2014年9月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30        
無料ブログはココログ

« 2013年4月28日 - 2013年5月4日 | トップページ | 2013年5月19日 - 2013年5月25日 »

2013.05.17

映画|インポッシブル

13051701 2004年の年末に起きたスマトラ沖地震は、地震による大規模な津波で30万人とも言われる死者・行方不明者を出した。この映画はタイのリゾート地でその大津波に襲われ、家族全員が津波の濁流に呑み込まれながら奇跡的に全員が生き延びて再会を果たした実話の映画化。モデルになったのはスペイン人一家のようで、映画自体もスペイン映画。しかし世界マーケットを意識して、ナオミ・ワッツとユアン・マクレガー主演の英語作品になっている。事実の歪曲だと言うなかれ。ヨーロッパの映画界がある程度の大作を作ろうとすれば、こうやって世界のマーケットに出さないと成り立たないのだ。この点で日本映画は日本語のままでも商売が成り立つのだから恵まれているのかもしれないし、世界に進出する機会が減っているのかもしれない。まあこれは映画自体とは別の話ではあるけれど……。この映画はやはり観ていて痛々しい。スマトラ大地震での津波の様子はイーストウッドの『ヒアアフター』にも描かれていたが、被害の様子をどうしても東北の被災地に重ね合わせて見てしまう。行方不明になった家族を探してあちこちの避難所や病院を回り、掲示板に目を通す人たちの姿は、2年前の日本でも見られたものだろう。奇跡的に家族全員が助かった家族の物語はハッピーエンドが約束されているのだが、この生還は本人たちの努力云々ではなく偶然のなせるわざ。感動的なドラマだが、失われたものの大きさを思うと苦い結末だ。

(原題:Lo imposible)

6月14日(金)TOHOシネマズシャンテほか

公式サイト
公式Twitter
公式Facebook
IMDb
映画瓦版

04:00 午後 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック

2013.05.15

映画|トゥ・ザ・ワンダー

13051502 良くも悪くもテレンス・マリックの作品だ。素晴らしい映像美と、その上にかぶせられた出演者たちの心の声のようなナレーション、管弦楽曲。『ニュー・ワールド』から『ツリー・オブ・ライフ』、今回の『トゥ・ザ・ワンダー』までそれは一貫しているように思う。今回の物語はシンプルだ。ヨーロッパで子持ちの若いフランス人女性と知り合ったアメリカ人男性が彼女と恋に落ち、いろいろあって彼女と結婚することになるが、その後は気持ちのすれ違いから別れてしまうという話。基本的に「駄目になっていく男女関係」の話なので、映画を観ていてもちょっと気が滅入ってくる。映画には「なぜそうなったのか」「他に方法がなかったのか」という話がまったく出てこない。描かれているのは「状況」ではなく、既にある状況の中で右往左往している人間の「気持ち」なのだ。この映画は登場人物たちの置かれた状況に寄り添うのではなく、登場人物たちの気持ちにぴったりと寄り添っている。状況説明はないけれど、本人の気持ちだけが垂れ流しなのだ。これって何かに似ていないか? 酔っ払いのよくわからないグチである。気持ちはわかる。でも済まない。お前の言っていることはさっぱりわからないのだよ……。この映画が酔っ払いのグチと違うのは、映像が途方もなく美しいということだ。

(原題:To the Wonder)

8月公開予定 TOHOシネマズシャンテほか

公式サイト
公式Twitter
公式Facebook
IMDb
映画瓦版

03:30 午後 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック

映画|夏の終り

13051501 瀬戸内寂聴について、僕の母親はずいぶん昔だが、「瀬戸内晴美でしょ? あの人の書く小説はイヤラシイ」と言った。本作はその瀬戸内晴美(後の寂聴)が昭和37年に発表した小説の映画化。これを観ると、瀬戸内作品をリアルタイムで読んでいる人たちが「イヤラシイ」と言う理由が、なんとなくわかるような気がするのであった……。本作は原作者の実生活を色濃く反映した自伝的小説で、登場人物にはそれぞれモデルになる人物がいる。宮沢りえが主演した瀬戸内寂聴の伝記ドラマ「出家とは生きながら死ぬこと」では、実在の人物名を小説「夏の終り」の人名と入れ替えており、瀬戸内作品を読む人にとっては、この作品が著者の自伝そのものに近い扱いを受けていることがわかる。主演は満島ひかりだが、この人はこの年でもう大女優の貫禄が出てきている。男女の腐れ縁を描いた作品ということで、この映画を観ていると成瀬巳喜男の『浮雲』を思い出してしまうのだが、満島ひかりに僕は往年の高峰秀子を感じてしまうし、この作品の小林薫にも森雅之を多少感じないわけではない。時代的にも昭和20年代から30年代が舞台だから、少し重なり合うところもあるんだけど……。熊切和嘉監督は『海炭市叙景』に通じる落ち着いたタッチ。監督インタビューを読むと、やはり成瀬巳喜男や小津安二郎の映画をかなり参考にしたとのこと。

8月31日(土)有楽町スバル座、テアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷

公式サイト
公式Twitter
公式Facebook
IMDb
映画瓦版

01:00 午後 | 固定リンク | コメント(0) | トラックバック