映画|リトル・マエストラ
解散の危機に瀕したamateurオーケストラが、ひとりの少女の尽力で再生するという往年の名画『オーケストラの少女』と、炭鉱町のブラスバンドが鉱山閉鎖にもめげずコンクールでの優勝を目指す感動作『ブラス!』をくっつけて、舞台を日本にしたような音楽映画。日本海に面した小さな港町のアマチュアオーケストラが、新しい指揮者として招聘したのは、アメリカの有名音楽大学で学んでいるという天才少女指揮者(リトル・マエストラ)だった。だがこの経歴は紹介者の誤解(あるいはウソ)があった。彼女は高校のブラスバンドで指揮をしているだけだったのだ……。映画の中で演奏されるのがエルガーの「威風堂々」で、これは『ブラス!』でも使われていた曲なので、ますます映画は『ブラス!』に似てきてしまう。『ブラス!』は映画の出演者たちが本当に演奏していたけど(映画のモデルになったグライムソープ・コリアリー・バンドがメンバー役で出演して演奏もしている)、この映画は演奏が吹替なんだよなぁ。「威風堂々」も有名なサビの部分だけへんにループさせて、全曲通しての演奏がないしなぁ。ストーリーは悪くないけど、脚本はもっと細部を煮詰めないとな。せっかく地方ロケまでしているのにもったいないよ。
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