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2013.07.24

映画|ハンナ・アーレント

13072402 良いことをする人は善人で、悪いことをするのは悪人だ。我々は子供の頃から、素直に、素朴に、そう信じてきた。だが「イェルサレムのアイヒマン」を書いた政治哲学者のハンナ・アーレントは、それは間違いだと言う。ナチスの戦犯アイヒマンは、なぜユダヤ人の大量殺戮を平然と行えたのか。それは彼が悪人だったからではない。彼はただ自分の仕事に忠実なだけだった。彼は自分の仕事が、どんな結果を生み出すのかも知っていた。だがそれはもはや、彼の仕事の管理下にはない。彼の仕事はユダヤ人たちを貨車に乗せて旧姓収容所に送ることだけで、その後のことは知ったことではないのだ。こうした悪を、アーレンとは「凡庸な悪」と呼び、これこそが人類史上もっとも巨大な悪だと言った。だがアーレントのこの意見は、当時の人々にはほとんど理解されない。世間の人々にとって、アイヒマンは血も涙もない極悪人でなければならかった。それを「平凡な男」と言ったアーレントは、「アイヒマンをかばっている」「ナチスを擁護している」と社会全体から袋だたきにされる。だがどうだろう。現在の我々はこうした「凡庸な悪」を身近に見てよく知っているのではないだろうか。原発事故後の政府と電力会社の振る舞いはどうだろう。沖縄を巡る政治家たちの振る舞いはどうだろう。そこにはアイヒマンと同じ「凡庸な悪」がうごめいている。

(原題:Hannah Arendt)

10月26日(土) 岩波ホール

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