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2013.01.16
映画|王になった男
アイヴァン・ライトマンのコメディ映画『デーヴ』(1993)を、韓国の時代劇に翻案した作品と考えるべきだろう。ただし『デーヴ』はコメディだったが、『王になった男』はそれよりずっとシリアスな歴史ドラマだ。企画の核としては『デーヴ』があり、それをあれこれいじくり回しているうちに別方向に発展したのか、それとも元々は別の企画からスタートしたものが、脚本を作る過程で『デーヴ』を参考にしたのかは不明。影武者を主人公にした映画にはもちろん黒澤明の『影武者』などもあるわけで、この映画ではそのアイデアも一部借用している。まあそういう意味であちこちのアイデアに新鮮味はないが、豪華なセットと衣装でまったく別の世界観に仕立て直し、立派な歴史ドラマにしているのは大したもの。なお『デーヴ』に似ているという指摘は当然韓国でも上がっていたようだが、この点について質問された監督は、それについて強く否定はしていないようでもある。僕は『デーヴ』の方が好きだけど、この映画の製作者たちもきっと『デーヴ』が好きで、その韓国版を作りたかったんだろうな。本家の『デーヴ』より少しウェットで、悲観的で、血なまぐさいのが、韓国的なのかもしれない。
(原題:광해, 왕이 된 남자)
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