニメーション映画。映像のユニークさが海外でもウケて、日本以外にも香港、シンガポール、台湾、韓国の5カ国で同時公開されるという。子供にいたずらされてブチ切れた人体模型が子供たちに復讐するという話が、途中から子供たちを使って3つのミッションを完遂しようとする話になり、さらに学校内に40年間封印されていたモンスターがからんでくるという脚本の構成にはちょっと疑問もある。物語が一直線に進まず、あちこちで屈折していくのだ。1本の映画の中に、3本分の映画のアイデアが無理やり同居しているような雰囲気。これはもう少し話を整理して、話をシンプルに、スピーディーに展開させることができたと思う。ただし登場するキャラクターはどれも強烈。子供のキャラクターには多少紋切り型のところもあるが、学校にいるオバケたちはみんな面白い。これはシリーズ化できるような素材だと思うけど、そのためにはまずこの1本目をそこそこ当てないとね。

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2012.07.13

映画|プロメテウス

Prometheus リドリー・スコット監督が自ら手掛けたSF映画の古典『エイリアン』のプリクエルだが、過去に製作されたシリーズに直結する作品というより、細かな設定をリファインして仕切り直したリブート作品と考えるべきかもしれない。サム・ライミの『スパイダーマン』三部作に対する『アメイジング・スパイダーマン』みたいなものだ。ピーター・パーカーの恋人がメリー・ジェーンからグウェン・ステイシーに変わっても、それがどうしたって言うんだい? 手首からクモの糸がピピッと出るのではなく、ハイテクのウェブシューターを使って糸を出す仕掛けになったからと言って、それがどうしたって言うんだい? 『エイリアン』シリーズを観ていれば、『プロメテウス』を観ていて「アレレ?」「コレは!」と思う場面がいくつもあると思う。でもそれがどうしたって言うんだい? いいじゃん、映画なんだからさ! 問題はそれで映画が面白くなったかどうかなのだが、う〜ん、それはどうだろうか……。

(原題:Prometheus)

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映画|白雪姫と鏡の女王

Mirrormirror 『スノーホワイト』に続いて公開される「白雪姫」のアダプテーション作品。『スノーホワイト』ではシャーリーズ・セロンが意地悪な継母を演じていたが、この映画で継母を演じるのはジュリア・ロバーツ。しかしそうしたキャスティングよりも注目すべきは、この映画がターセム・シン監督とデザイナーの石岡瑛子にとって最後のコラボレーション作品になっている事だろう。ふたりは『ザ・セル』でコンビを組み始め、その後ターセム監督のすべての劇場用長編映画でコンビを組んでいる。石岡瑛子のコスチュームは単なる衣装ではなく、映画の世界観を強く支配していることは間違いない。ターセム監督は次回作『マルコ・ポーロ』を準備中のようだが、そこでどんな世界を展開するのかが今から楽しみだ。あ、ちなみに『白雪姫と鏡の女王』のジュリア・ロバーツはとても良かった。彼女の持つコミカルで明るい個性が、この映画の中で光っている。この映画は白雪姫の映画と言うより、ジュリア・ロバーツ演じる女王の映画だね。

(原題:Mirror Mirror)

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2012.07.10

映画|王様とボク

Osamatoboku 「仮面ライダーW」のフィリップくんこと菅田将暉、同時期に放送していた「侍戦隊シンケンジャー」のシンケンレッド/志葉丈瑠こと松坂桃李、同じく「シンケンジャー」のシンケンブルー/池波流ノ介こと相葉弘樹が共演する青春映画。この顔ぶれが揃うと、日曜朝のお子さま番組を見ている身としてはワクワクしてしまうのだが、映画自体はそれほどでもなかったなぁ……という感じ。子どもから大人への一歩を踏み出して行く主人公の目の前に、子どものまま成長を止めたかつての親友が現れるという話なのだが、最近各方面で活躍している松坂桃李は(シンケンジャーの時からだけど)子どもと大人の間にいる宙ぶらりんの状態よりずっと大人びて見えている。脚本には原作者のやまだないとが加わっているのだが、(原作未読ながら)これは映画の脚本としてヘンテコな形になっているのではないだろうか。相葉裕樹や二階堂ふみのポジションがいまひとつ不明確だし、松田美由紀もただの便利屋さんで終わってしまっているような気がする。原作がこんな感じなのかなぁ。

