Kindle|映画瓦版 2013年上半期
著者が運営している映画評サイト「映画瓦版」から、2013年上半期(1月〜6月)鑑賞分の映画評を掲載。
http://www.eiga-kawaraban.com/
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著者が運営している映画評サイト「映画瓦版」から、2013年上半期(1月〜6月)鑑賞分の映画評を掲載。
http://www.eiga-kawaraban.com/
Kindleブックの第4弾「読書感想文の書き方 〜目からうろこの宿題攻略法」をKDPに登録しました。最近は映画も観ずに何をやっているのだと思われそうですが、こんなことをやっていたのです……。今週からはまた映画を観に行きます。そっちが本業だもんね。
悪霊にさいなまれる世界〈下〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) Carl Edward Sagan 早川書房 2009-07-05 by G-Tools |
カール・セーガンによる科学エッセイ。疑似科学批判というより、科学教育の大切さを訴える内容になっている。(アメリカの科学教育は本当にひどい状態らしいが、この本でアメリカとの比較として取り上げられている日本の教育も、その後のゆとり教育などでめちゃくちゃな状態になっていると思うけど。)著者の視線は科学だけではなく、政治などにも向けられていく。科学とは「物事を批判的に考える」ことなのだ。誰かが何かを批判して新しい説明をしても、その説明はまた別の人たちに批判される。こうして科学はその内部に、自らのエラーを訂正する機能を持ち合わせている。政治の方法として民主主義は完全な方法ではないにせよ、現時点ではそれ以上の方法がみつからないベターな選択だ。聖書が教えるように、いずれは神による直接統治の下で人間たちが永遠の命を得て暮らすのかもしれない。しかしそれは民主主義を否定する理由にはならない。著者は科学もそれと同じだと言う。聖書が教えるように、いずれは人間たちに神から完全な知識が与えられるのかもしれない。しかしそれは、科学を否定することにはならいのだ。
悪霊にさいなまれる世界〈上〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) Carl Edward Sagan 早川書房 2009-07-05 by G-Tools |
中学生の頃、テレビの科学教養ドキュメンタリー「コスモス」でカール・セーガンを知った。宇宙の中には膨大な数の恒星があり、その多くは惑星を持っているだろう。宇宙の膨大な歴史を考えれば、広い宇宙の中で知的生命体が生まれたのが地球だけだとは考えにくい。むしろ他の太陽系でも知的生命体は生まれているだろう。そんなセーガンのメッセージは、専門的な科学者が宇宙人の存在を肯定したものだと誤解された。UFO信者たちに、セーガンがお墨付きを与えてしまったのだ。この本はそうしたUFO信者たちに対する、セーガンからのひとつの回答なのだろう。疑似科学や非科学的な言説に対する啓蒙書なのだが、少なくともこの上巻に関しては「宇宙人」についての反論になっている。
勝つために戦え!〈監督篇〉 徳間書店 2010-02-26 by G-Tools |
押井守のファンではないし作品もあまり観ていないのだが(実写作品など皆無だ)、作り手からの映画論、映画監督論ということで購入した本。書店でチャンバラ映画の回だけ読んで、これなら他の記事も面白いだろうと確信して買ったのだが、実際に面白かった。映画監督にとって「勝つ」ということを、押井守は「自分の撮りたい映画を撮り続ける権利を確保すること」だと定義している。この定義が妥当なものなのかどうかはともかく、なまじ大ヒット作や代表作があると勝ち続けることは難しいという指摘には肯いてしまった。そういや山本夏彦も、自分の会社にはピークというものがないから続いていると言っていたなぁ。確かにそういうものかもしれない。
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