映画|股旅三人やくざ
新文芸坐の仲代達矢特集。『股旅三人やくざ』は1965年(昭和40年)の東映作品。3話オムニバスで、監督は沢島忠。童謡「どじょっこふなっこ」の合唱に合わせて、秋・冬・春の3つのエピソードが綴られていく。仲代達矢が出ているのは最初の秋のエピソードで、偶然出会った宿場女郎を助けるために体を張る、旅暮らしに疲れた渡世人を演じている。駆け落ちしようとする男の顔も体も覚えていないのに、自分と所帯を持ちたいという男の一言にすがりつく女の悲しさ。おんぼろ船に仲代扮する渡世人と閉じ込められながら、その間「2日間だけきれいでいられた」と言う切なさ。社会の最底辺に生きる男と女が、互いに社会の最底辺にいるという共通点で結びつく。この第1話は他の2話に比べても徹底したリアリズム。これはどうも脚本を笠原和夫が書いているらしい。第2話は、松方弘樹扮する若いやくざと、志村喬扮する老やくざが登場する冬編。これは物語の舞台が限定されているワンセットドラマ。舞台劇のような雰囲気もある。第3話は中村錦之助主演のコメディ風作品。
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