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映画|かぞくのくに

Kazokunokuni 日本で暮らす在日朝鮮人一家のもとに、25年前北朝鮮に「帰国」した家族が戻ってくる。16歳の時、地上の楽園と喧伝されていた北朝鮮に、たった一人で渡った兄ソンホを、妹のリエは笑顔で迎える。ソンホの来日は日本で最新医療を受けるための一時的なものだが、北朝鮮の担当者はその行動を四六時中監視している。だがソンホの来日には、家族にも秘密にしているもうひとつの目的があった……。監督・脚本のヤン・ヨンヒが自らの経験をもとにして作った映画だが、ジャンルとしては「ホームドラマ」ということになるのかもしれない。遠く離れて暮らしていた家族が再会し、また別れていくというストーリーの枠組みは「ホームドラマ」によくあるものだろう。兄が家に戻り、家族や友人たちとのすったもんだがあり、妹がそれをハラハラしながら見守っているという人物配置は、『男はつらいよ』と同じかもしれない。内容は監督自身の実体験に根ざしたものが多いようだが、フィクションならではの表現も交えているのだと思う。兄の監視役で登場するのは、『息もできない』に監督主演したヤン・イクチュン。

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2012.07.06

映画|夢売るふたり

Yumeurufutari 09年に『ディア・ドクター』を発表して絶賛された西川美和監督の新作。阿部サダヲと松たか子が夫婦で営んでいた小料理屋をぼやで失い、新たな開店資金をかき集めるために思いついたのは結婚詐欺だった……という物語。結婚詐欺をするのは夫の阿部サダヲで、松たか子はその仕込みをする役回り。金を貯め込んでいそうなカモを探し出し、さりげなく出会いをお膳立てし、恋の駆け引きのシナリオを周到に準備してやる妻。夫は妻に命じるままに女性に接近し、相手の懐に飛び込んで金をさらって行く。夫は妻の操り人形。しかしいつしか夫の側は、女を口説いて騙すという行為に、妻も本人も思っていなかったような意外な才能を発揮し始める。阿部サダヲが調子はいいくせに精神的には弱い男を好演。松たか子の屈折した悪女ぶりも素晴らしい。

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映画|マダガスカル3

Madagascar3 2005年の『マダガスカル』、2008年の『マダガスカル2』に続く3作目。じつは2作目を見落としているのだが、それは特に大きな問題にはならないようだ。ニューヨークの動物園を逃げ出してアフリカに戻ったはずの動物たちが、故郷の動物園を懐かしんで戻ろうとする物語。今回の映画では主人公たちが無事にニューヨークに戻るのだが……。今回の映画から3Dになっているが、これが抜群の効果を生み出すのは動物取締官の女性警部デュボアとの追いかけっこと、途中から合流した動物サーカスと繰り広げるスペクタクルショー。パラマウント映画はこの秋に『シルク・ドゥ・ソレイユ3D 彼方からの物語』という映画を公開するので、『マダガスカル3』の前にもその予告編を流していたのだが、それに匹敵するめくるめく体験。(もちろんこっちは3Dアニメであちらは3Dの実写映像なんだけどね。)『マダガスカル3』の中では「カナダのサーカス団は動物の出てこないサーカスを作って大人気だ!」とシルク・ドゥ・ソレイユを引き合いに出した台詞もあって、対抗意識がむき出しなのがまた楽しい。

(原題:Madagascar 3: Europe's Most Wanted)

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