映画|ジェリー・フィッシュ
新潮社主催の「女の女のためのR-18文学賞」で受賞の最終候補になったという雛倉さりえの同名短編小説を、思春期の女の子描写には定評のある金子修介監督が映画化。
主演の花井瑠美と大谷澪はどちらも映画初出演に近くて演技は拙い。台詞のすきまからキャラクターの感情が見えない、ぼんやりとした語りだ。しかしその演技のぎこちなさや頼りなささえも、思春期の少女の恋愛に対するぎこちなさや、存在の頼りなさなどに重ね合わせていくため、ここでは演技が拙いことがマイナスになっていない。この手は何度も使えるわけではないのだが、少なくともこの映画ではうまくツボにはまって抜群の効果を生み出している。
彼女たちが周囲に溶け込めない、浮いた存在であること自体が、この映画においてはひとつの財産なのだ。
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