映画|地獄でなぜ悪い
刑務所から出所してくる妻に、娘の主演映画をプレゼントしようとするやくざの組長が、自主製作映画のスタッフたちと一緒に本物の抗争をそのまま映画化しようとする話。映画の冒頭から床一面の血糊。鮮血が頭上からシャワーのように降り注ぐスプラッタ描写。クライマックスでは戦う男たちの腕が飛び、足が飛び、首が飛び、銃撃で片っ端から人間たちが蜂の巣になって、血糊が所狭しとまき散らされる。園子温の映画だと、『自殺サークル』で女子高生たちが電車に飛び込むシーンの血糊の量も凄まじかったが、今回の映画はその何十倍だろう。それでいて、これは荒唐無稽なコメディなのだ。スプラッターはスラップスティック。長谷川博己のハイテンションぶりがすごい。堤真一がヘン顔で笑わせるのにも参った。やくざ映画のパロディであり、映画への偏愛がぎっしり詰まった作品であり、権力への不信をあらわにした作品でもある。2時間10分は長いか短いか。まあ『愛のむきだし』は4時間近くあったわけで、それに比べればぜんぜん短いわけだけど……。
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