映画|ザ・マスター
ポール・トーマス・アンダーソンの新作は、新興宗教サイエントロジーの教祖をモデルにした男と、その家族や信奉者たちが織り成す人間ドラマ。主人公は第二次大戦をきっかけに酒浸りになった青年で、彼が偶然「コーズ」という新興宗教グループと関わりを持ったことから、団体の教祖であるマスターとの愛憎に満ちた日々が始まる。モチーフはぜんぜん違うのだが、アンダーソン監督の映画としては、ポルノ業界を舞台にした『ブギーナイツ』に似ているのかな……という気もする。閉鎖的な小さな世界があって、そこにひとりの青年が迷い込んで大きな役割を担っていくようになる。そこは家族的な平和な世界ではあるが、社会的にはいろいろと風当たりの強い世界でもある。フィリップ・シーモア・ホフマンは『ブギーナイツ』にも出てたなぁ……。
(原題:The Master)
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